NHKドラマ10『昭和元禄落語心中』は、岡田将生が演じる孤高の落語家・八代目有楽亭八雲と、竜星涼演じる与太郎を中心に、落語に人生を捧げた人々の愛情、嫉妬、友情、そして受け継がれていく芸の宿命を描いた人間ドラマです。2018年10月12日から12月14日までNHK総合で全10回が放送され、山崎育三郎、成海璃子、大政絢ら実力派俳優の共演も話題になりました。
とりわけ注目されるのが、助六とみよ吉の事故死に隠された真実です。最終回では小夏が忘れていた記憶を取り戻し、八雲が長年背負ってきた秘密が明らかになります。しかも、ドラマ版の真相は雲田はるこの原作漫画とは重要な部分が異なります。2026年現在、改めて作品を振り返る人に向けて、放送情報、キャスト、あらすじ、最終回のネタバレ、原作漫画・アニメとの違い、視聴者の評判まで詳しく整理します。
【作品概要】昭和元禄落語心中ドラマの放送日・全10話の基本情報

『昭和元禄落語心中』は、漫画家・雲田はるこの同名漫画を実写化したNHKの連続ドラマです。落語界を舞台に、戦前から昭和、そして平成へと続く長い時間軸のなかで、芸に生きる人々の人生を描いています。
制作発表は2018年7月。主演には岡田将生が起用され、脚本は羽原大介、演出はタナダユキ、清弘誠、小林達夫が担当しました。音楽は村松崇継、主題歌はゆずの「マボロシ」です。原作の持つ人間ドラマと落語の世界を、実写ならではの表現で再構成した作品となりました。
NHKドラマ10の放送スケジュール- 放送期間:2018年10月12日~12月14日
- 放送局:NHK総合
- 放送枠:ドラマ10
- 放送時間:毎週金曜日22時~22時45分
- 話数:全10回
- 原作:雲田はるこ『昭和元禄落語心中』
- 脚本:羽原大介
- 主題歌:ゆず「マボロシ」
- 落語監修:柳家喬太郎
初回は拡大版で、刑務所を出た与太郎が八雲に弟子入りする現在の物語から始まります。そこから八雲と助六の若き日へと時間をさかのぼり、二人の友情と芸の違い、みよ吉をめぐる複雑な関係が描かれていきます。
NHKオンデマンドの番組情報や国立の脚本アーカイブに登録された放送記録でも、初回の2018年10月12日、最終回の12月14日、脚本家や主要出演者などを確認できます。全10回を通じて、過去と現在を交差させる構成が採用されました。
原作漫画はどんな作品?原作は雲田はるこによる漫画で、2010年から講談社の『ITAN』で連載され、全10巻で完結しています。第38回講談社漫画賞一般部門や第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞などを受賞した作品です。
単なる落語家の成功物語ではありません。芸を極めようとする人間の執着、才能への嫉妬、男女の愛情、師弟関係、そして一人の人間が死んだ後にも残り続ける芸の記憶が、物語全体を貫いています。
講談社の作品紹介でも、落語を中心とした友情、師弟愛、情愛、別れ、そして親友の事故死をめぐるミステリーが作品の特徴として紹介されています。
【あらすじ】岡田将生の八雲と与太郎を結ぶ芸と因縁
物語の中心にいるのは、八代目有楽亭八雲、二代目有楽亭助六、そして与太郎の三人です。そこに、助六とみよ吉の娘である小夏が加わり、過去の悲劇と現在の人間関係が結びついていきます。
第1章:刑務所帰りの与太郎が八雲に弟子入り物語は昭和50年代、刑務所を出たばかりの青年・与太郎が、落語の名人である八代目有楽亭八雲に弟子入りを申し出るところから始まります。
与太郎は服役中に慰問で訪れた八雲の落語を聴き、その芸に心を奪われていました。特に八雲が演じる「死神」に強い衝撃を受け、出所後すぐに寄席へ向かいます。
弟子を取らないことで知られる八雲ですが、なぜか与太郎を受け入れます。与太郎は住み込みで修業を始め、八雲の家で暮らす養女・小夏と出会います。
ところが小夏は八雲に強い憎しみを抱いていました。彼女の実父は天才落語家の助六であり、母親は芸者のみよ吉。二人はかつて事故死しており、小夏は八雲こそが父親を死なせた張本人だと信じていたのです。
第2章:菊比古と助六、二人の落語家の青春物語は過去へと移り、若き日の菊比古と初太郎の人生が描かれます。二人は七代目有楽亭八雲のもとに入門した兄弟弟子で、後に菊比古は八代目八雲、初太郎は二代目助六を名乗ることになります。
菊比古は端正で繊細な芸を持つ一方、助六は大胆で自由奔放。観客を笑わせる天性の才能を持っていました。
同じ落語家でありながら、二人の芸風は対照的です。菊比古は助六の才能に憧れながらも、自分にはない魅力を持つ親友に嫉妬します。
加えて、二人の人生には芸者のみよ吉が深く関わっていきます。菊比古とみよ吉の間に生まれる感情、助六との関係、そして落語を優先する菊比古の選択が、後の悲劇へとつながっていきます。
第3章:助六とみよ吉の死、残された小夏助六は落語界の伝統や格式にとらわれず、自分らしい芸を追い求めます。しかし、その革新的な姿勢は師匠や落語界の重鎮との対立を生み、やがて破門されてしまいます。
その後、助六はみよ吉と娘の小夏とともに東京を離れます。菊比古は二人を訪ね、助六に落語界へ戻るよう説得しますが、みよ吉との関係も含めて、過去の感情が再び動き出します。
そして四国で起きた事故によって助六とみよ吉は命を落とし、小夏だけが残されます。八雲は小夏を引き取り、彼女を育てることになりますが、二人の間には長年にわたって埋まらない溝が残りました。
第4章:与太郎が助六の芸を受け継ぐ現在の物語では、与太郎が落語家として成長していきます。八雲から芸を学びながら、助六の名前と芸をどう受け継ぐのかという問題に向き合います。
やがて与太郎は三代目助六を襲名。小夏との関係も変化し、二人は夫婦になります。小夏の妊娠や出産をめぐる葛藤も描かれ、八雲もまた、これまで拒んできた人とのつながりを受け入れるようになります。
一方、年老いた八雲は高座で倒れ、落語家としての人生の終わりを意識し始めます。与太郎たちが彼の芸を残そうとするなか、助六とみよ吉の死をめぐる秘密が再び浮かび上がります。
【キャスト相関図】岡田将生・竜星涼・山崎育三郎ら主要出演者一覧
本作の魅力は、主要人物それぞれが異なる落語観と人生観を持っている点です。岡田将生を中心に、竜星涼、山崎育三郎、成海璃子、大政絢が重要な役を担い、二世代にわたる物語をつないでいます。
主要キャストと人物の関係| 登場人物 | 出演者 | 人物像・物語上の関係 |
|---|---|---|
| 八代目有楽亭八雲(菊比古) | 岡田将生 | 孤高の落語家。助六の親友で、与太郎の師匠。小夏を養女として育てる。 |
| 与太郎(三代目助六) | 竜星涼 | 刑務所帰りの青年。八雲に弟子入りし、やがて助六の名跡を継ぐ。 |
| 二代目有楽亭助六(初太郎) | 山崎育三郎 | 菊比古の親友。天性の才能を持つ自由奔放な落語家で、小夏の父。 |
| 小夏 | 成海璃子 | 助六とみよ吉の娘。八雲を長年恨みながらも、彼の家で育つ。 |
| みよ吉 | 大政絢 | 芸者。菊比古と助六の人生に深く関わる女性で、小夏の母。 |
| 七代目有楽亭八雲 | 平田満 | 菊比古と初太郎の師匠。二人の芸の方向性にも影響を与える。 |
| 松田 | 篠井英介 | 八雲に長く仕える人物。助六とみよ吉の死の記憶を知る関係者。 |
| お栄 | 酒井美紀 | 過去の物語に登場する人物。芸人たちの人間関係を取り巻く。 |
| 木村家彦兵衛 | 柳家喬太郎 | 落語家。八雲の芸に影響を与える人物で、本作の落語監修も担当。 |
主要キャストのなかでも、岡田将生と山崎育三郎の関係性は物語の核です。八雲と助六は親友でありながら、芸の才能や人生の選択をめぐって複雑な感情を抱えています。
また、竜星涼の与太郎は、過去の二人とは異なる立場から落語の未来を切り開く存在です。単純に助六の代わりになるのではなく、八雲から学んだ芸と自分自身の個性を融合させていきます。
岡田将生:若き菊比古から老境の八雲までを演じる岡田将生が演じる八雲は、本作でもっとも難しい役の一つです。若い頃の菊比古は繊細で自信がなく、助六に対して憧れと嫉妬を抱いています。一方、年齢を重ねた八雲は気難しく、他人との距離を保ちながら芸を磨き続ける名人です。
岡田は2018年の制作会見で、落語をほとんど知らない状態から稽古を始めたことを明かしています。柳家喬太郎の指導を受けながら、落語そのものの面白さを理解していったことも報じられました。
若さと老い、繊細さと冷徹さを同じ人物のなかで表現する必要があり、単なる老け役以上の演技力が求められる役柄でした。
竜星涼:与太郎から三代目助六へ竜星涼が演じる与太郎は、八雲とは対照的な明るさと人懐っこさを持つ人物です。落語の世界に飛び込んだばかりの未熟さを残しながら、師匠や周囲の人間との関係を通じて成長していきます。
与太郎の魅力は、助六の芸を尊敬しながらも、完全な模倣には終わらないことです。過去の因縁を知ったうえで、落語を未来へつなぐという役割を担います。
山崎育三郎:天才落語家・助六の破天荒な魅力山崎育三郎が演じる助六は、作品に華やかさと危うさをもたらす存在です。豪快で人間味があり、客席を笑わせることに長けた天才肌の落語家ですが、その自由さゆえに伝統的な落語界と衝突します。
山崎はミュージカルを中心に培った舞台経験を持ち、声や身体を使った表現に強みがあります。しかし助六役では、舞台的な華やかさだけでなく、落語家としての自然な話し方や人物の生活感も必要でした。
成海璃子・大政絢:物語の悲劇を支える二人の女性成海璃子演じる小夏は、両親を失った過去と八雲への憎しみを抱えた女性です。落語の才能を持ちながらも、女性が噺家になることに対する時代的な壁にも直面します。
大政絢演じるみよ吉は、菊比古と助六の人生に大きな影響を与える女性です。愛情を求める気持ちと、愛する人との関係が崩れていく不安を抱えています。
この二人は単に男性主人公を取り巻く存在ではありません。落語家たちの芸と人生が生み出す悲劇を、別の立場から体現する重要な人物です。
【最終回ネタバレ】助六とみよ吉の死の真相は?八雲が隠した秘密
ここからは最終回の重大なネタバレを含みます。『昭和元禄落語心中』の最大の謎は、助六とみよ吉がなぜ死んだのか、そして八雲がなぜ小夏から真実を隠し続けたのかという点です。
序盤では小夏が八雲に対して、父親を殺したのは八雲だと非難します。八雲は事故だったと説明しますが、小夏は長年その説明を信じられずにいました。
悲劇の夜に何が起きたのか助六とみよ吉の死は、四国の旅館で開かれた落語会の夜に起こりました。
助六が落語界に戻ることをめぐって、みよ吉との間には緊張が生まれていました。落語会の後、みよ吉は助六を誤って刺してしまいます。
そこへ幼い小夏が現れ、血を流す父親を目撃します。母親が父親を傷つけたと思った小夏は、怒りと混乱からみよ吉を窓の外へ突き落としてしまいます。
小夏は母親を突き落としたという記憶を失い、八雲も彼女がその事実を知って傷つくことを恐れて、真相を伝えませんでした。
ドラマ版で明かされた本当の死の真相しかし、最終回で明かされる真実は、小夏が長年信じていた記憶とは異なります。
実際には小夏自身もみよ吉とともに窓から転落していました。助六は妻と娘を助けようと追いかけ、二人を抱き留めます。
その瞬間、旅館の部屋に残っていた八雲は助六の手をつかみます。助六、みよ吉、小夏の三人を救おうとしますが、三人の体重を支えることは容易ではありません。
助六とみよ吉は、八雲に小夏を託すことを決意します。そして、娘を生かすために八雲の手を離し、二人は命を落としました。
つまり、助六とみよ吉は小夏を見捨てたのではなく、娘の命を救うために自分たちの命を犠牲にしたのです。
八雲が真実を隠し続けた理由八雲が真実を隠した理由は、小夏に自分が母親を突き落としたという罪悪感を背負わせないためでした。
もし幼い小夏が自分の行動によって母親を死なせたと思い続ければ、その後の人生にも深い傷を残すことになります。
八雲は助六との友情を失っただけではありません。みよ吉との関係、助六への嫉妬、そして助六たちを救えなかったという後悔を抱えながら、小夏を育ててきました。
彼が小夏に真実を話さなかったのは、単に自分を守るためではありません。小夏が両親から愛されていたことを、最後まで守ろうとしたためでもあります。
八雲の最後と与太郎への芸の継承最終回では、八雲自身も過去と向き合います。高座で倒れた八雲は一命を取り留めますが、やがてかつての寄席を訪れ、落語の「死神」を演じます。
そこに現れる助六の姿は、八雲が生涯忘れられなかった親友との再会を象徴しています。八雲にとって助六は、憧れであり、嫉妬の対象であり、人生に色を与えたかけがえのない存在でした。
また、小夏は八雲への誤解を解き、これまで育ててくれたことへの感謝を伝えます。女性が落語家になることに否定的だった八雲も、小夏が芸の道を志すことを受け入れます。
そして物語は16年後へと進みます。与太郎は三代目助六から九代目八雲を襲名し、息子の信之助も二つ目昇進に合わせて菊比古を名乗ります。
かつて菊比古と助六が果たせなかった芸の継承という願いは、次の世代へと受け継がれていくのです。
【原作漫画との違い】アニメ版と実写ドラマ版は何が違う?
『昭和元禄落語心中』は漫画、アニメ、実写ドラマという三つの形で展開されてきました。物語の基本設定は共通していますが、表現方法やエピソードの見せ方には違いがあります。
原作漫画とドラマ版の最大の違いは死の真相もっとも大きな違いは、助六とみよ吉の死の真相をどのように明かすかという点です。
原作漫画では、小夏がみよ吉を突き落としたという事実が描かれます。しかし、その真相は小夏本人には知らされず、松田から与太郎へ伝えられる形で明らかになります。
一方、ドラマ版では小夏自身が記憶を取り戻し、八雲から直接真実を聞く展開に変更されています。
さらにドラマ版では、助六とみよ吉が小夏を救うために八雲の手を離すという場面が加わり、両親の愛情がより直接的に伝わる構成になっています。
この変更は、単なるネタバレの順番の違いではありません。小夏が自分の過去をどう受け止め、八雲との関係をどう修復するかというテーマに直結しています。
小夏の出産シーンもドラマ版の重要な変更点ドラマ版では、小夏の妊娠や出産をめぐるエピソードが、終盤の重要な要素になっています。
小夏が出産の際に子どもを守ろうとする姿と、過去にみよ吉が娘を救おうとした行動が重ねられています。
母親が娘を守ろうとした記憶が、現在の小夏の人生と結びつくことで、過去の悲劇が単なる事件ではなく、世代を超えた親子の愛情として描かれるのです。
この演出によって、ドラマは原作の悲劇性を保ちながら、テレビ作品として感情の着地点をより明確にしています。
アニメ版との違いは声・身体・落語の表現アニメ版は2016年に第1期、2017年に第2期『昭和元禄落語心中~助六再び篇~』が放送されました。
アニメ版では、八雲を石田彰、与太郎を関智一、助六を山寺宏一、小夏を小林ゆう、みよ吉を林原めぐみが演じています。
アニメの特徴は、声優による声の演技と、映像・音響を組み合わせた落語表現です。特に一人の声優が複数の人物の感情や役柄を演じ分ける落語の構造を、アニメーションならではの演出で表現しています。
実写ドラマでは、俳優本人の身体の動き、目線、着物の所作、座布団に座る姿勢などが重要になります。落語を演じる際の呼吸や間も、実際の身体表現として映し出されます。
また、アニメ版の落語監修は林家しん平、実写ドラマ版の落語監修は柳家喬太郎です。この二人は別々の作品を支えた専門家であり、混同しやすいポイントです。
三つのメディアの比較- 原作漫画:人物の心理や複雑な人間関係を丁寧に追える。助六とみよ吉の死をめぐる真実も、ドラマとは異なる伝え方をする。
- アニメ版:声優の演技と音響によって落語の臨場感を味わえる。第1期と第2期を通じて物語を楽しめる。
- 実写ドラマ版:俳優の身体表現と実際の落語の稽古を反映した演技が見どころ。全10回に物語をまとめ、終盤の感情的な展開を強調している。
初めて作品に触れる人にはドラマ版が入り口として適しています。一方、人物の細かな心理や原作ならではの物語構成を味わいたい人には漫画版、声の演技と落語の音を重視する人にはアニメ版がおすすめです。
【評判・評価】昭和元禄落語心中ドラマが高く評価された理由
実写化の発表当時、原作ファンやアニメファンの間には、落語の名人を俳優が演じきれるのかという関心がありました。特に八雲は、落語の技術だけでなく、人物の年齢や人生経験まで表現しなければならない難役です。
しかし、放送が進むにつれて、俳優たちの落語への取り組みや人間ドラマとしての完成度が注目されるようになりました。
岡田将生の落語への挑戦が評価された岡田将生は、撮影に向けて2018年春頃から落語の稽古を重ねていました。2018年9月の取材では、柳家喬太郎から指導を受け、落語の面白さを知っていったことを語っています。
また、10月の放送前会見では、落語を知らなかった状態から役作りに取り組み、実際に噺をする楽しさを感じるようになったことも伝えられました。
ORICON NEWSの放送当時の作品分析では、岡田の落語の演技や役への取り組みが評価され、作品全体についても、落語を題材にした人間ドラマとして視聴者の支持を集めていると紹介されています。
山崎育三郎と竜星涼の落語にも注目山崎育三郎は、助六の自由奔放な芸風を表現するために長期間の稽古に取り組みました。2018年の取材では、落語の練習がそれまでの仕事のなかでも特に大変だったと振り返っています。
竜星涼も、与太郎という人物の成長に合わせて落語の表現を変えていく必要がありました。単に落語を覚えるだけでなく、未熟な青年が一人前の噺家になっていく過程を表現することが求められました。
この三人の演技は、同じ落語を題材にしながらも、芸風や人物像の違いを感じさせるものになっています。
視聴者の評価はどうだった?ORICON NEWSが紹介した放送当時の視聴者の反応では、キャストの演技、落語への真摯な取り組み、先の展開が気になる物語構成などが評価されていました。一方で、落語ファンからは、もっと長く落語の場面を見たいという意見も紹介されています。
Filmarksのドラマ作品ページでは、2026年時点の掲載データとして評価4.2点、約1,730件のレビューが確認できます。これは利用者による投稿型サービスの評価であり、全国の視聴者を対象にした世論調査ではありませんが、放送から時間が経過した後も作品を視聴・評価する人がいることを示しています。
作品の評価を考える際には、落語の技術だけでなく、役者の演技、原作からの変更、物語の感情的な着地点などを分けて見ることが大切です。
落語監修・柳家喬太郎の存在が大きい実写ドラマの落語監修を担当した柳家喬太郎は、俳優たちの落語の稽古を支えた重要な存在です。
柳家喬太郎は、実際の落語家として高い評価を受けている人物であり、ドラマでは若き八雲に影響を与える木村家彦兵衛役としても出演しました。
単に落語の台詞を覚えさせるだけではなく、噺をする楽しさや演目の面白さを俳優に伝えることが、人物の芸に説得力を与えています。
なお、アニメ版の監修を担当したのは林家しん平です。ドラマとアニメでは専門家の関わり方も異なり、それぞれのメディアに適した落語表現が追求されています。
【プロの結論】昭和元禄落語心中ドラマはどんな人におすすめ?
『昭和元禄落語心中』の本当の魅力は、落語を知らなくても人間の感情を通じて物語に入り込める点にあります。
落語は同じ演目でも演者によって印象が変わります。八雲の繊細な芸、助六の大胆な芸、与太郎が見つけていく自分自身の芸は、単なる技術の違いではありません。それぞれの人生経験や人間関係が芸に反映されているのです。
おすすめできる人- 岡田将生や竜星涼、山崎育三郎らの演技をじっくり楽しみたい人。
- 落語の世界や伝統芸能に興味がある人。
- 友情、嫉妬、師弟愛、男女の愛情を描いた重厚な人間ドラマが好きな人。
- 原作漫画やアニメを見て、実写版との違いを比較したい人。
- 伏線が最終回で回収される物語や、世代を超えた芸の継承を描く作品が好きな人。
一方、明るくテンポの速い娯楽作品を求める人には、やや重く感じられる可能性があります。
本作は時代をまたいで展開するため、登場人物の若い頃と晩年を理解する必要があります。また、恋愛や家族の問題、事故死など、感情的に重いテーマも含まれています。
加えて、原作漫画やアニメを非常に気に入っている人は、実写版で変更されたエピソードや人物の描写を比較したくなるはずです。原作と完全に同じ内容を期待するよりも、別の演出で再構成された作品として見ると楽しみやすくなります。
作品をより深く理解するための見方おすすめしたいのは、八雲、助六、与太郎の三人を、芸の継承という視点で比較することです。
八雲は伝統を守りながら孤独に芸を磨き、助六は既存の形式にとらわれず観客を笑わせようとします。そして与太郎は、その二人の芸を受け止めたうえで、自分の落語を作り上げます。
三人の違いを意識して見ると、最終回の襲名が単なる名前の引き継ぎではなく、落語という芸能そのものが次の世代へ受け継がれていく象徴であることが分かります。
昭和元禄落語心中ドラマに関するよくある質問(FAQ)
Q1:昭和元禄落語心中のドラマはいつ放送されましたか?
A1:2018年10月12日から12月14日まで、NHK総合のドラマ10枠で放送されました。毎週金曜日22時からの全10回です。
Q2:岡田将生が演じた役は何ですか?
A2:八代目有楽亭八雲です。若い頃の菊比古から晩年の八雲までを演じています。柳家喬太郎の落語指導を受けて役作りに取り組みました。
Q3:助六とみよ吉が亡くなった本当の理由は何ですか?
A3:ドラマ版では、幼い小夏がみよ吉とともに窓から転落し、助六が二人を助けようとします。八雲は助六の手をつかみますが、助六とみよ吉は小夏の命を救うために八雲の手を離しました。二人は娘を守るために命を犠牲にしたのです。
Q4:ドラマ版と原作漫画の最終回は同じですか?
A4:重要な違いがあります。原作では小夏がみよ吉を突き落とした事実が描かれ、その真相は松田から与太郎に伝えられます。ドラマでは小夏自身が記憶を取り戻し、八雲から真実を聞く展開に変更されています。
Q5:アニメ版の八雲とドラマ版の八雲は誰が演じていますか?
A5:アニメ版は石田彰、実写ドラマ版は岡田将生が演じています。アニメ版では与太郎を関智一、助六を山寺宏一、小夏を小林ゆう、みよ吉を林原めぐみが担当しました。
Q6:ドラマの落語監修は誰ですか?
A6:柳家喬太郎です。俳優たちの落語指導を担当し、劇中では木村家彦兵衛役としても出演しています。なお、アニメ版の落語監修は林家しん平です。
NHKドラマ10『昭和元禄落語心中』は、2018年10月12日から12月14日まで放送された全10回の作品です。岡田将生、竜星涼、山崎育三郎、成海璃子、大政絢という実力派キャストが、落語に人生を捧げた人々の複雑な感情を演じました。
最大の見どころは、八雲と助六の友情、みよ吉との関係、そして助六とみよ吉の死の真相です。最終回では、小夏が両親から愛されていた事実が明らかになり、八雲が長年抱えてきた罪悪感と孤独にも一つの区切りが訪れます。
また、ドラマ版は原作漫画と同じ物語をそのまま映像化した作品ではありません。特に助六とみよ吉の死の真相や小夏の出産をめぐる演出には独自の変更があり、実写作品としての感情表現が強調されています。
落語を知らない人は人間ドラマとして、落語ファンは演目や芸風の違いとして、原作ファンは各メディアの解釈の違いとして楽しめる作品です。
2026年に改めて見返しても、八雲から与太郎へ、そして次の世代へと芸が受け継がれていく物語には普遍的な魅力があります。名前を継ぐことだけが伝統ではなく、その時代を生きる人間が自分の芸を見つけ、次の世代に託すことこそが本当の継承なのです。
それこそが『昭和元禄落語心中』が描いた、落語と人間の人生をめぐる最も深いテーマです。
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