ここまでの本人インタビューや報道を整理すると、手術までの経緯は次のようになります。
| 時期 | 出来事 | 関係者・背景 |
|---|---|---|
| 幼少期 | 女性アイドルに憧れる | 松田聖子さんなどに憧れていた |
| 中学2年頃 | 初めてニューハーフのショーパブを訪れる | 自分らしく生きる人たちとの出会い |
| 16歳 | 父親に女性として生きたい気持ちを告白 | 家族との関係にも変化 |
| 15~16歳頃 | 睾丸摘出手術 | 本人の証言・報道で年齢に差がある |
| 19歳 | 性別適合手術 | 形成外科医・和田耕治さんが執刀 |
| 20代前半 | 大阪での芸能活動を経て上京 | 飯島愛さんから上京を勧められた |
| 2008年 | エアあややで全国的にブレーク | 松浦亜弥さんのものまね |
| 2009年 | ミス・インターナショナル・クイーンで優勝 | 国際的にも知名度を高める |
| 2025年12月 | 和田医師の墓参りが報道される | 医師の息子と訪問 |
| 2026年2月10日 | Netflix映画『This is I』配信開始 | 本人の半生と和田医師との関係を描く |
| 2026年10月31日~11月2日 | 本人の新たなインタビューが公開 | 手術歴や戸籍を変更しない理由を説明 |
この年表で特に注目したいのは、手術が単独の出来事ではなかったことです。
幼少期からの悩み、ショーパブでの出会い、家族への告白、恋愛、医師との信頼関係が重なり、19歳での決断につながっています。
また、手術後すぐに芸能界で成功したわけではありません。大阪ではテレビ出演などで知名度を上げたものの、上京後は仕事がなく、苦しい時期も経験しました。
その後、松浦亜弥さんのものまね「エアあやや」で人気を獲得します。
手術を受けたことと、芸能人として成功したことは別々の人生の転換点だったのです。
【戸籍を変更しない理由】本名・大西賢示を大切にする現在の生き方

はるな愛さんについて、手術と並んで検索されることが多いのが「なぜ戸籍を女性に変更しないのか」という疑問です。
実際、性別適合手術を受けているにもかかわらず、戸籍上の性別と名前は変更していません。
本名は大西賢示、芸名とは別の自分はるな愛さんの本名は、大西賢示(おおにし・けんじ)です。
芸名の「はるな愛」と本名の「大西賢示」は、本人にとってどちらも大切な自分の一部です。
2026年2月の日刊ゲンダイのインタビューでも、本名でいることについて、両親への恩返しという思いを語っています。
また、2026年11月2日の双葉社のインタビューでは、過去の自分が現在の自分の根っこにあるという考えを明かしました。
大西賢治がいたから、今の私がいる。どちらも事実なんです。
この発言は、戸籍上の名前を残している理由を理解するうえで象徴的です。
なお、上記の引用は2026年4月の週刊女性PRIMEのインタビューに掲載された本人の発言です。戸籍上の本名の表記については、本人が大西賢示と公表しています。
戸籍を女性に変更しない理由は?2026年11月2日の双葉社のインタビューで、はるな愛さんは、戸籍を変更して女性になったとしても、周囲が女性として扱ってくれなければ、かえって苦しくなる可能性があると話しています。
本人にとっては、戸籍上の性別を男性のままにしながら、女性の姿で活動し、女性として接してもらえる現在の生き方が楽しいということです。
過去にはABEMAの番組でも、次のような考えを明かしていました。
戸籍を変えちゃうと、自分が苦しくなると思って。
つまり、戸籍を変更していないのは、手術を後悔しているからという単純な話ではありません。
身体のこと、社会生活のこと、自分の過去をどう受け止めるかという問題を、それぞれ別に考えた結果です。
性別適合手術と戸籍変更は何が違う?ここは誤解されやすい部分です。
性別適合手術は医療行為であり、戸籍上の性別変更は法律に基づく家庭裁判所の手続きです。
手術を受けたからといって、自動的に戸籍の性別が変更されるわけではありません。
| 比較項目 | 性別適合手術 | 戸籍上の性別変更 |
|---|---|---|
| 分類 | 医療行為 | 法律上の手続き |
| 目的 | 身体を希望する性別に合わせる | 法律上の性別の取扱いを変更する |
| 手続き | 医療機関での診察・治療 | 家庭裁判所への申立て |
| 結果 | 身体的な変化 | 戸籍・法令上の性別の取扱いが変わる |
| 自動的に連動するか | しない | 別途、審判が必要 |
日本には「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」があります。
同法では、家庭裁判所による性別の取扱い変更について、医師2人以上による診断、18歳以上であること、婚姻していないこと、未成年の子がいないことなどの要件が定められています。
ただし、法律の運用には重要な変化がありました。
2023年10月25日、最高裁判所大法廷は、生殖能力をなくすことを求める要件について、憲法13条に違反し無効と判断しました。
加えて、外観要件についても、2025年9月19日に札幌家庭裁判所が違憲・無効と判断した事例があります。2026年2月の東京弁護士会の解説では、外観要件を違憲・無効とした家事審判が複数確認されたことも紹介されています。
つまり、2026年現在、性別変更をめぐる司法判断は変化しています。法律の条文が残っていることと、個々の要件が裁判でどのように適用されるかは分けて考える必要があります。
この法律上の仕組みと、はるな愛さん自身が戸籍を変更しないという選択は、別の問題です。
本人は自分にとって心地よい生き方を選んでおり、その選択がすべてのトランスジェンダーの人に当てはまるわけではありません。
【手術後の現在】2026年の活動とNetflix映画『This is I』
2026年のはるな愛さんは、タレント・歌手としての活動を続けながら、自身の半生を描いた映画を通して、これまでの経験を伝えています。
その大きな話題となったのがNetflix映画『This is I』です。
Netflix映画『This is I』は実話なのか?は、はるな愛さんの人生と、性別適合手術を担当した和田耕治医師との関係を題材にした映画です。
Netflix公式発表によると、2026年2月10日に世界独占配信が開始されました。
企画にあたっては、はるな愛さんの自伝『素晴らしき、この人生』と、和田耕治さん・深町公美子さんによる『ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語』が参考資料として使用されています。本人も特別協力として参加しています。
主要キャストと実在人物の関係| 映画の人物・担当 | 出演者 | 実際の関係 |
|---|---|---|
| 主人公・アイ | 望月春希 | はるな愛さんの半生をもとにした人物 |
| 和田耕治医師 | 斎藤工 | 実際に手術を担当した医師 |
| アイの母親 | 木村多江 | 主人公の母親役 |
| アイの父親 | 千原せいじ | 主人公の父親役 |
| ショーパブのママ・アキ | 中村 中 | 主人公の活動を支える人物 |
| ダンサー・タクヤ | 吉村界人 | 主人公の恋愛に関わる人物 |
監督は松本優作さん、脚本は山浦雅大さん、企画は鈴木おさむさんです。
映画では、幼少期の悩み、ショーパブとの出会い、恋愛、和田医師との関係、手術に至るまでの葛藤が描かれています。
ただし、これは本人の人生を題材にした映画作品です。出演者が演じる人物や演出を、すべて当時の出来事をそのまま再現した記録映像として受け取るのは適切ではありません。
映画公開後も本人が伝え続けるメッセージ2026年2月の日刊ゲンダイのインタビューでは、映画に対する海外からの反響についても語っています。
本人がうれしかったのは、LGBTQ当事者だけでなく、自分らしく生きることをテーマにした物語として受け止められたことでした。
また、2026年11月2日の双葉社のインタビューでは、もう一度生まれるとしてもニューハーフとして生まれたいと思うほど、現在の人生に幸せを感じていると話しています。
かつては女性に生まれたかったという思いが強かったものの、現在はニューハーフとして生きてきたからこそ出会えた人々や経験を大切にしています。
【はるな愛の手術】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:はるな愛は何歳で性別適合手術を受けましたか?
19歳です。睾丸摘出手術はそれ以前の10代半ばに受けています。摘出年齢については15歳とする報道と、19歳の3年前とする過去の本人証言があります。
Q2:はるな愛の手術を担当した医師は誰ですか?
形成外科医の和田耕治さんです。大阪のショーパブで出会い、本人が信頼を寄せたことから手術を依頼しました。本人は和田医師の最初の患者だったと紹介しています。
Q3:手術を受けたのに、なぜ戸籍を女性に変更していないのですか?
本人は、本名の大西賢示として生きてきた過去も大切にしていると説明しています。また、戸籍を変更することで自分自身が苦しくなる可能性も考え、現在の生き方を選んでいます。
はるな愛さんが性別適合手術を受けたのは19歳のときです。その前には10代半ばで睾丸摘出手術を受けており、形成外科医・和田耕治さんとの出会いが大きな転機となりました。
今回の内容を振り返ると、押さえておきたい要点は次の5つです。
1. 性別適合手術を受けたのは19歳。
2. 睾丸摘出手術はそれ以前の10代半ば。
3. 執刀医は形成外科医の和田耕治さん。
4. 戸籍上の性別と本名・大西賢示は現在も変更していない。
5. 2026年2月には半生を描いたNetflix映画『This is I』が配信された。
はるな愛さんの人生から読み取れる大切な点は、身体をどうしたいか、法律上の性別をどうするか、社会でどのように生きたいかは、必ずしも同じ答えになるわけではないということです。
19歳で手術を受けたことは、本人にとって大きな希望を実現する決断でした。一方、戸籍や本名を変更しない選択も、現在の自分を形づくる大切な要素になっています。
性別適合手術を受ければ必ず戸籍も変更する、あるいは戸籍を変更しなければ手術を受けた意味がないという考え方は、本人の生き方とは一致しません。
2026年のNetflix映画『This is I』と最新インタビューを通じて伝わってくるのは、過去の自分を否定せず、さまざまな経験を抱えながら自分らしく生きていこうとする姿です。
はるな愛さんの手術の経緯を知ることは、単なる芸能人の過去を知ることではありません。自分の身体、名前、社会的な立場について、一人ひとりが自分なりの選択を持てることの意味を考えるきっかけにもなります。