2026年の高校女子バレーボール界で、大きな存在感を示したのが大阪の名門・金蘭会高校女子バレー部だ。2025年8月のインターハイで2年連続4度目の優勝を果たすと、2026年1月11日に開催された第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)でも、7大会ぶり4度目の全国制覇を達成した。夏と冬の全国大会を制した、見事な二冠である。
加えて、2026年11月1日に行われた第79回大会の大阪府代表決定戦でも勝利し、16年連続16回目の春高出場を決めた。馬場柚希、徳元菜々美、丹山花椿、岡日和らが築いた2026年の優勝チームから、新チームへ。池条義則監督の指導方針、就実との決勝、東九州龍谷との準決勝、歴代成績を振り返りながら、金蘭会が全国で勝ち続ける理由を整理する。
【2026年最新】金蘭会高校バレーの全国大会成績と春高出場の最新情報

金蘭会高校バレーの2026年を振り返るうえで欠かせないのが、春高バレーでの優勝と、その後に始まった新チームの挑戦だ。
単に全国大会で優勝しただけではない。夏のインターハイで結果を残し、冬の春高でも勝ち切り、さらに次年度の全国大会出場権まで獲得している。
2026年1月11日、春高バレーで7大会ぶりの優勝第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会の女子決勝は、2026年1月11日、東京体育館で開催された。
対戦相手は岡山県の就実高校。国民スポーツ大会で優勝した岡山選抜の中心選手を擁する強豪であり、全国の頂点を争うにふさわしい顔合わせとなった。
試合結果は次のとおり。
第78回春高バレー 女子決勝・2026年1月11日金蘭会 3-0 就実
25-20
第1セット29-27
第2セット28-26
第3セット
出典:日本バレーボール協会、月刊バレーボール
注目したいのは、3セットとも相手に簡単には主導権を渡さなかったことだ。
第1セットは中盤にブロックなどから連続得点を奪い、25-20で先取。第2セットは就実に先にセットポイントを握られながら、長いラリーを制して29-27で逆転した。
第3セットも就実が21-24と先にセットポイントへ到達。しかし、金蘭会は徳元菜々美の連続得点などで追いつき、最後はブロックで勝負を決めた。
相手にリードを許しても崩れない。これが2026年の金蘭会を象徴する試合展開だった。
2026年11月、2027年春高への出場も決定2026年11月1日には、第79回全日本バレーボール高等学校選手権大会の大阪府代表決定戦が行われた。
金蘭会は大阪学芸と対戦し、セットカウント2-0で勝利。
- 第1セット:25-20
- 第2セット:25-18
- 試合結果:金蘭会 2-0 大阪学芸
この結果、金蘭会は16年連続16回目の春高出場を決めた。2026年1月の優勝チームから新しい世代へと移行しても、大阪の代表争いを勝ち抜いたことになる。
2026年11月3日時点では、次の注目舞台は2027年1月の第79回春高バレーだ。
【夏・冬の二冠】インターハイ2025と春高2026の激闘を振り返る
金蘭会の2026年春高優勝を理解するには、前年夏のインターハイからの流れを追う必要がある。
2025年のインターハイは、チームの完成度を全国に示した大会だった。
インターハイ2025は福岡女学院を破って2連覇2025年8月5日から9日まで、岡山県のジップアリーナ岡山などで開催された全国高校総体。
金蘭会は決勝まで勝ち進み、福岡女学院と対戦した。
インターハイ2025 女子決勝・8月9日金蘭会 3-1 福岡女学院
第1セット
25-22
第2セット
25-16
第3セット
24-26
第4セット
25-20
第3セットを落としたものの、第4セットで立て直して優勝。相手に流れを渡した後の修正力も際立った。
この大会では、馬場柚希、徳元菜々美、丹山花椿が優秀選手に選ばれた。
加えて、馬場と徳元はベスト6表彰選手、岡日和はリベロ優秀選手、池条義則監督は優秀監督賞を受賞している。
個人の活躍だけでなく、監督を含めたチーム全体が高く評価された結果だった。
金蘭会対東九州龍谷の準決勝はフルセットの大接戦2026年春高で決勝以上に注目したい試合の一つが、1月10日の準決勝だ。
対戦相手は大分県の東九州龍谷高校。全国大会で数々の実績を持つ女子バレーの強豪である。
試合は第5セットまでもつれ込んだ。
| セット | 金蘭会 | 東九州龍谷 |
|---|---|---|
| 第1セット | 23 | 25 |
| 第2セット | 25 | 17 |
| 第3セット | 18 | 25 |
| 第4セット | 25 | 22 |
| 第5セット | 16 | 14 |
金蘭会 3-2 東九州龍谷
セットを取り合う展開のなか、最終セットも14-14まで競り合った。
最後の2点を取り切った金蘭会は、翌日の決勝に進出。強豪とのフルセットを経験したことは、就実戦での終盤の落ち着きにもつながったと考えられる。
就実との決勝で見せた勝負強さ準決勝を制した金蘭会の前に立ちはだかったのが、就実だった。
就実も全国優勝の実績を持ち、個々の技術力と粘り強いラリーに定評がある。
決勝では、第2セットと第3セットで就実が先にセットポイントを握る場面があった。それでも金蘭会は、攻撃を単調にせず、ブロックや粘り強いラリーで得点を重ねた。
特に第3セットの21-24からの追い上げは、2026年の金蘭会の強さを端的に表している。
【金蘭会高校バレーのメンバー】馬場柚希・徳元菜々美ら主力選手を紹介
2026年春高優勝チームの中心となったのは、馬場柚希、徳元菜々美、丹山花椿、岡日和らだ。
月刊バレーボールが掲載した2026年春高のチーム名鑑によると、金蘭会の登録メンバーは14人。金蘭会中出身の選手が多く、学校内での継続的な育成がチーム構成にも表れていた。
2026年春高の注目選手4人
馬場柚希
3年・180cm・ミドルブロッカー・主将
チームの中心選手。インターハイでも優秀選手・ベスト6に選出され、春高では大会最優秀選手に輝いた。U19日本代表にも名を連ねた実力者。
徳元菜々美
3年・172cm・アウトサイドヒッター
攻撃だけでなくサーブレシーブでも重要な役割を担った選手。春高決勝の第3セットでは、連続得点でチームの逆転を後押しした。
丹山花椿
3年・172cm・セッター
攻撃の組み立てを担う司令塔。セッターとしての配球に加え、ツーアタックなど自ら得点する選択肢も持っていた。
岡日和
3年・152cm・リベロ
身長152cmのリベロ。インターハイでもリベロ優秀選手に選ばれ、守備面でチームを支えた。
当時のベンチ入り予定メンバーは以下のとおり。
| 選手名 | 学年 | ポジション |
|---|---|---|
| 徳元菜々美 | 3年 | OH |
| 馬場柚希 | 3年 | MB・主将 |
| 丹山花椿 | 3年 | S |
| 中山沙也 | 2年 | OH |
| 泉谷美乃莉 | 3年 | MB |
| 石橋光 | 3年 | MB |
| 新井萌々 | 2年 | OH |
| 吉田桜香 | 2年 | OP |
| 山田陽和 | 1年 | OH |
| 岡日和 | 3年 | L |
| 吉田和桜 | 1年 | S |
| 西村里音 | 1年 | OH |
| 柴田心香 | 1年 | L |
| 松井優 | 1年 | OP |
※OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、S=セッター、L=リベロ、OP=オポジット。
ここで注意したいのは、上記が2026年1月の春高登録メンバーであることだ。3年生だった馬場、徳元、丹山、岡らは、この大会を最後に高校生としてのチーム活動を終えた世代である。
2026年11月の新チームを評価するときには、当時の優勝メンバーと現在の選手構成を混同しないことが大切だ。
【歴代成績】金蘭会高校女子バレー部が築いた全国優勝の歴史
金蘭会は、2026年だけ突然強くなった学校ではない。
池条義則監督がチーム強化に携わるようになった2007年以降、少しずつ全国レベルの実力を築いてきた。
春高バレーの歴代優勝とインターハイの実績| 年 | 大会 | 主な成績 |
|---|---|---|
| 2007年 | チーム強化 | 池条監督が金蘭会へ転任 |
| 2015年 | 春高 | 初優勝 |
| 2018年 | 春高 | 優勝 |
| 2019年 | 春高 | 2連覇達成 |
| 2022年 | インターハイ | 8年ぶり2度目の優勝 |
| 2024年 | インターハイ | 2年ぶり3度目の優勝 |
| 2025年 | インターハイ | 2年連続4度目の優勝 |
| 2026年1月 | 春高 | 7大会ぶり4度目の優勝 |
| 2026年11月 | 春高大阪府予選 | 16年連続16回目の出場決定 |
春高では2015年、2018年、2019年、2026年に優勝。2018年と2019年には連覇を達成している。
インターハイでも、2022年、2024年、2025年に全国優勝を記録。2025年は2年連続の優勝となり、通算4度目の頂点だった。
この実績から見えてくるのは、特定の年度だけに強い選手が集まるチームではなく、異なる世代でも全国の上位を狙える組織になっていることだ。
卒業生にも広がる金蘭会の育成力金蘭会高校バレー部の歴史を語るうえで、卒業生の存在も見逃せない。
代表的な選手には、次のような名前がある。
- :日本代表として国際大会でも活躍。
- :日本代表経験を持つ選手。
- :金蘭会出身の代表経験者。
高校時代に全国大会で結果を残すだけでなく、その後のカテゴリーでも活躍する選手を輩出してきた点は、チームの育成力を考えるうえで重要だ。
【強さの理由】池条義則監督の戦術と金蘭会独自の育成システム
金蘭会高校バレーが全国で勝ち続ける理由は、単純な高さや攻撃力だけでは説明できない。
注目したいのは、守備を土台にした攻撃、選手の特徴を生かす戦術、そして長期的な育成環境の3つだ。
理由1:池条義則監督が重視する「拾ってつなぐバレー」池条義則監督は、長年にわたり高校バレーの指導に携わってきた人物だ。
寝屋川市の広報インタビューによると、池条監督は母校の南寝屋川高校で女子バレー部を指導し、身長差をカバーするためにレシーブなどの守備を徹底的に鍛えた。
その後、2007年春に金蘭会へ移った。
当時の金蘭会は、部員がわずか数人という休部に近い状態だったという。指導体制を整え、選手を集め、チームを再建していった。
こうした経験から生まれたのが、守備を基盤にしたチームづくりだ。
金蘭会の強さは、最初の攻撃が決まらなかったときにも表れる。
一度のスパイクで得点できなくても、レシーブでボールをつなぎ、攻撃を組み立て直す。相手にとっては、簡単にラリーを終わらせられない厄介なチームとなる。
理由2:二段トスを打ち切る技術と攻撃の選択肢池条監督の戦術で特に興味深いのが、二段トスへのこだわりだ。
2026年1月の月刊バレーボールのインタビューでは、池条監督がレフトへのハイセットを重視していることが紹介された。
ハイセットとは、守備から攻撃に切り替える際などに、比較的高いトスを上げることだ。
速いコンビネーション攻撃だけを磨くのではなく、高いトスを十分に打ち切る能力を身につける。そうすることで、体格や助走を生かした攻撃が可能になる。
監督は、選手が自分で考えて攻撃のテンポを工夫することも尊重していた。
実際、セッターの丹山花椿は速い攻撃を志向し、チーム練習でもコンビネーションを増やしていたという。
この方針には、2つの意味がある。
- 高いトスへの対応力を身につけ、攻撃の選択肢を広げる。
- 選手自身が判断することで、試合中の状況変化に対応できるようにする。
監督がすべてのプレーを決めるのではなく、選手の特徴を見ながらチームとしての最適解を探す。これが金蘭会の攻撃に幅を持たせている。
理由3:安定したサーブレシーブと守備の連係2026年春高前のインタビューで、池条監督はサーブレシーブの中心として、徳元菜々美、岡日和、馬場柚希の3人を挙げていた。
それぞれが役割を果たすことで、攻撃につなげるための最初のプレーが安定する。
ただし、監督はサーブレシーブとディグを別の技術として捉え、ブロックとの連係にも課題があると説明していた。
ここが興味深い。
強豪校というと、すべてが完成されたチームを想像しがちだ。しかし、金蘭会は守備の課題を把握し、練習によって改善しようとしていた。
2026年春高決勝で就実に追い上げられた場面でも、ブロックから得点を奪い、最後まで試合を立て直した。
守備を単独の技術としてではなく、攻撃へつなげる一連の流れとして考えている点が強みだ。
理由4:中高の育成環境と日常的なコンディショニング金蘭会の2026年春高登録メンバー14人を見ると、金蘭会中学校出身の選手が10人を占めている。
中学校から高校へと進むなかで、基本技術やチームの考え方を継続して身につけられる環境がある。
また、味の素のアミノバイタルアカデミーが紹介したチームの取り組みも興味深い。
2026年の紹介記事では、当時の部員数は31人。睡眠時間の確保、入浴後のストレッチ、週3回のウエイトトレーニング、栄養管理など、日常生活を含めたコンディショニングが紹介されている。
特に高校生の競技では、技術力だけでなく、長期間にわたって安定したパフォーマンスを発揮することが重要になる。
全国大会では短期間に複数試合を戦う。疲労をためず、試合ごとに集中力を保つための身体づくりも、競技力を支える要素だ。
【2026年秋の新チーム】2027年春高に向けた注目点と課題
2026年1月の春高優勝をもって、馬場柚希ら3年生中心のチームは一区切りを迎えた。
その後の金蘭会は、2026年度の新チームで大阪府の大会に臨んでいる。
大阪私学大会でも優勝2026年9月に行われた大阪私学大会では、金蘭会が決勝で大阪国際を破った。
大阪国際の公式活動報告によると、決勝のスコアは次のとおり。
- 第1セット:25-20
- 第2セット:25-21
- 金蘭会が2-0で勝利。
春高優勝後の世代交代を経ても、大阪府内の強豪校との対戦で結果を残している。
2027年春高に向けて注目したい3つのポイント1.馬場柚希ら卒業後の攻撃力
2026年春高で最優秀選手に選ばれた馬場柚希のような中心選手が卒業した後、どの選手が攻撃の軸になるのか。
特にミドルブロッカーとアウトサイドヒッターの連係、得点源の分散が注目される。
2.セッターを中心とした攻撃の再構築
丹山花椿が担った攻撃の組み立てを、新チームがどのように引き継ぐか。
速い攻撃と高いトスを使った攻撃を組み合わせられるかが、全国大会での競争力を左右する。
3.守備力と選手層の維持
金蘭会の特徴である粘り強いレシーブを維持できるか。
大阪府予選を勝ち抜いたことは大きな成果だが、全国大会では就実や東九州龍谷など、全国上位校との対戦が待っている。
2027年春高では、優勝経験のある学校としてのプレッシャーにどう向き合うかも見どころになる。
【プロの結論】金蘭会高校バレーの強さは一人のエースでは説明できない
金蘭会高校女子バレー部の2026年の実績を振り返ると、全国優勝を支えているのは、個人の能力だけではないことが分かる。
馬場柚希の高さと攻撃力、徳元菜々美の攻守にわたる貢献、丹山花椿のゲームメーク、岡日和の守備力。それぞれが異なる役割を果たしていた。
加えて、池条義則監督が長年培ってきた守備重視の指導、二段トスを打ち切る技術、選手の自主性を生かす戦術が重なっている。
ここから読み取れる要点は、強いチームとは、スター選手がいるチームではなく、スター選手が卒業しても競争力を維持できるチームであるということだ。
2026年の金蘭会は、その育成システムが全国大会で結果につながった好例だった。
【よくある質問】金蘭会高校バレーに関するFAQ
Q1:金蘭会高校は2026年春高バレーで優勝した?
A1:優勝した。2026年1月11日の女子決勝で就実を3-0(25-20、29-27、28-26)で破り、7大会ぶり4度目の優勝を達成した。
Q2:金蘭会高校バレー部の2026年の主力メンバーは誰?
A2:馬場柚希、徳元菜々美、丹山花椿、岡日和が代表的な選手だ。馬場は最優秀選手、徳元は優秀選手、岡はベストリベロに選ばれた。いずれも2026年1月の春高優勝チームのメンバーである。
Q3:金蘭会高校の2025年インターハイの結果は?
A3:女子決勝で福岡女学院を3-1で破り、2年連続4度目の優勝を達成した。
Q4:金蘭会高校バレーが強い理由は?
A4:守備を重視したチームづくり、二段トスへの対応力、選手の自主性を生かした攻撃、中高を通じた育成環境などが挙げられる。
Q5:金蘭会高校は2027年春高にも出場する?
A5:出場する。2026年11月1日の大阪府代表決定戦で大阪学芸に2-0で勝利し、16年連続16回目の出場を決めた。
2026年の金蘭会高校バレーは、2025年インターハイの2連覇、2026年春高の7大会ぶり4度目の優勝という輝かしい成果を残した。
就実との決勝、東九州龍谷との準決勝で見せた粘り強さは、池条義則監督が長年築いてきたチームづくりの成果でもある。
一方、馬場柚希、徳元菜々美、丹山花椿、岡日和ら主力選手の卒業によって、新しい世代には新しい課題も生まれている。
それでも、2026年11月には大阪府予選を勝ち抜き、2027年春高への出場権を獲得した。
今後の注目は、新チームがどのような攻撃スタイルを確立し、全国の強豪校と渡り合うかだ。
金蘭会の本当の強さは、優勝した瞬間だけでなく、優勝を支えた技術と育成の仕組みを次の世代へ受け継げるかどうかにある。
2027年春高での新チームの戦いは、その答えを示す大きな舞台となる。