「君の膵臓をたべたい」の主題歌を調べる際、最初に区別したいのが、2017年の実写映画と2018年の劇場アニメは別々の音楽制作体制を採用している点です。
実写映画はMr.Childrenの1曲、劇場アニメはsumikaによる3曲という構成です。
実写映画と劇場アニメの基本比較| 比較項目 | 実写映画 | 劇場アニメ |
|---|---|---|
| 公開年 | 2017年 | 2018年 |
| 公開日 | 7月28日 | 9月1日 |
| 主題歌 | himawari | 春夏秋冬 |
| アーティスト | Mr.Children | sumika |
| オープニングテーマ | 該当なし | ファンファーレ |
| 劇中歌 | 主題歌とは別に劇伴を使用 | 秘密(movie ver.) |
| 劇伴音楽 | 松谷卓 | 世武裕子 |
| 追加編曲 | 伊藤ゴロー | ― |
| サウンドトラック発売日 | 2017年7月26日 | 2018年8月29日 |
| 主題歌シングル発売日 | 2017年7月26日 | 2018年8月29日 |
実写映画の公開日と主題歌は京都市メディア支援センターの作品情報、アニメ版の公開日と楽曲の担当区分はソニーミュージックおよび劇場アニメ公式発表に基づいています。
特に注目したいのは、アニメ版では3曲がそれぞれ異なる役割を持っていることです。3曲ともsumikaの楽曲ですが、同じ用途で使われているわけではありません。
この違いを理解すると、映画を見直したときに音楽が物語のどの部分を担っているのか、より明確になります。
【楽曲別に解説】himawari・ファンファーレ・春夏秋冬・秘密の役割

実写映画版の主題歌は、Mr.Childrenの「himawari」です。
2017年4月21日に主題歌への起用が発表され、同年7月26日にシングルとして発売されました。
映画では、浜辺美波が演じる山内桜良と、北村匠海が演じる高校時代の「僕」、そして小栗旬が演じる12年後の「僕」という時間軸が交差します。
この作品で「himawari」が担ったのは、単に恋愛感情を盛り上げる役割ではありません。
物語を経験した大人の「僕」が、過去の出来事を振り返り、桜良との時間をどのように受け止めるのか。その心情を音楽で表現することが、主題歌に求められた役割でした。
桜井和寿は、作品に含まれる美しさ、強さ、優しさ、残酷さを包み込むような音を探しながら楽曲を制作したことをコメントしています。
原作者の住野よるも、夏の花を意味するタイトルに驚きつつ、桜良がいなくなった後も前に進まなければならない主人公や観客にとって大切な曲になるという趣旨の感想を寄せました。
ここに「himawari」の特徴があります。
桜良との思い出だけにとどまらず、別れを経験した後の人生まで視野に入れた楽曲として、実写映画のラストを支えているのです。
2.sumika「ファンファーレ」:劇場アニメのオープニングテーマアニメ版の冒頭を飾るのが、sumikaの「ファンファーレ」です。
2018年7月25日に先行配信が始まり、8月29日発売の両A面シングルにも収録されました。
この曲は、3曲の中で唯一オープニングテーマとして明確に位置づけられています。
インタビューで片岡健太は、オープニングでは音楽に合わせて映像を描き下ろす制作方法が採用されたと説明しています。
つまり、完成した映像に既存の曲を後から当てはめたという単純な関係ではありません。
音楽が先行し、そのイメージを映像へと発展させる形で制作が進められました。
作品の世界に入っていく最初の入口として、疾走感のあるサウンドが採用された点も興味深いところです。
3.sumika「春夏秋冬」:劇場アニメの主題歌劇場アニメの正式な主題歌は「春夏秋冬」です。
「ファンファーレ」と同じ2018年8月29日発売の両A面シングルに収録されています。
「ファンファーレ」が物語の始まりを担うのに対し、「春夏秋冬」は作品全体を受け止める主題歌です。
制作面でも特別な背景があります。
ソニーミュージックのインタビューによると、当初は片岡健太が中心となってデモを制作していました。しかし、なかなか納得できるメロディーにたどり着かず、最終的にはメンバー全員でスタジオに入り、楽曲を完成させることになりました。
この曲は、sumika名義で作曲された初めての楽曲でもあります。
片岡は、個人の発想だけでは生まれなかった音楽が、メンバーと一緒に制作することで形になったと振り返っています。
加えて、制作チームとの打ち合わせでは、映画を観終わった後にどのような感情が残ってほしいかという点も話し合われました。
単純に悲しい別れを描くだけでなく、登場人物の成長を見守り、観客自身の人生にも置き換えられるような楽曲を目指したという背景があります。
4.sumika「秘密(movie ver.)」:物語のクライマックスを彩る劇中歌3曲目の「秘密」は、主題歌でもオープニングテーマでもなく、劇中歌です。
劇場アニメのクライマックスシーンで使用される楽曲として制作されました。
ソニーミュージックのインタビューでは、作曲を担当した小川貴之が、映像の絵コンテやストーリーの流れに合わせ、映画館の観客を物語の世界へ連れていくような感覚で制作したと説明しています。
このように「秘密」は、作品の中で特定の場面を支えるために作られた音楽です。
収録形態にも特徴があります。
2018年8月29日発売の劇場アニメ版オリジナルサウンドトラックに「秘密(movie ver.)」として収録されました。
「ファンファーレ」「春夏秋冬」と同じCDシングルに入っているわけではないため、購入や配信で楽曲を探すときには注意が必要です。
4曲の関係を整理すると、実写映画の「himawari」は作品全体を締めくくる主題歌、アニメ版の「ファンファーレ」は導入、「春夏秋冬」は主題歌、「秘密」は物語のクライマックスを支える劇中歌という違いがあります。
【主題歌の制作経緯】Mr.Childrenとsumikaはどう起用された?
両作品の音楽を比較すると、アーティストの起用方法にも違いが見えてきます。
実写映画:Mr.Childrenへのオファーは「僕」の心情が出発点2017年4月21日の主題歌発表時に報じられた制作経緯によると、映画制作陣は、小栗旬が演じる12年後の「僕」が何を思い、過去をどう振り返るのかを音楽で表現できるアーティストを検討していました。
その際、幅広い世代に共感される音楽を生み出してきたMr.Childrenに真っ先にオファーしたとされています。
Mr.Children側がこれを快諾したことで、今回のコラボレーションが実現しました。
桜井和寿のコメントからも、原作や映画の持つ複雑な感情を一つの音楽にまとめるため、制作に時間をかけて向き合ったことがうかがえます。
主題歌のタイトルが「himawari」となったことについて、住野よるが驚きと喜びを語った点も印象的です。
桜良の名前に含まれる「桜」と、夏の花である「ひまわり」。異なる季節を連想させるタイトルが、別れの後も続いていく人生という作品のテーマに重なっています。
劇場アニメ:sumikaと原作者・制作陣の関係が起用につながったアニメ版のsumika起用には、原作者の住野よるとバンドのつながりがありました。
2018年5月7日のソニーミュージック公式発表では、sumikaが主題歌、オープニングテーマ、劇中歌の3曲を担当すると発表されています。
住野よるは、読者からsumikaを教えてもらったことをきっかけにファンになり、CDを購入したりライブに足を運んだりしていたことを明かしました。
原作者自身がファンだったアーティストが、自分の代表作の音楽を担当することになったのです。
ただし、単に原作者の希望だけで3曲が制作されたわけではありません。
牛嶋新一郎監督は、最初に各シーンのイメージや曲調をsumikaに伝え、その後、何度も話し合いながら楽曲を制作したと説明しています。
片岡健太も、制作前の打ち合わせから監督や制作チームと作品のゴールを共有したうえで作曲に取り組んだと語っています。
ソニーミュージックのインタビューからは、作品へのリスペクトと、映像・音楽の双方を理解した共同制作の姿勢が読み取れます。
【CD・サウンドトラック情報】どれを購入すれば聴ける?
主題歌を探す人にとって、最も間違えやすいのがシングルCDとオリジナルサウンドトラックの違いです。
実写版とアニメ版では、発売元も収録内容も異なります。
実写映画版の「himawari」シングルMr.Childrenの「himawari」は、2017年7月26日にトイズファクトリーから発売されました。
通常盤の規格番号はTFCC-89628です。
通常盤には以下の6曲が収録されています。
1. himawari
2. メインストリートに行こう(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
3. PIANO MAN(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
4. 跳べ(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)
5. 終わりなき旅(2017.4.23 YOKOHAMA)
6. 忙しい僕ら
初回限定盤にはDVDが付属し、「Documentary Of himawari」などが収録されています。
映画の主題歌そのものを聴きたい場合は、このシングルが該当します。
実写映画版オリジナルサウンドトラック実写映画版のサウンドトラックは、2017年7月26日にワーナーミュージック・ジャパンから発売されました。
規格番号はWPCS-13686です。
音楽を担当したのは松谷卓で、追加編曲には伊藤ゴローが参加しています。
収録されているのは、映画の場面を支える30曲の劇伴です。
代表的な収録曲には次のようなものがあります。
- 扉の向こう
- 少女の残像
- 君の膵臓をたべたい-Prologue
- 日常の移ろい
- 桜良の想い
- 楽しい時間
- 最後の質問
- 生きるという事
- 共病文庫
- 喪失の日々
- 遺書
- 君の膵臓をたべたい-Epilogue
ここで注意したいのは、「himawari」はこの30曲の劇伴サウンドトラックとは別のシングル作品であるということです。
映画の音楽をまとめて聴きたい場合と、主題歌を聴きたい場合では、選ぶCDが異なります。
劇場アニメ版「ファンファーレ/春夏秋冬」sumikaの両A面シングルは、2018年8月29日にソニーミュージックから発売されました。
規格番号は初回生産限定盤がSRCL-9900~9901、通常盤がSRCL-9902です。
収録内容は次の4曲です。
1. ファンファーレ
2. 春夏秋冬
3. ファンファーレ(Instrumental)
4. 春夏秋冬(Instrumental)
初回生産限定盤には、DVDと住野よる書き下ろしのショートストーリー「日々の透き通るもたれ合い」が付属しました。
このCDを選べば、アニメ版のオープニングテーマと主題歌の両方を聴けます。
劇場アニメ版オリジナルサウンドトラック劇場アニメ版のサウンドトラックも、2018年8月29日に発売されています。
規格番号はSVWC-70364、発売元はアニプレックスです。
音楽を担当したのは世武裕子。
作品のために制作された劇伴に加え、sumikaの「秘密(movie ver.)」が収録されています。
収録曲には次のようなものがあります。
- プロローグ
- 坂道
- 秘密を知ってるクラスメイト
- 当事者になろうとする彼女
- パラダイス
- 何気なく使った言葉
- 本心
- 偶然じゃない
- 本当の想い
- 君の膵臓を食べたい
- 共病文庫
- 誰か、じゃなく、私を
- 桜と春
- 真実
- 「幸せになろう」
- 君の膵臓をたべたい-Main Theme-
- 秘密(movie ver.)
作曲者の世武裕子の公式ディスコグラフィーでは、劇伴とsumikaの劇中歌が収録されていることが案内されています。
したがって、アニメ版の3曲をすべて聴きたい場合は、シングルとサウンドトラックの両方を確認する必要があります。
【よくある誤解を検証】主題歌と劇中歌を混同しないためのポイント
「ファンファーレ」がアニメ版の主題歌ではない?これは誤解です。
「ファンファーレ」は劇場アニメのオープニングテーマであり、正式な主題歌は「春夏秋冬」です。
シングルのタイトルに「ファンファーレ」が先に記載されていることや、予告映像で使用されたことから、主題歌と混同される場合があります。
しかし、公式発表では役割が明確に分けられています。
「秘密」は主題歌なの?「秘密」は主題歌ではなく劇中歌です。
「春夏秋冬」と同じsumikaの楽曲ですが、映画のクライマックスで使用されるという異なる役割を担っています。
また、収録先も「ファンファーレ/春夏秋冬」のシングルではなく、劇場アニメ版オリジナルサウンドトラックです。
実写映画版とアニメ版で同じ主題歌を使っている?いいえ。
実写映画はMr.Childrenの「himawari」、劇場アニメはsumikaの「春夏秋冬」です。
原作は同じでも、映像作品としての演出や音楽制作の方向性が異なるため、主題歌も別々に制作されています。
どの作品の音楽を選ぶべき?目的によって選び方が変わります。
- 実写映画の余韻を味わいたい人:Mr.Children「himawari」
- アニメ版の冒頭を彩る楽曲を聴きたい人:sumika「ファンファーレ」
- アニメ版の主題歌を聴きたい人:sumika「春夏秋冬」
- アニメ版のクライマックスの劇中歌を聴きたい人:sumika「秘密(movie ver.)」
- 映画全体のBGMを楽しみたい人:各作品のオリジナルサウンドトラック
【プロの結論】「君の膵臓をたべたい」の音楽は作品ごとに聴き分ける
「君の膵臓をたべたい」の音楽を調べる際に、最も大切なのは、実写映画と劇場アニメを別作品として整理することです。
実写版の「himawari」は、過去を振り返る大人の「僕」の心情と、別れの後も続いていく人生を包み込む主題歌です。
一方、アニメ版はsumikaが3曲を担当し、物語の始まりからクライマックス、そして作品全体の余韻までを異なる楽曲で表現しています。
特に「春夏秋冬」は、バンドメンバー全員で作曲したという制作上の転換点も持つ楽曲です。
音楽と映像が一緒に作り上げられたアニメ版の制作過程を知ると、3曲を単なるタイアップ曲として聴くだけでは気づきにくい魅力が見えてきます。
購入する場合は、次の判断基準が便利です。
| 目的 | 選ぶ作品 |
|---|---|
| 実写映画の主題歌を聴く | Mr.Children「himawari」 |
| アニメ版の主題歌とOPを聴く | sumika「ファンファーレ/春夏秋冬」 |
| アニメ版の劇中歌も聴く | アニメ版オリジナルサウンドトラック |
| 実写版の劇伴をまとめて聴く | 実写版オリジナルサウンドトラック |
【君の膵臓をたべたいの主題歌】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:実写映画『君の膵臓をたべたい』の主題歌は誰が歌っていますか?
A1:Mr.Childrenの「himawari」です。2017年7月28日公開の実写映画の主題歌で、2017年7月26日にシングルが発売されました。
Q2:劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』の主題歌は何ですか?
A2:sumikaの「春夏秋冬」です。2018年9月1日公開の劇場アニメの主題歌として制作されました。
Q3:アニメ版でsumikaが担当した3曲は何ですか?
A3:「ファンファーレ」「春夏秋冬」「秘密(movie ver.)」です。順番にオープニングテーマ、主題歌、劇中歌という役割を持っています。
Q4:「ファンファーレ」と「春夏秋冬」は同じCDに収録されていますか?
A4:はい。2018年8月29日発売の両A面シングル『ファンファーレ/春夏秋冬』に収録されています。
Q5:「秘密(movie ver.)」はどのCDで聴けますか?
A5:2018年8月29日発売の劇場アニメ版オリジナルサウンドトラック(SVWC-70364)に収録されています。
Q6:実写映画版のオリジナルサウンドトラックに「himawari」は入っていますか?
A6:公式収録曲一覧では「himawari」は確認できません。「himawari」は別途発売されたMr.Childrenのシングルで、実写映画版サウンドトラックは松谷卓による劇伴を集めた作品です。
Q7:実写映画と劇場アニメの主題歌はなぜ違うのですか?
A7:それぞれ別の映像作品として制作され、異なる音楽制作体制が採用されたためです。実写映画では12年後の「僕」の心情を表現するためMr.Childrenが起用され、劇場アニメでは監督や制作チームとの共同作業を通じてsumikaが3曲を書き下ろしました。
『君の膵臓をたべたい』の主題歌は、実写映画と劇場アニメで明確に異なります。
2017年公開の実写映画はMr.Childrenの「himawari」。2018年公開の劇場アニメはsumikaの「春夏秋冬」が主題歌です。
さらにアニメ版では「ファンファーレ」がオープニングテーマ、「秘密(movie ver.)」が劇中歌として使用され、3曲それぞれに異なる役割があります。
収録作品を間違えないためには、実写版の主題歌シングル、アニメ版の両A面シングル、各作品のオリジナルサウンドトラックを区別することが大切です。
同じ原作から生まれた2つの映像作品だからこそ、Mr.Childrenとsumika、それぞれの音楽が描き出す『君の膵臓をたべたい』の世界を聴き比べる楽しみがあります。
主な参考資料(公式発表・関係者インタビュー)
- トイズファクトリー:Mr.Children「himawari」公式ディスコグラフィー
- 京都市メディア支援センター:実写映画作品情報
- ソニーミュージック:sumika楽曲担当発表、シングル発売情報
- ソニーミュージック「Cocotame」:sumikaメンバー制作インタビュー(2018年8月21日)
- 劇場アニメ公式サイト:楽曲・サウンドトラック発売情報
- 世武裕子公式ディスコグラフィー:劇場アニメ版サウンドトラック
- ワーナーミュージック・ジャパン:実写映画版サウンドトラック収録情報