「朝ドラは4月から何が始まる?」と気になっている人に向けて、2026年度前期のNHK連続テレビ小説を整理する。2026年春に始まった作品は、見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務める『風、薫る』だ。明治時代の日本を舞台に、近代看護の道を切り開いた女性たちの人生を描いた作品である。
ただし、放送開始日は4月1日ではなく、2026年3月30日(月)。全26週・全130回で放送され、最終回は9月25日(金)に迎えた。現在の2026年11月2日時点では、9月28日から始まった2026年度後期の『ブラッサム』が放送されている。『風、薫る』はNHKオンデマンドの配信作品一覧にも掲載されている。
【2026年4月からの朝ドラは何?】『風、薫る』は3月30日スタートだった

2026年度前期の連続テレビ小説は、NHKの朝ドラ第114作となる『風、薫る』。タイトルの読み方は「かぜ、かおる」で、脚本は吉澤智子さんが担当した。
検索キーワードの「朝ドラ4月から」で探している人が最初に押さえておきたいのは、放送開始日が3月30日だったという点だ。年度の切り替わりに合わせて4月から始まると思われがちだが、2026年度は3月末に新作へ切り替わっている。
NHKの番組情報によると、放送は全26週・全130回。本編最終回は9月25日(金)の第130回で、翌26日(土)は1週間の振り返り放送だった。2026年度後期の『ブラッサム』は9月28日(月)から始まっている。
『風、薫る』の放送時間一覧放送当時の基本スケジュールは次のとおりだった。
- NHK総合・本放送:月曜~土曜 午前8時~8時15分
- NHK総合・再放送:月曜~土曜 午後0時45分~1時
- NHK総合・土曜版再放送:翌週月曜 午前4時45分~5時
- NHK BS・BSプレミアム4K:月曜~金曜 午前7時30分~7時45分
- NHK BS・BSプレミアム4Kの一挙再放送:土曜 午前8時15分~9時30分
総合テレビの土曜日は新しいストーリーが進む通常回ではなく、その週の内容を振り返る構成。BSでは月曜から金曜までの本編を先行して視聴できる編成だった。
なお、2026年11月2日現在の朝ドラは『ブラッサム』である。こちらは作家・宇野千代をモデルにした葉野珠の物語で、石橋静河さんが主演を務める。前期作品の『風、薫る』と混同しないようにしたい。
【薫るのあらすじ】明治時代の看護を切り開く2人の女性の物語
『風、薫る』の舞台は、文明開化によって日本社会が大きく変わっていた明治時代。中心となるのは、異なる境遇で育った一ノ瀬りんと大家直美という2人の女性だ。
物語の始まりは明治18年(1885年)。日本で近代的な看護婦養成所が誕生し始めた時代である。まだ看護という職業が十分に理解されていなかった社会に、2人はそれぞれの事情を抱えながら飛び込んでいく。
一ノ瀬りん(見上愛)は自分の信念を大切にする女性りんは栃木県那須地域の元家老の家に生まれた女性。若くしてシングルマザーとなり、人生の大きな転換点を迎える。
育ちの良さから視野が狭くなることもある一方、自分の良心に従って行動する芯の強さを持つ。看護という新しい仕事に出会い、自分の生き方を模索していく。
大家直美(上坂樹里)は現実を生き抜く行動派直美は生まれて間もなく親に捨てられ、キリスト教の牧師に育てられた女性。教会を転々とした経験から、特定の家族や社会的な立場に頼らず、自分の力で生きることを身につけている。
目的を達成するためには柔軟な発想や駆け引きも辞さない。りんとは性格も価値観も異なるが、同じ看護婦養成所で学ぶなかで関係を深めていく。
看護婦養成所から病院、そして感染症との闘いへ2人が学ぶのは、当時まだ教育制度が整い始めたばかりの看護の世界だ。養成所では、看護の基本や患者との向き合い方を学び、卒業後は大学病院でトレインドナースとして働き始める。
しかし、看護婦という職業への理解は十分ではない。りんは職場を追われ、直美も誰もが平等に看護を受けられる仕組みを模索することになる。
やがてコレラや赤痢などの感染症が社会を脅かすなか、離れ離れになった2人は再び手を取り合う。個人の人生を描くだけでなく、医療と衛生の仕組みが社会に根づいていく過程を描く点が、本作の大きな特徴だ。
【薫るのキャスト一覧】見上愛・上坂樹里を中心とした豪華出演陣
『風、薫る』の最大の特徴は、2人の女性が物語の中心に立つダブル主演形式であること。見上愛さんが一ノ瀬りん、上坂樹里さんが大家直美を演じた。
2人を取り巻く家族、看護教育の関係者、明治時代の実在人物をモチーフにした登場人物など、多彩なキャストが物語を支えている。
主要キャストと役柄・人物関係| 役名 | 出演者 | 人物・役割 |
|---|---|---|
| 一ノ瀬りん | 見上愛 | 元家老の家に生まれ、看護の道へ進む主人公 |
| 大家直美 | 上坂樹里 | 教会で育ち、自立心と行動力を持つもう一人の主人公 |
| 一ノ瀬信右衛門 | 北村一輝 | りんの父 |
| 一ノ瀬美津 | 水野美紀 | りんの母 |
| 一ノ瀬安 | 早坂美海 | りんの妹 |
| 竹内虎太郎 | 小林虎之介 | りんの幼なじみ |
| 大山捨松 | 多部未華子 | りんと直美に影響を与える鹿鳴館の華 |
| 大山巌 | 髙嶋政宏 | 大山捨松の夫 |
| 清水卯三郎 | 坂東彌十郎 | 日本橋の瑞穂屋を営む商人 |
| 島田健次郎 | 佐野晶哉 | 新しい言葉や外国語に詳しい青年 |
| 玉田多江 | 生田絵梨花 | 看護婦養成所の同窓生 |
| 小日向栄介 | 藤原季節 | 直美と出会うアメリカ帰りの海軍中尉 |
| 吉江善作 | 原田泰造 | 直美を見守るキリスト教の牧師 |
| 真風 | 研ナオコ | 謎めいた占い師。語りも担当 |
| 奥田亀吉 | 三浦貴大 | 運送業で財を成した人物 |
| 柳川文 | 内田慈 | 瑞穂屋の店員 |
| 勝海舟 | 片岡鶴太郎 | 清水卯三郎と旧知の人物 |
このほか、根岸季衣、小林隆、アニャ・フロリス、小倉史也、松金よね子、広岡由里子、髙嶋政宏らが出演。看護の実習や医療現場の物語が展開する段階では、古川雄大、坂口涼太郎、平埜生成、森田甘路、猫背椿、飯尾和樹、若林時英、村上穂乃佳、東野絢香、シソンヌじろう、野添義弘、筒井道隆、仲間由紀恵らも加わった。
2026年1月30日には生田絵梨花さんらの出演が発表され、2月25日には病院関係者や患者を演じる13人の追加キャストが公表された。物語が養成所での学びから医療現場へ広がるにつれて、登場人物の層も厚くなっていった。
NHK財団の番組情報や出演者発表、CINRAのキャスト紹介によると、脚本は吉澤智子さん、音楽は野見祐二さん、語りは研ナオコさんが担当している。単なる青春ドラマではなく、歴史上の人物と架空の人物が交差する群像劇として構成されている。
【薫るの実在モデル】大関和と鈴木雅が歩んだ明治の看護史
『風、薫る』を理解するうえで欠かせないのが、実在した看護の先駆者である大関和(おおぜき・ちか)と鈴木雅(すずき・まさ)の存在だ。
本作の原案は、田中ひかるさんの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』。ただし、ドラマは原案をそのまま映像化したものではない。NHKの番組紹介でも、実在人物をモチーフにしながら、人物名や団体名などを一部変更し、フィクションとして大胆に再構成した作品と説明されている。
一ノ瀬りんのモチーフは大関和大関和は1858年、現在の栃木県大田原市にあたる地域に生まれた。黒羽藩の家老の家に育ち、後に上京して看護の道に進んだ女性である。
1887年、桜井女学校附属看護婦養成所で学び、帝国大学医科大学附属第一医院で実習。1888年には近代的な看護教育を受けたトレインドナースとなった。
その後、新潟県の知命堂病院で看護婦長を務め、看護教育にも尽力。赤痢が流行した際には衛生管理を徹底し、感染症対策の現場でも活躍した。
加えて、看護婦の教育環境や待遇の改善を求めるなど、看護を専門職として確立するために行動した。単に患者の世話をするだけでなく、教育、労働環境、感染症対策まで視野に入れていたことが、大関和の歴史的な功績である。
大家直美のモチーフは鈴木雅鈴木雅は大関和とともに、日本の近代看護の草創期を支えた女性だ。桜井女学校附属看護婦養成所で学び、1888年に近代的な看護教育を修了した。
その後、病院での看護業務を経験し、民間の派出看護婦会を設立。看護を必要とする人のもとへ看護婦を派遣する仕組みを整え、看護教育にも取り組んだ。
当時は、看護婦という職業そのものが社会的に低く見られることもあった。そうした時代に、専門教育を受けた看護婦を育成し、病院だけでなく家庭でも専門的な看護を受けられる仕組みを築いたことは、大きな意味を持つ。
明治時代の看護師の歴史が物語の土台日本看護協会の資料によると、近代看護教育は明治時代に制度化が進み、1885年には初の看護婦養成機関が開設された。翌年には桜井女学校附属の養成所や京都看病婦学校などが設立され、外国人指導者による教育も取り入れられた。
1888年は、大関和や鈴木雅らが近代的な看護教育を修了した重要な年にあたる。看護が経験や献身だけに頼るものから、知識や技術を体系的に学ぶ専門職へと変化していく時期だった。
独立行政法人環境再生保全機構が公開した、原案著者・田中ひかるさんへのインタビューでも、大関和が看護教育の充実や待遇改善を求めたこと、赤痢の防疫に取り組んだことが紹介されている。
ここに本作の歴史ドラマとしての面白さがある。女性が職業を持つこと自体が容易ではなかった時代に、2人は自分の能力を生かせる場所を求めた。看護の発展は、医療技術だけでなく、女性の社会参加や職業的自立とも深く結びついていたのである。
【薫るの主題歌・配信情報】Mrs. GREEN APPLE「風と町」は4月13日リリース
『風、薫る』の主題歌は、Mrs. GREEN APPLEの「風と町」。作品のタイトルとも響き合う楽曲で、ドラマのオープニングを彩った。
Mrs. GREEN APPLEの公式ファンクラブサイトでは、2026年4月13日(月)午前0時から「風と町」の配信リリースが行われたと発表されている。ドラマ放送開始日の3月30日と、楽曲の正式な配信リリース日は異なる点に注意したい。
主題歌と劇伴音楽は別の作品混同しやすいのが、主題歌とメインテーマの違いだ。
- 主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
- 劇伴・音楽:野見祐二
- メインテーマ:「The Scent of the Wind -『風、薫る』メインテーマ-」
- メインテーマの配信開始:2026年3月30日
- 主題歌「風と町」の配信開始:2026年4月13日
日本コロムビアの発表では、野見祐二さんが手掛けたメインテーマが3月30日に配信開始となっている。Mrs. GREEN APPLEの主題歌とは別の音楽作品であるため、音源を探す際にはタイトルを確認したい。
『風、薫る』を見逃した場合の配信方法放送当時はNHK ONEで同時配信・見逃し配信が予定されていた。現在は放送が終了しているため、過去回をまとめて見たい場合はNHKオンデマンドの配信状況を確認する方法がある。
2026年11月2日現在、NHKオンデマンドの連続テレビ小説一覧には『風、薫る』が全130回の作品として掲載されている。第1話から最終回まで視聴したい人にとって、まとまった配信情報を確認できる点は便利だ。
また、NHKエンタープライズの商品情報では、完全版DVD・Blu-ray BOXの発売予定も案内されている。BOX1は2026年9月25日発売、BOX2は11月27日発売予定、BOX3は2027年2月26日発売予定となっている。
【朝ドラ2026年の歴代作品比較】全130回は長い?過去作との違い
『風、薫る』の放送回数は全130回。朝ドラの近年の作品と比べると、特別に長い作品というわけではなく、130回前後の標準的な構成に位置づけられる。
NHKオンデマンドの作品一覧を確認すると、2025年放送の『あんぱん』も全130回であり、同じく2025年の『ばけばけ』は全125回だった。2024年の『虎に翼』も全130回、『おむすび』は全125回となっている。
つまり、作品ごとに5回程度の違いはあるものの、近年の朝ドラはおおむね125~130回前後の構成が中心だ。『風、薫る』は全26週・130回という、比較的しっかりした長さで主人公2人の人生を描き切った作品となった。
『風、薫る』が近年の朝ドラと異なるポイント近年の朝ドラには、実在した人物の人生をモチーフにする作品や、特定の時代・文化を背景にした作品が多く見られる。
たとえば、『あんぱん』はアンパンマンの生みの親であるやなせたかしさん夫妻をモデルにした物語、『ばけばけ』は小泉八雲と妻セツをモデルとした物語だった。一方、『風、薫る』は近代看護の草創期をテーマにし、2人の女性を主人公としたバディドラマという点が特徴的だ。
作品の違いを整理すると、次のようになる。
- 『あんぱん』:創作や表現を通じて人々に夢を届けた人物の人生が中心。
- 『ばけばけ』:異文化との出会いや夫婦の人生を通じて明治の社会を描く。
- 『虎に翼』:女性の法曹界進出と社会制度の変化が大きなテーマ。
- 『風、薫る』:看護教育の発展と、女性が専門職として自立する過程が中心。
『風、薫る』の魅力を評価するなら、単純な恋愛要素や主人公の成功物語だけで判断するのはもったいない。
注目したいのは、明治時代に看護という専門職がどのように生まれ、社会に受け入れられていったのかという部分だ。病院での衛生管理、看護教育、職業上の待遇、患者が平等に医療を受けるための仕組みなど、現在の医療にもつながるテーマが物語の背景にある。
また、ダブル主演という構成にも意味がある。りんと直美は育った環境も考え方も異なる。異なる価値観を持つ2人が、同じ目標に向かって協力する姿は、個人の努力だけでは社会を変えられないという現実も映し出している。
歴史上の人物の人生を忠実に追うドキュメンタリーを期待する人には、フィクションとしての再構成が気になる場面もあるかもしれない。一方、歴史の背景を知りながら人物の成長や人間関係を楽しみたい人には、見どころの多い作品だ。
【朝ドラの4月からの新作】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年4月から始まった朝ドラのタイトルは何ですか?
A1:2026年度前期の作品は『風、薫る』です。見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務めました。実際の放送開始日は4月1日ではなく、2026年3月30日(月)です。
Q2:『風、薫る』はいつからいつまで放送されましたか?
A2:2026年3月30日から9月25日まで放送されました。全26週・全130回で、本編最終回は9月25日(金)の第130回。翌26日(土)は1週間の振り返り放送でした。
Q3:『風、薫る』の実在モデルは誰ですか?
A3:一ノ瀬りんのモチーフは近代看護の先駆者・大関和、大家直美のモチーフは看護教育や派出看護の発展に貢献した鈴木雅です。ただし、ドラマは実在人物の生涯をそのまま再現した作品ではなく、フィクションとして再構成されています。
Q4:『風、薫る』には原作がありますか?
A4:一般的な意味での原作小説はありません。田中ひかるさんの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』が原案です。この原案をもとに、吉澤智子さんが脚本を担当したオリジナルストーリーとして制作されました。
Q5:『風、薫る』の主題歌は何ですか?
A5:Mrs. GREEN APPLEの「風と町」です。2026年4月13日に配信リリースされました。劇伴音楽は野見祐二さんが担当し、メインテーマは別作品として3月30日に配信されています。
Q6:2026年11月現在、放送中の朝ドラは何ですか?
A6:2026年11月2日現在、放送中なのは2026年度後期の『ブラッサム』です。9月28日に放送が始まり、石橋静河さんが主演を務めています。『風、薫る』は前期作品として放送を終了しています。
Q7:『風、薫る』全130回はどこで見られますか?
A7:NHKオンデマンドの連続テレビ小説配信一覧に全130回の作品として掲載されています。放送終了後に全話を見たい場合は、同サービスで現在の配信状況を確認してください。
2026年度前期のNHK朝ドラ『風、薫る』は、見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務めた明治時代の看護をテーマにした作品だ。放送開始日は2026年3月30日で、全26週・130回の放送を経て、9月25日に本編最終回を迎えた。
原案は田中ひかるさんの『明治のナイチンゲール 大関和物語』。一ノ瀬りんのモチーフとなった大関和、大家直美のモチーフとなった鈴木雅という2人の先駆者の人生を背景に、看護教育の発展や女性の社会的自立を描いた。
主題歌はMrs. GREEN APPLEの「風と町」。音楽を野見祐二さん、脚本を吉澤智子さんが担当し、歴史と人間ドラマを組み合わせた作品として制作された。
現在の朝ドラを知りたい場合は、2026年9月28日に始まった後期作品『ブラッサム』を確認したい。一方、『風、薫る』をもう一度楽しみたい人は、NHKオンデマンドの全130回の配信情報が手掛かりになる。
今回の作品を通じて見えてくるのは、看護という仕事が当たり前の専門職になるまでに、多くの女性たちの努力と挑戦があったという歴史だ。ドラマの人間関係だけでなく、その背景にある近代日本の医療と社会の変化にも目を向けると、作品をより深く味わえる。