2026年のシリーズ展開を理解するうえで、まず押さえておきたいのが第7弾から第9弾までの流れだ。
松本幸四郎主演の新シリーズは、2024年に始動。テレビスペシャルや劇場映画、連続シリーズを組み合わせながら作品を発表してきた。
2026年1月には第7弾「兇剣」、10月には第8弾「本所の銕」が登場。そして第9弾「密告」は2027年1月の放送・配信が予定されている。
特に「本所の銕」と「密告」は、若き日の平蔵と現在の平蔵を結びつける連続性のある企画だ。単独作品としても楽しめるが、二作品を続けて見ることで人物の過去と現在のつながりがより鮮明になる。
2026~2027年の作品スケジュール- 第7弾「兇剣」
- 2026年1月10日放送・配信開始。
- 京都・奈良を舞台に、平蔵が一人の娘を救ったことから盗賊一味との事件に巻き込まれる。
- 第8弾「本所の銕」
- 2026年10月10日、時代劇専門チャンネルで独占初放送。
- 同日、時代劇専門チャンネルNETで独占配信開始。
- 2026年11月7日(土)19時にも放送予定。
- 第9弾「密告」
- 2027年1月放送・配信予定。
- 時代劇専門チャンネルで独占初放送、時代劇専門チャンネルNETで独占配信予定。
- 具体的な放送日・時刻は、今後の番組発表を待ちたい。
作品を視聴する場合、中心となるのは時代劇専門チャンネルと時代劇専門チャンネルNETだ。
公式ポータルでは、見放題配信の窓口としてPrime Video、J:COM STREAMなどが案内されている。また、作品によってはApple TV、DMM TV、Hulu、Google TVなどでレンタル配信も行われている。
ただし、すべての作品が各サービスで同じ条件で配信されるわけではない。特に新作の独占配信と過去作のレンタル配信は区別して確認したい。
【第8弾・本所の銕】市川染五郎が演じる若き日の長谷川平蔵とは?

作品名:鬼平犯科帳 本所の銕(ほんじょのてつ)
「本所の銕」の最大の特徴は、これまで松本幸四郎が演じてきた長谷川平蔵の若き時代を、市川染五郎が演じていることだ。
物語の主人公は、まだ長谷川銕三郎と名乗っていた頃の平蔵。後に盗賊たちから恐れられる火付盗賊改方の長官になる人物だが、この時代は現在の鬼平とは異なる一面を持っている。
あらすじ:放蕩無頼の青年・本所の銕物語は、京都に赴いていた長谷川平蔵と旧友・岸井左馬之助が、昔の出来事を思い出すところから始まる。
若き日の銕三郎は、博打や酒に溺れ、剣術道場からも足が遠のいていた。
周囲から「本所の銕」と呼ばれる彼の前に現れるのが、悪御家人の横山小平次だ。
小平次は無頼の者たちを従え、銕三郎を自分たちの仲間に引き入れようと近づいてくる。しかし、銕三郎はその誘いに応じない。
そこで小平次は銕三郎につきまとい、ついには彼の周囲の人間にも接近していく。
注目したいのは、単なる若者同士の対立ではなく、後の鬼平の人格形成につながる人間関係が描かれている点だ。
主要キャストと見どころ
市川染五郎
長谷川銕三郎役。若き日の平蔵を演じる中心人物。放蕩無頼な青年時代と、その内側にある人間性をどう表現するかが見どころ。
駒木根葵汰
横山小平次役。銕三郎に執拗につきまとい、物語を動かす重要人物。
尾美としのり
相模の彦十役。本作から新たに同役としてシリーズに加わる。
山口馬木也
岸井左馬之助役。平蔵の旧友として、青春時代の記憶を呼び起こす存在。
松本幸四郎
成長後の長谷川平蔵役。市川染五郎が演じる銕三郎と同一人物の異なる時代を担う。
このほか、中島瑠菜、阿佐辰美、甲本雅裕、北澤響、黒沢あすか、松尾貴史、山田真歩、本宮泰風らが出演する。
【第9弾・密告】松本幸四郎主演のあらすじと出演者を解説
作品名:鬼平犯科帳 密告
「密告」は、若き日の銕三郎を描いた「本所の銕」から、時間を経た後の長谷川平蔵を描く作品だ。
物語の中心にあるのは、盗賊の首領が平蔵に向けて放つ衝撃的な言葉と、過去に平蔵が関わった女性の存在である。
あらすじ:盗賊の首領が語った「平蔵の息子」という言葉平蔵が京都に出向いている間、火付盗賊改方に一通の密告状が届く。
そこには、盗賊が押し込みを働くという情報が記されていた。
真偽が定かでないなか、筆頭与力の佐嶋忠介らが現場に向かうと、密告状の内容どおり、伏屋の紋蔵が率いる盗賊一味が押し込みを行っていた。
火付盗賊改方は一味を捕らえることに成功する。
しかし、首領の紋蔵を取り調べると、彼は自分が平蔵の息子だと言い放つ。
京都から戻った平蔵は紋蔵と対面し、その正体に気づく。紋蔵は、かつて平蔵が若き日の放蕩無頼な時代に温情をかけた町娘・お百の息子だった。
さらに平蔵は、密告状を送った人物もお百ではないかと考える。
ところが、お百自身にも危機が迫っていた。
過去にかけた情けが、現在の事件にどのような影響を与えているのか。鬼平としての正義と、一人の人間としての情が試される物語になっている。
「密告」の出演者一覧| 俳優 | 役柄・位置づけ |
|---|---|
| 松本幸四郎 | 長谷川平蔵 |
| 駒木根葵汰 | 伏屋の紋蔵 |
| 山田真歩 | お百 |
| 本宮泰風 | 佐嶋忠介 |
| 中村ゆり | 出演 |
| 仙道敦子 | 出演 |
| 和田聰宏 | 出演 |
| 尾美としのり | 出演 |
| 浅利陽介 | 出演 |
| 山田純大 | 出演 |
| 久保田悠来 | 出演 |
| 山口馬木也 | 出演 |
スタッフは、監督が山下智彦、脚本が大森寿美男、音楽が吉俣良。制作は松竹、製作・著作は日本映画放送となっている。
「本所の銕」と「密告」はなぜセットで見るべきなのか二作品の関係を理解するうえで重要なのは、若き日の平蔵が経験した出来事が、後年の事件に影響しているという点だ。
「本所の銕」では、まだ人間的に未成熟な銕三郎が描かれる。一方、「密告」では、長谷川平蔵が過去に関わった女性と、その女性の息子をめぐる問題に直面する。
つまり、若い頃の平蔵が何を経験し、誰にどのような情けをかけたのかという部分が、後の平蔵の判断に関わってくる。
この構成によって、鬼平が最初から完成された正義の人物だったわけではないことが伝わる。過去の失敗や人間関係も含めて、一人の人物の人生を描く企画になっている。
【人物相関・歴代俳優比較】松本幸四郎版の鬼平は何が違う?
「本所の銕」と「密告」の人物関係二作品のつながりを整理すると、次のようになる。
テレビ時代劇としての『鬼平犯科帳』には、長谷川平蔵を演じてきた俳優の系譜がある。
主な歴代俳優は次の5人だ。
1. 初代・松本白鸚(当時の八代目松本幸四郎)
1969~1972年のテレビシリーズで初代の鬼平を演じた。池波正太郎作品の最初の映像化を担った存在であり、シリーズの原点となった。
2. 丹波哲郎
1975年版で平蔵を演じた。初代とは異なる俳優による新しい鬼平像を提示した。
3. 萬屋錦之介
1980~1982年に主演。テレビ時代劇のスターとして知られる萬屋が、平蔵を演じた時代だ。
4. 二代目中村吉右衛門
1989年から2016年まで、長期にわたって平蔵を演じた。9シリーズに加え、スペシャル作品も制作され、平成の『鬼平犯科帳』を代表する存在となった。
5. 十代目松本幸四郎
2024年から新シリーズの主演を担当。初代松本白鸚を祖父に持ち、二代目中村吉右衛門を叔父に持つ歌舞伎の名門の系譜を引き継ぐ俳優でもある。
制作関係者の紹介では、松本幸四郎は五代目の長谷川平蔵と位置づけられている。
松本幸四郎版と中村吉右衛門版の違い歴代の鬼平を比較する際、単純にどちらが優れているかという評価だけでは作品の魅力を捉えきれない。
中村吉右衛門版は、長期間にわたって放送されたことで、鬼平の人物像が多くの視聴者に定着したシリーズだ。長年演じ続けたことによる安定感と、江戸の町や密偵たちとの関係性の積み重ねが大きな魅力となっている。
一方、松本幸四郎版は、新しい時代の映像作品として、平蔵の過去や人間的な葛藤を描く構成に力を入れている。
特に今回の「本所の銕」では、若い平蔵を市川染五郎が担当することで、成熟した鬼平との違いを視覚的にも表現できる。
これは単に主演俳優を交代させたという話ではない。主人公の人生を異なる年代の俳優で描くことで、平蔵という人物の歴史そのものを映像化する試みだ。
松本幸四郎の鬼平の評判は?2026年公開の「本所の銕」に関する映画.comのレビュー欄では、評価3.7点、10件のレビューが掲載された時点の情報が確認できる。
寄せられた感想には、市川染五郎が演じる若き日の平蔵と、駒木根葵汰が演じる小平次の緊張感、そして「密告」につながる物語の構成を評価する声が見られる。
また、松本幸四郎の鬼平については、中村吉右衛門版のイメージを尊重しながらも、別の人間的な温かさを持つ人物として受け止める感想もある。
ただし、レビュー10件という数字は限られた投稿の集計であり、視聴者全体の評価を示すものではない。
現段階で注目したいのは、過去の鬼平をそのまま再現するのではなく、松本幸四郎自身の表現で新しい平蔵像を作っている点だ。
【池波正太郎の原作】鬼平犯科帳が長く愛される理由と「兇剣」の位置づけ
『鬼平犯科帳』は、時代小説の大家・池波正太郎が生み出した代表作の一つだ。
1967年に文藝春秋の「オール讀物」で連載が始まり、長谷川平蔵を主人公とする物語が長年にわたって発表された。シリーズは全135作と番外編1作に及ぶ。
日本映画放送の2026年の発表では、原作の累計発行部数は3,000万部を超えると紹介されている。
鬼平は単なる捕物時代劇ではない鬼平犯科帳の魅力は、盗賊を捕らえる事件の解決だけではない。
作品には、盗賊になった人間の事情、生活に追い詰められた人々の苦悩、過去の過ちを抱えて生きる人物などが登場する。
平蔵は犯罪を見逃す人物ではない。しかし、罪を犯した人間を一律に悪として扱うわけでもない。
この人間理解が、シリーズの中心にある。
今回の「本所の銕」と「密告」も、その特徴がよく表れている。若い頃の平蔵が他人にかけた情けが、後の事件に影響するからだ。
第7弾「兇剣」も押さえておきたい「本所の銕」「密告」を見る前に、第7弾「兇剣」を確認しておくのもおすすめだ。
「兇剣」は2026年1月10日に時代劇専門チャンネルで独占初放送され、同日から時代劇専門チャンネルNETでも配信が始まった。
物語は、平蔵が父・宣雄の墓参のため16年ぶりに京都を訪れるところから始まる。
同心の木村忠吾とともに旅をする平蔵は、ならず者に追われていた娘・およねを救う。彼女が奉公していた大坂の旅宿には裏の顔があり、やがて大盗賊・高津の玄丹一味との対決へと進んでいく。
この作品では、平蔵の親友・岸井左馬之助役の山口馬木也が再登場。京都西町奉行所の与力・浦部彦太郎役で内藤剛志、高津の玄丹役で渡辺いっけいも出演している。
江戸を離れた平蔵の活躍を楽しめる作品であり、新シリーズの幅広い世界観を知るうえでも見逃せない一作だ。
注意したい「密告」のタイトル違い検索する際に注意したいのが、過去にも中村吉右衛門主演の「鬼平犯科帳」に「密告」という作品が存在することだ。
フジテレビ版の第2シリーズ第13話「密告」は、1991年2月13日に放送された作品。池波正太郎の原作をもとに、お百と伏屋の紋蔵をめぐる事件を描いている。
こちらは中村吉右衛門が平蔵を演じ、2026年の第9弾とは出演者も制作時期も異なる。
2026年の松本幸四郎版「密告」は、新シリーズの第9弾として制作された作品であり、過去のテレビシリーズの再放送と混同しないようにしたい。
【プロの結論】松本幸四郎版『鬼平犯科帳』を見るべき人と作品の本質
今回の新シリーズを評価するうえで、最も重要なのは、歴代の鬼平を単純に置き換える作品として捉えないことだ。
松本幸四郎版は、長谷川平蔵という一人の人物の過去と現在をつなぎ直すシリーズとして展開している。
特に「本所の銕」と「密告」は、若き日の銕三郎を市川染五郎、成熟した平蔵を松本幸四郎が演じることで、人物の変化を二つの作品にわたって表現している。
視聴する際の判断基準は次のとおりだ。
おすすめできる人
- 中村吉右衛門版など、歴代の鬼平を見てきた時代劇ファン。
- 市川染五郎と松本幸四郎の演じ分けに興味がある人。
- 事件解決だけでなく、人間関係や過去の因縁を描くドラマが好きな人。
- 池波正太郎の原作を読んでおり、映像化による解釈の違いを楽しみたい人。
視聴前に知っておきたいこと
- 従来の中村吉右衛門版と同じ雰囲気を期待すると、演出や人物表現の違いを感じる可能性がある。
- 「本所の銕」は若い平蔵を中心に描くため、従来の捕物中心の展開とは趣が異なる。
- 「密告」は過去の人間関係を前提にしたドラマ性が強く、前作を見ておくと理解が深まる。
この二作品の価値は、鬼平が強いから事件を解決できるという単純な英雄譚ではなく、過去の経験や人への情けを抱えながら正義を貫く人物として描かれていることにある。
【よくある質問】松本幸四郎の鬼平犯科帳に関するFAQ
Q1:松本幸四郎版『鬼平犯科帳』の最新作は何ですか?
第8弾「本所の銕」と第9弾「密告」です。「本所の銕」は市川染五郎主演で2026年10月に放送・配信が始まり、「密告」は松本幸四郎主演で2027年1月に放送・配信予定です。
Q2:市川染五郎は『鬼平犯科帳』で何の役を演じていますか?
若き日の長谷川平蔵、長谷川銕三郎役です。「本所の銕」では、放蕩無頼の青年時代を演じています。
Q3:『鬼平犯科帳 密告』のあらすじは?
平蔵の留守中に届いた密告状をきっかけに、盗賊・伏屋の紋蔵が捕らえられます。紋蔵は自分が平蔵の息子だと主張。平蔵は、若い頃に関わった町娘・お百との過去を思い出し、事件の真相に迫ります。
Q4:松本幸四郎版「密告」はいつ放送されますか?
2027年1月に時代劇専門チャンネルで独占初放送、時代劇専門チャンネルNETで独占配信予定です。具体的な放送日時は公式の続報を確認してください。
Q5:歴代の鬼平を演じた俳優は誰ですか?
主な歴代俳優は、松本白鸚、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門、松本幸四郎の5人です。
Q6:『鬼平犯科帳 兇剣』は何作目ですか?
松本幸四郎主演シリーズの第7弾です。2026年1月10日に放送・配信が開始されました。
2026年の松本幸四郎版『鬼平犯科帳』で特に注目したいのは、第8弾「本所の銕」と第9弾「密告」の連続性だ。
市川染五郎が若き日の長谷川銕三郎を演じ、松本幸四郎が成熟した長谷川平蔵を演じる。この二つの時間軸を通して、鬼平という人物の成長と過去の因縁が描かれていく。
「本所の銕」は2026年11月7日にも放送予定。「密告」は2027年1月の放送・配信が予定されている。
歴代の中村吉右衛門版を知る人にとっては、新しい鬼平像を楽しむ機会となり、初めてシリーズに触れる人にとっては、池波正太郎が描いた人間ドラマに出会う入口にもなる。
松本幸四郎版の真価は、鬼平を単なる強い捕物役ではなく、過去の過ちも人への情けも背負って生きる一人の人間として描いているところにある。 次作「密告」は、その魅力がさらに深く描かれる作品として期待される。