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【誕生の経緯】ブラック★ロックシューターはアニメ化前から人気だった?

黒木 穂乃花 黒木 穂乃花 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

ブラックロックシューターの出発点は、漫画や小説ではなく、イラストレーターhukeが描いた一枚のオリジナルイラストだった。

公式ポータルのHISTORYによると、2007年12月26日、hukeが自身のブログとPixivにブラックロックシューターのイラストを投稿したことが始まりとなっている。

その翌年の2008年6月13日には、supercellのryoがイラストに着想を得た楽曲を制作。初音ミクが歌う「ブラックロックシューター」をニコニコ動画で公開し、huke自身が映像を担当した。この楽曲がキャラクターの知名度を大きく押し上げた。

つまり、ブラックロックシューターは、イラスト、ボーカロイド楽曲、映像表現が結びついて発展した作品である。アニメが先に存在し、その主題歌として初音ミクの楽曲が作られたわけではない。この順序は、作品の成り立ちを理解するうえで押さえておきたいポイントだ。

アニメ化までの主な年表

- 2007年12月26日: hukeがオリジナルイラストを公開。
- 2008年6月13日: supercellのryoによる初音ミク歌唱楽曲を公開。
- 2009年9月: OVAのパイロット版を発売。
- 2010年12月: OVA『BLACKROCK SHOOTER』発売。
- 2012年2月: フジテレビのノイタミナ枠でTVアニメ放送開始。
- 2021年8月: 『DAWN FALL』のアニメ化プロジェクトを発表。
- 2022年4月: 『ブラックロックシューター DAWN FALL』放送開始。

特に2010年のOVAは、インターネットでの全編無料配信に加え、店頭やイベント、雑誌付録などでDVDを配布するという特徴的な展開を実施した。アニプレックスの公式紹介では、配布されたDVDの総数は60万枚と説明されている。

現在の一般的なパッケージ販売や定額配信とは異なる方法で作品を広めた点も、ブラックロックシューターの歴史を語るうえで興味深い。

【3作品を徹底比較】2010年OVA・2012年TV版・2022年DAWN FALLの違い

ブラックロックシューターアニメ

3作品の違いを理解するには、主人公と舞台設定に注目すると分かりやすい。

2010年OVAと2012年TV版は、黒衣マトを中心に、現実世界ともう一つの世界を交差させる構成を採用している。一方、2022年の『DAWN FALL』は、荒廃した地球を舞台にしたSFアクション作品だ。

以下に、作品の基本情報とキャラクターの関係をまとめた。

比較項目 2010年OVA 2012年TV版 2022年DAWN FALL 作品名 BLACKROCK SHOOTER ブラックロックシューター ブラックロックシューター DAWN FALL 公開・放送年 2010年12月 2012年2月~3月 2022年4月~ 形式 OVA TVアニメ TVアニメ 話数 単独OVA 全8話 全12話 中心人物 黒衣マト 黒衣マト・小鳥遊ヨミ エンプレス 物語の方向性 少女たちの日常と異世界の戦い 友情・葛藤・心の痛み 終末世界・AI・人類の生存 主要声優 花澤香菜・沢城みゆき・阿澄佳奈 花澤香菜・沢城みゆき・阿澄佳奈 石川由依・早見沙織・潘めぐみ 制作会社 Ordet Ordet・サンジゲン バイブリーアニメーションスタジオ・バイブリーアニメーションCG

※OVAはテレビシリーズのような話数構成ではなく、独立した映像作品として扱う。2012年版は公式サイトで全8話、DAWN FALLは公式の全12話パック情報などで確認できる。

2010年OVA:作品の世界観を凝縮した映像作品

2010年12月発売

OVA版は、黒衣マトを中心とした少女たちの日常と、異世界で繰り広げられるブラックロックシューターたちの戦闘を組み合わせた作品だ。

特徴は、現実世界の人間関係と、もう一つの世界での戦いが並行して描かれること。登場人物の感情と戦闘の結びつきが、作品の大きな見どころとなっている。

初めて作品の世界観に触れる場合、OVAは比較的短い時間で基本的な設定やビジュアルの魅力を理解できる。2012年版を見る前に視聴すると、TVシリーズで広げられた設定との違いも把握しやすい。

2012年TV版:全8話で描く少女たちの友情と葛藤

2012年2月2日~3月22日放送

2012年のTVシリーズは、OVAの設定をベースにしながら、物語を再構成して広げた作品だ。

アニプレックスの作品紹介では、黒衣マトと小鳥遊ヨミの友情や絆を、OVA版よりも繊細かつダイナミックに描くテレビシリーズとして紹介されている。

全8話という短い構成ながら、友情、嫉妬、孤独、依存、他人を思いやることの難しさなど、思春期の人間関係に関わるテーマが盛り込まれている。

現実世界で起きる感情の揺れが、もう一つの世界での戦闘と重なる構成は、この作品ならではの特徴だ。単純なバトルアニメとして見るよりも、登場人物の心理を追いながら視聴すると、物語の意味が理解しやすくなる。

2022年DAWN FALL:終末世界を舞台にした新しい物語

2022年4月3日放送開始

『ブラックロックシューター DAWN FALL』は、過去の2作品とは物語の方向性が大きく異なる。

舞台は西暦2062年。労働力の自動化プロジェクトが失敗し、その中核を担っていた人工知能アルテミスが人類に敵対した結果、地球は荒廃している。

地下研究施設で目を覚ました少女エンプレスは、人類を守る3人の守護者の生き残りの一人。しかし、彼女には過去の記憶がない。

平和構築軍の大佐から告げられた使命は、アルテミスが建設を進める月と地球を結ぶ軌道エレベーターを破壊することだった。完成すれば、月で大量生産されている巨大機械軍が地球に侵攻する危険がある。

加えて、かつて仲間だったデッドマスターやストレングスもエンプレスの前に立ちはだかる。かつての仲間が敵となる構図が、物語に緊張感を与えている。

【あらすじを解説】黒衣マトの物語とエンプレスの物語は何が違う?

ブラックロックシューターのアニメを理解するうえで、特に重要なのが2012年版とDAWN FALLの物語構造の違いだ。

2012年版:黒衣マトと小鳥遊ヨミの関係が中心

主人公の黒衣マトは、中学校に入学したばかりの少女。新しい学校で小鳥遊ヨミと出会い、同じ絵本を持っていたことをきっかけに親しくなっていく。

しかし、ヨミには出灰カガリという幼なじみがいる。マトとヨミの関係が深まるにつれ、カガリを含めた少女たちの人間関係にも変化が生まれる。

もう一つの世界では、ブラックロックシューターが戦いを繰り広げている。こちらの世界で起こる出来事は、現実世界の少女たちが抱える感情と結びついている。

物語の中心にあるのは、相手を大切に思う気持ちと、自分自身の感情をどう受け止めるかという問題だ。

フジテレビの第1話の公式あらすじでは、マトがヨミに興味を持ち、少しずつ距離を縮めていく過程と、裏世界での戦闘が並行して紹介されている。最終話では、マト自身の選択が物語の決着に関わる。

DAWN FALL:エンプレスが背負う人類の未来

DAWN FALLでは、学校生活や友情を中心にした物語から一転し、人類の存続を懸けた戦いが描かれる。

エンプレスは、自分が何者なのかという問題を抱えながら、軌道エレベーター破壊という重大な任務に向き合う。旅の途中では、ノリトやミヤ、大佐、モニカらとの関係が物語を動かしていく。

デッドマスターとストレングスとの対立も重要な要素だ。彼女たちは単なる敵役ではなく、エンプレスの過去と関係する存在として描かれる。

そのため、DAWN FALLは過去作のキャラクター名を引き継ぎながらも、物語の中心を終末世界の戦争や記憶、使命へと移した作品として楽しめる。

OVAとTV版の違いを理解するポイント

よく混同されるのが、OVAと2012年版の関係だ。

2012年版はOVAの設定をベースにしているため、完全に無関係な作品というわけではない。ただし、OVAをそのまま8話に分割したものでもない。

TV版ではキャラクターや人間関係を掘り下げ、8話構成のストーリーとして展開している。OVAで作品の基本的な雰囲気を知り、TV版で人物の心理や物語の展開を深く追うという見方が適している。

一方、DAWN FALLは新しいアニメ化プロジェクトとして発表された作品であり、2012年版の直接的な続編として扱うのは適切ではない。

【声優一覧】花澤香菜・沢城みゆき・早見沙織・石川由依の出演キャラクター

ブラックロックシューターのアニメでは、作品ごとに声優のキャスティングが異なる。特に注意したいのが、デッドマスター役だ。

2010年OVA・2012年TV版の主要声優

OVAとTV版では、主要キャラクターの声優が共通している。TV版の公式スタッフ・キャスト情報では、以下の配役が紹介されている。

- 黒衣マト/ブラックロックシューター:花澤香菜
- 小鳥遊ヨミ/デッドマスター:沢城みゆき
- 神足ユウ/ストレングス:阿澄佳奈
- 納野サヤ/ブラックゴールドソー:能登麻美子
- 出灰カガリ/チャリオット:喜多村英梨
- 小幡アラタ:沼倉愛美

黒衣マト役の花澤香菜は、明るく天真爛漫な少女の表情と、ブラックロックシューターとして戦うキャラクターの両面を担当する。

小鳥遊ヨミとデッドマスターを演じる沢城みゆきも重要な存在だ。ヨミの繊細な感情と、異世界での戦闘キャラクターという二つの側面を演じ分けている。

この二人の関係性が2012年版の物語を支える大きな柱になっている。

2022年DAWN FALLの主要声優

DAWN FALLではキャストが一新され、エンプレスを中心とした新たなキャラクター構成になっている。

- エンプレス[ブラックロックシューター]:石川由依
- デッドマスター:早見沙織
- ストレングス:潘めぐみ
- 大佐:桐本拓哉
- モニカ:朝井彩加
- ブラックトライク:久野美咲
- ノリト:堀籠沙耶
- ミヤ:伊藤あすか
- ルナティック:友永朱音
- スマイリー:杉田智和

エンプレス役の石川由依は、記憶を失った人類の守護者という難しい立場のキャラクターを担当する。

そして注目したいのがデッドマスター役の早見沙織だ。2012年版のデッドマスターは沢城みゆきが演じていたが、DAWN FALLでは早見沙織に変更されている。

これは同じ名前のキャラクターが登場しても、作品の設定やキャラクター構成が異なるためだ。2012年版の配役が変更されたという意味ではない。

制作スタッフにも注目

キャラクター原案を担当するのは、シリーズの出発点となったイラストレーターhukeだ。

2012年版では吉岡忍が監督、岡田麿里がシリーズ構成・脚本、今石洋之がCG特技監督を担当。Ordetとサンジゲンがアニメーション制作に参加した。

一方、DAWN FALLでは天衝が監督、深見真がシリーズ構成・脚本を担当し、バイブリーアニメーションスタジオとバイブリーアニメーションCGが制作を担っている。

このスタッフ構成の違いも、2012年版の心理描写を中心とした作品性と、DAWN FALLのSFアクションとしての方向性の違いにつながっている。

【見る順番】ブラックロックシューターのアニメはどれから見るべき?

初めて視聴する場合、基本的には公開順で見る方法がおすすめだ。



2010年 OVA『BLACKROCK SHOOTER』

作品の原点となる映像表現と世界観を知る。


2012年 TVアニメ『ブラックロックシューター』全8話

黒衣マトと小鳥遊ヨミを中心とする物語を深く理解する。


2022年『ブラックロックシューター DAWN FALL』全12話

新しい設定と終末世界を舞台にしたストーリーを楽しむ。

視聴目的別のおすすめ
視聴したい内容 おすすめ作品
原点の世界観を知りたい 2010年OVA
黒衣マトとヨミの友情を見たい 2012年TV版
感情描写や心理的なドラマが好き 2012年TV版
SF・終末世界・バトルが好き DAWN FALL
主要な映像作品をすべて理解したい 公開順に3作品

なお、DAWN FALLは2010年OVAや2012年TV版の物語をすべて理解していないと楽しめない作品ではない。新しい舞台設定とストーリーが用意されているため、2022年版から視聴する選択も可能だ。

ただし、シリーズの歴史やキャラクターの変化を楽しみたいなら、OVAから順番に見ることで、作品がどのように発展してきたのかを実感できる。

【2026年最新情報】ブラックロックシューターの新作アニメはある?

2026年11月現在、アニメ作品の最新シリーズとして位置づけられるのは、2022年放送の『ブラックロックシューター DAWN FALL』だ。

公式ポータルのHISTORYでは、2007年のイラスト公開から2012年のTVアニメ化、2021年のDAWN FALLプロジェクト発表までが記録されている。また、公式NEWSには2023年のスマートフォンゲーム関連の告知などが掲載されている。

確認できる公式ポータルの掲載情報には、2022年以降の新しいTVアニメシリーズの放送決定は掲載されていない。したがって、2026年時点で視聴対象となる主要なアニメ作品は、2010年OVA、2012年TV版、2022年DAWN FALLの3作品だ。

2026年に知っておきたい3つの注意点

1.OVAとTV版は同じ内容ではない

2012年版はOVAの設定をベースにしたテレビシリーズだが、全く同じ映像を再編集した作品ではない。ストーリーの広がりや人物描写に違いがある。

2.DAWN FALLは2012年版の続編ではない

共通するキャラクター名や世界観のモチーフはあるものの、エンプレスを中心とした独自の物語が展開する。過去作の延長としてだけ見ると、作品の方向性を誤解しやすい。

3.配信サービスは作品ごとに確認する

2026年時点では、配信サービスによって見放題・レンタル・配信終了などの条件が異なる。特にOVAは古い映像作品であるため、TV版やDAWN FALLと同じサービスで視聴できるとは限らない。各サービスの作品ページで最新の取り扱いを確認したい。

【よくある質問】ブラックロックシューターのアニメに関するFAQ

Q1:ブラックロックシューターのアニメは全部で何話ありますか?
A1:2012年のTVアニメは全8話、2022年の『DAWN FALL』は全12話です。2010年のOVAはテレビシリーズではなく単独の映像作品です。したがって、テレビシリーズ2作品の合計は20話となります。

Q2:ブラックロックシューターのアニメを見る順番は?
A2:おすすめは2010年OVA、2012年TV版、2022年DAWN FALLの公開順です。ただし、DAWN FALLは独立した新しい物語なので、単独で視聴しても楽しめます。

Q3:2012年版とDAWN FALLのデッドマスターの声優は同じですか?
A3:異なります。2012年版は沢城みゆき、2022年のDAWN FALLは早見沙織です。別の作品設定におけるキャラクターとして、それぞれ異なる声優が担当しています。

Q4:ブラックロックシューターは初音ミクが原作ですか?
A4:厳密には違います。2007年にhukeがオリジナルイラストを発表し、2008年にsupercellのryoがそのイラストから着想を得た初音ミク歌唱楽曲を公開しました。初音ミクの楽曲がキャラクターの人気拡大に大きく貢献しています。

Q5:OVAを見ずに2012年のTV版を見ても理解できますか?
A5:理解できます。2012年版はOVAの設定をベースにしながら、人物関係やストーリーを展開した作品です。OVA未視聴でも黒衣マトと小鳥遊ヨミの物語を楽しめます。

ブラックロックシューターのアニメは、同じキャラクター原案を出発点としながら、作品ごとに異なる魅力を持っている。

2010年OVAは、hukeのイラストから生まれた独特の世界観を映像化した原点。2012年TV版は、黒衣マトと小鳥遊ヨミを中心に、少女たちの友情や葛藤を掘り下げた全8話の物語。そして2022年の『DAWN FALL』は、エンプレスを主人公に据え、人類と人工知能の戦いを描いた全12話のSFアクションだ。

視聴作品を選ぶ際に大切なのは、単純に話数や公開年だけで判断しないことだ。

心理描写や友情を重視するなら2012年版、作品の原点を知りたいなら2010年OVA、迫力のある戦闘と終末世界の物語を求めるならDAWN FALLが適している。

また、hukeのイラストからsupercellのryoによる初音ミク楽曲へ、そしてOVAやテレビアニメへと広がった歴史を知ると、作品の見え方も変わってくる。

2026年に初めてブラックロックシューターに触れるなら、まずは2010年OVAと2012年TV版でシリーズの原点を押さえ、その後にDAWN FALLを視聴する順番がおすすめだ。3作品を見比べることで、同じキャラクター原案が異なる物語表現へと発展してきた過程を楽しめる。