海上保安庁が2026年5月19日に公表したゴールデンウイーク期間(4月29日~5月6日)の速報値によると、全国のマリンレジャー活動に伴う人身事故は30人、死者・行方不明者は10人だった。
このうち磯遊び中の事故は5人で、死者・行方不明者は3人に上る。
この数字は茨城県だけの統計ではないが、潮干狩りや磯遊びのような身近な海辺のレジャーにも、重大な事故リスクがあることを示している。
【プロの結論】茨城の潮干狩り事故から学ぶべき3つの判断基準

2026年の事故を振り返ると、安全な潮干狩りには、単に潮位を調べたり、ウェットスーツを着たりするだけでは不十分であることが分かる。
特に重要なのは、次の3つの判断基準だ。
判断基準1:採捕可能な場所であること最初に、潮干狩りが認められている区域かどうかを確認する。
大洗では第1・第2サンビーチが対象であり、第3ビーチは採捕可能区域ではない。
鹿島灘の4区域以外での貝類採取は、漁業権侵害などの法令違反につながる可能性がある。
判断基準2:当日の海況が安全であること干潮時刻だけでなく、波浪注意報、風、うねり、波打ち際の流れを確認する。
少しでも波が荒い場合は、採捕を中止する判断が必要だ。
2026年10月23日の死亡事故が示すように、干潮に近い時間帯でも安全が保証されるわけではない。
判断基準3:装備と行動に無理がないことライフジャケットを着用し、複数人で行動する。岸から離れすぎず、足が着かなくなる深さには絶対に進まない。
特に、貝を多く採ろうとして沖へ移動する行動は避けたい。
潮干狩りで最も避けるべきなのは、採れる量を優先して安全の限界を超えてしまうことだ。
採捕量の上限は1人1日1kg。上限まで採る必要も、深い場所まで探しに行く必要もない。
貝を採る楽しさよりも、無事に帰宅できることを優先する。それが2026年の事故から得られる最も大切な教訓だ。
【茨城の潮干狩り事故】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月23日の大洗第3ビーチの事故原因は何ですか?
A1:50歳男性が砂浜から約30メートルの場所で溺れ、死亡しました。当時は干潮時刻に近い時間帯でした。警察が詳しい状況を調べていると報じられていますが、離岸流や戻り流れが直接の原因だったとは確定していません。
Q2:大洗第3ビーチで潮干狩りをしてもよいですか?
A2:いいえ。茨城県が定める鹿島灘の潮干狩り可能区域は、大洗第1・第2サンビーチ、大竹地区、下津地区、日川地区の4区域です。大洗第3ビーチは採捕可能区域に含まれていません。
Q3:干潮時なら潮干狩りは安全ですか?
A3:必ずしも安全ではありません。干潮時でも戻り流れや離岸流、高波による事故が起きる可能性があります。潮位だけでなく、波浪注意報や現地の海況も確認してください。
Q4:潮干狩りにライフジャケットは必要ですか?
A4:着用を強く推奨します。第三管区海上保安本部は2026年8月17日の緊急情報で、磯遊びの際には必ずライフジャケットを着用するよう呼びかけています。
Q5:離岸流に流されたらどうすればよいですか?
A5:岸に向かって無理に泳がず、落ち着いて岸と平行に泳ぎ、流れから抜け出すことが基本です。泳げない場合は浮力を確保して救助を待ち、周囲に助けを求めてください。
2026年の茨城県では、大洗サンビーチや東海村の豊岡海岸などで、潮干狩り中の死亡事故や行方不明事案が相次いだ。
特に注目されたのは、次の3つの問題だ。
- 大洗の事故: 4月5日の49歳男性死亡、5月1日の51歳男性行方不明、10月23日の大洗第3ビーチでの50歳男性死亡。
- 東海村の事故: 5月2日に豊岡海岸で男性2人が沖に流され、27歳男性が死亡。もう1人の行方不明者については、5月7日に遺体が発見された。
- 安全管理の問題: 戻り流れ、離岸流、高波、干潮後の潮位変化、採捕禁止区域への立ち入りなど、複数の危険要因が存在する。
一方、事故の発生場所や時間帯だけで原因を決めつけることもできない。大洗第3ビーチの10月23日の事故についても、詳しい原因は警察の調査事項として報じられている。
茨城県が定める採捕ルールを守り、海上保安庁の注意喚起に従い、ライフジャケットを着用する。波が高い日や流れが強い日は海に入らない。
潮干狩りは自然の海を楽しむレジャーであり、海の状況は刻々と変わる。
貝が採れるかどうかよりも、今日の海に入ってよいかどうかを先に判断する。
2026年の事故を教訓に、これから潮干狩りを楽しむ人には、採捕ルールと水難事故防止の両方を意識した行動が求められる。