鳩の鳴き声には、どのような意味があるのでしょうか。公園や住宅街で耳にする「クックー」「クルックー」という低い声や、朝方に繰り返される「デーデーポッポー」という独特の鳴き声。何気なく聞いている音にも、求愛や縄張りの主張、仲間とのコミュニケーションなど、さまざまな行動が関係しています。
日本で身近に見られる鳩には、在来種のキジバトと、外来種のカワラバトが野生化したドバトがいます。両者は姿だけでなく鳴き方や行動にも違いがあり、鳴く時間帯や周囲の状況を観察すると、声の意味を推測しやすくなります。2026年の最新の公的資料や鳥類図鑑を参考に、鳩の鳴き声の種類、オスとメスの違い、朝や夜に鳴く理由まで詳しく解説します。
【鳩の鳴き声の意味】「クックー」は何を伝えている?

鳩の鳴き声は、単に仲間を呼ぶための音ではありません。鳴いている状況や相手との距離、体の動きを合わせて観察すると、そのときの行動や目的が見えてきます。
特に注目したいのが、低く響く「クックー」という声です。
「クックー」「クルックー」は鳩の代表的な声鳩の仲間は、喉を使って低く柔らかな音を繰り返すのが特徴です。
人間の耳には、次のような擬音として聞こえることがあります。
- クックー:短く区切られた低い声
- クルックー:喉を震わせるような連続音
- ゴロポッポ:低く、少しこもった響き
- デーデーポッポー:一定のリズムで繰り返す長い鳴き声
- クウッ、プゥー:短く控えめな声
ただし、これらは人間が音を言葉に置き換えた「聞きなし」です。同じ鳩でも、種類や個体、鳴いている場面によって聞こえ方が変わります。
例えば、ドバトのオスは求愛するときに「ゴロポッポ」といった低い声を発します。一方、キジバトのオスは「デデッポッポー」と繰り返す特徴的な声を出します。
キヤノンバードブランチプロジェクトの野鳥写真図鑑でも、両者の鳴き方や求愛時の行動が紹介されています。
鳩が鳴くことには複数の意味がある鳩が鳴く主な理由は、次の4つに整理できます。
1. 求愛: 繁殖相手に自分の存在を知らせ、関心を引く。
2. 縄張りの主張: 他の個体に自分の存在を知らせ、一定の場所を確保する。
3. 仲間とのコミュニケーション: つがいや仲間との位置関係を確認する。
4. 警戒や反応: 周囲の変化や刺激に反応して声を出す。
重要なのは、鳴き声だけで意味を一つに決められないことです。
同じ低い声でも、相手に近づきながら鳴いているのか、一定の場所にとどまって繰り返しているのかによって、考えられる行動は異なります。
【種類別に比較】キジバトとドバトの鳴き声はどう違う?
日本の街中でよく耳にする鳩の声を理解するには、キジバトとドバトを区別することが大切です。
どちらも全長約33cm前後の身近な鳩ですが、鳴き声には比較的わかりやすい違いがあります。
キジバトの鳴き声は「デーデーポッポー」は、別名ヤマバトとも呼ばれる日本の在来種です。
灰褐色の体に、背中の茶色いうろこ状の模様、首の側面にある青灰色と黒の縞模様が目印です。
代表的な鳴き声は「デデッポッポー」「デーデーポッポー」。
低く落ち着いた声で、同じ節を一定のリズムで繰り返します。住宅街の木々や電線、公園の植え込みなどから聞こえることもあります。
我孫子市鳥の博物館が2026年3月26日に公開した解説でも、キジバトの普段の声は「クウッ」「プゥー」などで、オスは「デデッポォーポォー」と繰り返してさえずると紹介されています。
ドバトの鳴き声は「クルックー」「ゴロポッポ」は、公園や駅前、神社などで群れをつくっていることが多い鳩です。
正式な種としてはカワラバト(Columba livia)にあたり、飼育されていた個体が野生化したものです。
ドバトの声は、次のような特徴があります。
- 「クルックー」と聞こえる低い声
- 「ゴロポッポ」と聞こえる喉を鳴らすような音
- 求愛中に繰り返される低い声
- ヒナが発する「ピー」という声
キジバトのような長い一定の節回しよりも、短くこもった声や喉を震わせる音が目立ちます。
国立環境研究所の侵入生物データベースによると、ドバトは市街地や寺社、河川など幅広い環境に生息し、建物のひさしやベランダなどに巣をつくります。
キジバトとドバトの違いを一覧で比較| 比較項目 | キジバト | ドバト |
|---|---|---|
| 分類 | 在来種 | 外来種のカワラバト由来 |
| 代表的な鳴き声 | デーデーポッポー | クルックー、ゴロポッポ |
| 声の印象 | 低く、ゆっくりした節 | 低く、こもった響き |
| 鳴く個体 | オスのさえずりが特徴的 | オスの求愛時の声が目立つ |
| 主な生息環境 | 林、公園、農耕地、住宅地 | 公園、駅前、寺社、建物 |
| 行動の特徴 | つがいで行動することが多い | 群れで行動することが多い |
| 見た目の目印 | 首の青灰色と黒の縞模様 | 羽色の多様性と首の光沢 |
声だけで種類を判断できない場合は、姿も確認してみましょう。
キジバトは首の横に特徴的な縞模様があります。ドバトは灰色だけでなく、白や茶色、黒など羽色の個体差が大きく、首の緑色や紫色の光沢が目印になります。
また、キジバトは比較的単独やつがいで見られ、ドバトは群れで行動することが多い傾向があります。
声のリズム、首の模様、群れの有無。この3点を組み合わせると、身近な鳩の種類を見分けやすくなります。
【鳴く理由を解説】求愛行動・縄張り・仲間への合図
鳩が鳴く理由を理解するうえで、特に注目したいのが求愛行動と縄張りの主張です。
オスがメスにアピールする求愛の鳴き声鳩のオスは、繁殖相手に自分の存在を知らせるために鳴きます。
ドバトの場合、求愛中には胸や喉を膨らませ、低い声を出しながらメスの周囲を歩き回る姿が見られます。
加えて、次のような動作を組み合わせます。
- 胸を膨らませて体を大きく見せる
- 首を上下に動かす
- 頭を下げておじぎするような動作を繰り返す
- 尾羽を広げる
- 相手の周囲を回りながら鳴く
こうした動作は、声だけでなく姿勢や動きによっても相手にアピールしていることを示します。
キヤノンバードブランチプロジェクトの解説でも、ドバトのオスが求愛時に低い声を出すことや、胸を膨らませて光沢のある羽を目立たせる行動が紹介されています。
縄張りを守るために鳴くこともある鳩の鳴き声には、繁殖相手へのアピールだけでなく、他の個体に自分の存在を知らせる役割もあります。
特に、巣をつくる場所や休息場所など、鳩にとって重要な場所では、他の個体との距離や関係が問題になります。
同じ場所で何度も鳴いている場合は、周囲の個体に対する存在のアピールや、縄張りに関係する行動の可能性があります。
ただし、すべての鳴き声が縄張り争いを意味するわけではありません。求愛と縄張りの主張は、同じような声や動作を伴う場合もあります。
鳩同士のコミュニケーションにも鳴き声が使われる鳩は声だけでなく、姿勢や羽の動きも使って仲間とコミュニケーションを取ります。
例えば、群れの中で短い声を交わしたり、つがい同士が近い距離で鳴いたりする場面があります。
また、ハトの仲間は親鳥が体内でつくる栄養分に富んだ「ピジョンミルク」をヒナに与えて育てることでも知られています。
このように、鳩の声は繁殖や子育てを含む生活全体の中で使われています。
【朝と夜で違う?】鳩が鳴く時間帯から行動を読み解く
朝早くから鳩の鳴き声が聞こえてくることは珍しくありません。一方で、夜に鳩のような声が聞こえ、不思議に思う人もいるでしょう。
鳴く時間帯を知ると、鳩の生活リズムや周囲の環境との関係も理解しやすくなります。
鳩が朝に鳴く理由は活動開始と繁殖行動キジバトのオスは、早朝に特徴的な「デーデーポッポー」という声を繰り返すことがあります。
朝に鳴く理由として考えられるのは、次のような要因です。
1.周囲の個体に自分の存在を知らせる
朝の活動が始まる時間帯に、声を出して周囲の個体に存在を知らせます。
2.求愛のため
繁殖相手を探しているオスは、特徴的な声を繰り返してメスにアピールします。
3.朝は声が目立ちやすい
交通量や人の活動が少ない早朝は、日中よりも鳴き声に気づきやすい環境です。
また、鳥類全般では、早朝から活動が活発になる種類が多く、野鳥観察でも朝は鳴き声を確認しやすい時間帯とされています。
鳩が夜に鳴く理由は?夜中に「ホーホー」「クックー」という声が聞こえる場合、必ずしも鳩とは限りません。
キジバトは基本的に昼間に活動する鳥であり、夜間は休息しています。
夜に声が聞こえる場合は、次の可能性を考えてみましょう。
- 日没直後や夜明け前の声を夜中の鳴き声と認識している
- 休息中の鳩が周囲の物音などに反応している
- 別の鳥の鳴き声を鳩と聞き違えている
- 周囲の環境や人工照明などの影響を受けている
特に「ホーホー」という声は、フクロウやアオバズクなど夜間に活動する鳥の鳴き声と混同されることがあります。
夜間照明が鳥の活動に影響することは研究されていますが、照明がある場所で鳩が必ず夜鳴きするというわけではありません。
朝・昼・夕方・夜の鳴き声の特徴| 時間帯 | 聞こえる鳴き声の特徴 | 考えられる理由 |
|---|---|---|
| 早朝 | デーデーポッポー | 活動開始、求愛、存在のアピール |
| 午前・昼 | クウッ、プゥーなど | 個体間の反応、周囲への働きかけ |
| 夕方 | 低い声や短い鳴き声 | 休息場所への移動、仲間との接触 |
| 夜間 | 鳴き声は比較的少ない | 休息中の反応、別の鳥との聞き違いなど |
時間帯だけで鳴く理由を決めるのではなく、鳩の姿や周囲の状況も一緒に確認することが大切です。
【オスとメスの違い】鳴き声だけで性別を見分けられる?
鳩のオスとメスでは、鳴き声の使い方に違いが見られます。
特に求愛行動ではオスが目立って鳴くことが多いため、鳴いている個体の性別を推測する手がかりになります。
オスは求愛や縄張りに関係してよく鳴くキジバトでは、オスが「デデッポッポー」という特徴的な声を繰り返します。
ドバトでも、オスはメスへの求愛時に低い声を発し、胸を膨らませたり、おじぎをしたりする行動を見せます。
こうした行動は、鳴き声と姿勢を組み合わせたオスのアピールです。
一方、メスも状況に応じて声を出すことがあります。
そのため、鳴く個体が必ずオスだと決めつけることはできません。
メスは鳴かないというのは誤解「鳩はオスしか鳴かない」という認識は正確ではありません。
オスは求愛や縄張りの主張に関連して目立つ声を出す傾向がありますが、メスも短い声を発することがあります。
また、鳩の種類や個体によって鳴き方には違いがあります。
鳴き声以外で性別を見分ける方法雌雄を推測する際には、声よりも行動を観察する方法が参考になります。
- 胸を膨らませて相手の周囲を歩く
- おじぎを繰り返しながら鳴く
- 相手を追いかける
- 相手に近づいて求愛の姿勢を見せる
このような行動をしている個体は、オスである可能性があります。
ただし、キジバトもドバトもオスとメスの外見はよく似ており、羽色だけで正確に判別することは困難です。
性別を判断するなら、声の高さよりも、求愛行動や相手との関係を観察することがポイントです。
【鳩の鳴き声がうるさい原因】繰り返し鳴くときの対処法
住宅街やマンションのベランダで、鳩の鳴き声が何度も聞こえることがあります。
特に朝早い時間帯に繰り返されると、睡眠や日常生活に影響する場合もあります。
鳩の鳴き声がうるさく感じられる主な原因鳩の声が気になる理由には、次のようなものがあります。
求愛行動を繰り返している
繁殖相手にアピールするオスは、同じ声や動作を何度も繰り返します。
同じ場所に複数の鳩が集まっている
ドバトは群れで行動するため、個体数が増えると鳴き声も重なりやすくなります。
巣や休息場所が近くにある
ベランダや建物のひさしなどに巣や休息場所があると、日常的に鳩の声が聞こえることがあります。
早朝の静かな環境で声が響く
日中は気にならない程度の鳴き声でも、周囲が静かな早朝には大きく感じられます。
大阪市が2026年10月14日に公開したドバトに関する案内でも、ベランダの手すりやひさしへの飛来、糞害、鳴き声の騒音などが市民から寄せられる問題として紹介されています。
鳩が集まる環境を見直す鳴き声を減らしたい場合、まずは鳩が頻繁に訪れる原因を確認することが大切です。
具体的には、次の点を見直しましょう。
- 鳩に餌を与えない
- ベランダに食べ物や穀物を放置しない
- 手すりや室外機周辺に巣材が持ち込まれていないか確認する
- 鳩が入り込みやすい場所を管理する
- 巣や卵、ヒナがある場合は自治体に相談する
特に餌やりは、鳩が同じ場所に集まる原因になり得ます。
また、すでに巣ができている場合は、卵やヒナを傷つけたり、無理に取り除いたりしないようにしましょう。
自治体の生活衛生担当窓口などに相談すると、地域に応じた対処方法を確認できます。
【鳩の鳴き声に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:鳩の「クックー」という鳴き声にはどんな意味がありますか?
A1:求愛や仲間とのコミュニケーション、縄張りに関係する行動などが考えられます。ドバトのオスは求愛時に低い声を出すことがあります。鳴いているときの姿勢や相手との距離も判断材料になります。
Q2:鳩が朝早くから鳴くのはなぜですか?
A2:活動開始に伴う行動や求愛、周囲への存在のアピールなどが考えられます。特にキジバトのオスは、早朝に「デーデーポッポー」という声を繰り返すことがあります。
Q3:鳩は夜中にも鳴くのでしょうか?
A3:夜間に声が聞こえることはありますが、キジバトは基本的に昼行性です。夜中の「ホーホー」という声はフクロウなど別の鳥である可能性もあるため、声のリズムや時間帯を確認しましょう。
Q4:鳩のオスとメスは鳴き声で見分けられますか?
A4:オスは求愛時によく鳴く傾向がありますが、メスも声を出します。鳴き声だけで性別を確定することは難しく、胸を膨らませる動作やおじぎなどの求愛行動も観察する必要があります。
Q5:キジバトとドバトの鳴き声はどう違いますか?
A5:キジバトは「デーデーポッポー」という長く一定のリズムの声が特徴です。ドバトは「クルックー」「ゴロポッポ」など、低くこもった声がよく知られています。首の模様や群れで行動するかどうかも見分けるポイントです。
Q6:鳩が何度も同じ声で鳴くのはなぜですか?
A6:求愛や縄張りの主張、周囲の個体への反応などが考えられます。同じ場所で何度も鳴く場合は、近くに巣や休息場所がある可能性もあります。
鳩の鳴き声には、求愛、縄張りの主張、仲間とのコミュニケーションなど、さまざまな意味があります。
特に覚えておきたいのは、キジバトとドバトの鳴き声の違いです。
キジバトは「デーデーポッポー」という特徴的な声を出し、ドバトは「クルックー」「ゴロポッポ」などの低い声を発します。
また、早朝の鳴き声はキジバトのオスによるさえずりである可能性があり、求愛中のドバトは胸を膨らませながら鳴くことがあります。
一方、夜間に聞こえる声は、鳩以外の鳥である可能性も考える必要があります。
【プロの結論】鳩の声を正しく理解する3つの観察ポイント身近な鳩の行動を理解するには、次の3点を意識して観察することが有効です。
1. 声のリズムを聞く: 「デーデーポッポー」なのか、「クルックー」なのかを確認する。
2. 鳴いている個体の姿を見る: 胸を膨らませたり、おじぎをしたりしているかを確認する。
3. 時間帯と周囲の環境を確認する: 朝なのか夜なのか、近くに巣や仲間がいるのかを観察する。
鳩の鳴き声は、単なる生活音ではなく、その個体が何をしているのかを知る手がかりです。
次に公園や住宅街で「クックー」という声が聞こえたら、少し立ち止まって鳴いている鳥の姿を観察してみてください。声と行動を組み合わせることで、いつもの風景の中にある鳩の求愛や縄張り行動、仲間との関係まで見えてくるはずです。 (出典: 鳩 の 鳴き声(Yahoo!ニュース))