では、『風、薫る』の期間平均13.8%は、歴代の朝ドラと比べてどの位置にあるのでしょうか。
ビデオリサーチが公表する歴代視聴率データを確認すると、同作は歴代でも低い水準に位置しています。ただし、最下位ではありません。
期間平均視聴率の低い作品を比較関東地区の世帯視聴率で見ると、特に注目されるのは次の4作品です。
- 2024年後期『おむすび』:13.1%
- 2009年後期『ウェルかめ』:13.5%
- 2009年前期『つばさ』:13.8%
- 2026年前期『風、薫る』:13.8%
この結果から、『風、薫る』は公表されている歴代データの中で、期間平均視聴率の低い方から3番目(『つばさ』と同率)に位置します。
一方、歴代最高の期間平均視聴率は、1983年放送の『おしん』が記録した52.6%です。かつての朝ドラは現在とはテレビの視聴環境が大きく異なるため、52.6%と13.8%をそのまま作品の人気の差として比較することには注意が必要です。
2026年後期『ブラッサム』との比較は?2026年9月28日には、石橋静河主演の後期朝ドラ『ブラッサム』がスタートしました。
初回の世帯視聴率は15.5%、個人視聴率は8.6%。『風、薫る』の初回14.9%、8.3%をそれぞれ上回っています。
ただし、2026年11月2日時点では『ブラッサム』の期間平均は確定していません。初回視聴率だけで『風、薫る』より人気が高いと判断するのは早計です。今後の週平均と最終的な期間平均を見て比較する必要があります。
歴代ランキングを見るときの注意点朝ドラの視聴率ランキングには、放送時間や集計対象の違いがあります。
例えば、2009年度までの朝ドラはNHK総合で午前8時15分から放送されていましたが、2010年度の『ゲゲゲの女房』以降は午前8時開始になりました。
加えて、2020年度前期の『エール』以降は、期間平均の集計対象が月曜日から金曜日の本編になっています。土曜日の振り返り放送は対象外です。
こうした条件を踏まえると、13.8%という数字は、現在の朝ドラが置かれた視聴環境の中で評価するのが適切です。
【個人視聴率と見逃し配信】13.8%だけでは分からない本当の視聴規模

『風、薫る』の評価で見落とせないのが、リアルタイム以外の視聴データです。
世帯視聴率13.8%と個人視聴率7.6%の違い世帯視聴率は、調査対象となる世帯のうち、どの程度の世帯が番組を視聴していたかを示す指標です。
一方、個人視聴率は、個人を対象にした視聴割合です。家族のうち誰がテレビを見ていたのかという視点を含むため、世帯視聴率とは異なる角度から番組の視聴状況を把握できます。
ビデオリサーチによる『風、薫る』の関東地区の期間平均は次のとおりです。
- 世帯リアルタイム視聴率:13.8%
- 個人リアルタイム視聴率:7.6%
- 世帯タイムシフト視聴率:4.9%
- 個人タイムシフト視聴率:2.7%
- 世帯総合視聴率:17.8%
- 個人総合視聴率:10.1%
タイムシフト視聴率は、録画など放送後の視聴を示します。総合視聴率はリアルタイム視聴とタイムシフト視聴を合わせたもので、両方で見た人を重複して数えない指標です。
NHK ONEの平均再生回数は57.6万回さらに注目したいのが、NHK ONEの配信データです。
2026年10月に発表された視聴状況によると、『風、薫る』全130回のNHK ONEにおける平均再生回数は57.6万回でした。
最も再生されたのは6月25日放送の第64回で、116.9万回を記録しています。
これは放送当日から見逃し配信の7日間までの同時・見逃し配信の延べ再生回数を合算したものです。ユニーク視聴者数ではないため、テレビの視聴率と単純に足し算することはできません。
また、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴を合わせた関東地区の期間平均視聴人数は、NHK総合で1399.7万人。NHK総合とBSの合計では、重複を除いて1640.6万人でした。
この数字は、リアルタイム視聴率13.8%だけでは捉えきれない視聴者の広がりを示しています。
【朝ドラ『風、薫る』の視聴率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『風、薫る』の最終的な平均視聴率は何%ですか?
A1:関東地区の期間平均世帯視聴率は13.8%、個人視聴率は7.6%です。全130話の本編を対象とした数値です。
Q2:『風、薫る』の最高視聴率は何%でしたか?
A2:2026年6月3日放送の第48回で、世帯16.9%、個人9.4%を記録しました。これが番組最高です。
Q3:『風、薫る』の最終回の視聴率は?
A3:2026年9月25日放送の最終回は、世帯14.5%、個人8.0%でした。
Q4:『ばけばけ』より視聴率が低かったのですか?
A4:はい。『ばけばけ』の期間平均世帯15.2%に対して、『風、薫る』は13.8%で、1.4ポイント下回りました。個人視聴率も8.4%に対して7.6%でした。
Q5:『風、薫る』は歴代朝ドラで最も視聴率が低い作品ですか?
A5:最下位ではありません。『おむすび』の13.1%、『ウェルかめ』の13.5%を下回らず、『つばさ』と同じ13.8%です。公表されている歴代データでは低い方から3番目の同率記録です。
Q6:個人視聴率7.6%は見逃し配信も含んでいますか?
A6:含んでいません。7.6%はリアルタイムの期間平均です。録画などのタイムシフト視聴を加えた関東地区の個人総合視聴率は10.1%でした。
Q7:『風、薫る』はいつからいつまで放送されましたか?
A7:2026年3月30日にスタートし、9月25日に最終回を迎えました。全26週、130話の作品です。主演は見上愛と上坂樹里です。
2026年前期のNHK朝ドラ『風、薫る』は、期間平均世帯視聴率13.8%、個人視聴率7.6%で全130話の放送を終えました。
初回14.9%、最高16.9%、最終回14.5%という推移を見ると、序盤に苦戦しながらも、6月には番組最高を更新するなど、一定の回復局面があったことが分かります。
前作『ばけばけ』の15.2%や『あんぱん』の16.1%には届かず、歴代朝ドラの期間平均でも低い水準となりました。しかし、最終回まで世帯14%台を維持し、タイムシフトを含めた総合視聴率では関東17.8%を記録しています。
今回の数字から見えてくるのは、リアルタイム視聴率だけで作品の評価を決めることの難しさです。テレビで毎朝視聴する層と、録画や配信で自分の時間に視聴する層では、作品との接点が異なります。
見上愛と上坂樹里が演じた二人の女性の物語は、視聴率ランキングという一つの尺度では厳しい結果になりました。一方、看護という仕事を通じて女性の社会進出を描いた作品として、視聴人数や配信再生数も含めて捉える必要があります。
今後の朝ドラを比較するときも、初回の数字だけで判断せず、最高視聴率、期間平均、個人視聴率、タイムシフト、見逃し配信まで確認することが、作品の実際の支持を読み解くポイントになります。
主な参照資料:ビデオリサーチ「NHK朝の連続テレビ小説」歴代視聴率データ、NHKの番組放送情報・視聴状況発表、日刊スポーツ、デイリースポーツ、MANTANWEB、新Screensの2026年報道。