田中マルクス闘莉王氏は1981年4月24日、ブラジルのサンパウロ州で生まれた。1998年にサッカー留学のため来日し、渋谷教育学園幕張高校で学んだ後、2001年にサンフレッチェ広島でプロデビューを果たしている。
その後、水戸ホーリーホック、浦和レッズ、名古屋グランパス、京都サンガF.C.でプレー。浦和では2006年のJ1優勝と2007年のAFCチャンピオンズリーグ制覇、名古屋では2010年のJ1初優勝に貢献した。2006年にはJリーグMVPにも選ばれている。
日本代表としても2004年アテネ五輪、2010年南アフリカW杯に出場。Jリーグ公式プロフィールでは、Jリーグ通算529試合104得点というDFとして際立った記録が紹介されている。
引退を決めたのは2019年シーズン2019年12月1日、闘莉王氏は現役引退を正式に発表した。当時38歳。京都サンガF.C.でプレーしたシーズンを最後に、19年間のプロ生活に幕を下ろした。
引退の理由は、サッカーに対する情熱が薄れ始めたことだった。本人は以前から、プレーへの炎が消えかかれば年齢に関係なく引退すると決めていたという。
引退会見で特に印象的だったのは、ブラジルにいる両親への思いだ。1998年の来日以来、日本で過ごす時間が長くなり、帰省するたびに両親の年齢を感じていた。妹に両親の世話を任せてきたことへの申し訳なさも語っている。
父親からも、ようやく帰国を歓迎する言葉をもらった。闘莉王氏は引退後、両親のそばで過ごす時間を増やし、これまで離れていた年月を少しでも取り戻したいと考えていた。
つまり、ブラジルへの帰国は単なる引退後の休暇ではなかった。家族との時間を取り戻すという個人的な目的と、故郷で新しい仕事に挑戦するという人生の転換点だったのである。
【2026年最新】ブラジルでの仕事は学校経営・ホテル・レストラン・牧場!

2026年3月24日、FOOTBALL ZONEは闘莉王氏への独占インタビューを掲載した。記事では、ブラジルでの現在の仕事や学校設立の経緯、父親との事業について詳しく紹介されている。
そこで明らかになったのは、闘莉王氏がサッカー解説者だけではなく、複数の事業を動かす経営者として活動している姿だった。
現在手がける主な事業は4分野2026年のインタビューで紹介された主な事業は、ホテル、レストラン、牧場、学校の4分野だ。
闘莉王氏は朝、子どもたちを学校へ送り届けた後、各事業の現場へ向かう。従業員と話し合い、仕事の進捗や運営状況を自分の目で確認する。午後には牧場へ移動し、牛や競走馬の状態を確かめることもあるという。
事業の規模だけでなく、本人が現場に足を運ぶ姿勢が特徴的だ。時には現場に泊まり込むほどで、複数の仕事を同時に管理している。
父親と二人三脚で取り組んだ学校設立現在の活動の中でも、とりわけ大きな意味を持つのが教育事業だ。
闘莉王氏が学校設立を考えるようになった背景には、ブラジルの教育環境への問題意識があった。地域によっては、冷房設備がなく、風通しも悪く、雨が降ると地面がぬかるむような学校もある。こうした環境では、子どもたちが落ち着いて勉強することも難しい。
自分がこれまで十分に貢献できていなかった教育分野で何かを実現したい。その思いから、父親と協力して学校の設立に取り組んだ。
学校の名称は「CEIA」。闘莉王氏の故郷パルメイラ・ド・オエシチに開設された小中高一貫の私立校で、勉強だけでなくスポーツにも取り組める環境を備えている。
CEIAの基本情報
学校名
CEIA
所在地
ブラジル・パルメイラ・ド・オエシチ
学校の形態
小中高一貫の私立校
完成時期
2025年
在籍生徒数
700人以上
教師数
40人以上
出典:FOOTBALL ZONE 2026年3月24日掲載の独占インタビュー。人数は同記事掲載時点。
学校は2025年に完成し、2026年3月の取材時点で生徒700人以上、教師40人以上が在籍していた。単なるサッカースクールではなく、スポーツと学業の両方に取り組める教育施設である。
父親はどんな人物?学校設立を支えた経歴学校設立を語るうえで欠かせないのが、父親のパウロ・リュウジ・タナカさんだ。
FOOTBALL ZONEのインタビューによると、父親は日系ブラジル人2世。地元の公立学校で数学や化学を教える一方、イタリアンレストランも経営してきた人物だ。さらに40歳で大学の法学部に合格し、弁護士資格も取得している。
設計士としての顔も持ち、学校の設計や計画を進めるうえでも重要な役割を果たした。闘莉王氏にとって父親は、人生の目標を示してくれる存在であり、ビジネスのパートナーでもある。
ただし、闘莉王氏自身は学校の理事長や校長を務めているわけではない。本人が説明している立場は、あくまで設立者。教育現場の運営は経験のある人々に任せ、自分は子どもたちの夢を支える役割を担うという考え方だ。
牧場経営や社会貢献活動も続けてきた闘莉王氏の牧場経営は、学校設立よりも前から続いている。
2020年には公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」でブラジルの牧場を紹介。馬や牛を飼育するだけでなく、障害のある子どもたちを対象にした乗馬療育への取り組みも報じられた。馬に乗ることでバランス感覚や身体への刺激を得る活動で、地域の子どもたちを支援する目的があった。
加えて、2022年11月のENCOUNTのインタビューでは、牧場を2か所経営していたことや、競走用の馬を約20頭、牛を約500頭飼育していたことを明かしている。当時は牛の飼料となる牧草不足など、自然環境による経営上の課題にも直面していた。
同じインタビューでは、国立がんセンターに隣接する患者向け宿泊施設を設立・運営していたことも紹介された。遠方から治療に来る患者の移動や宿泊の負担を軽減するための取り組みで、宿泊費を提携行政が負担する仕組みを整えたという。また、ガソリンスタンド経営にも携わっていたと報じられている。
これらは2022年時点の報道内容であり、個々の事業の2026年現在の稼働状況や規模まで同じとは限らない。一方、2026年の独占インタビューでもホテル、レストラン、牧場、学校の運営が紹介されており、ブラジルで複数の事業に取り組んでいることは確認できる。
【年表・関係者一覧】闘莉王の経歴と引退後の活動を整理
闘莉王氏の歩みを理解するには、サッカー選手としての実績と、引退後の活動を分けて考えると分かりやすい。以下に主な転換点と関係する人物・組織をまとめた。
出典:Jリーグ公式発表、FOOTBALL ZONE、THE ANSWER、各番組・配信事業者の発表。
この年表から分かるのは、闘莉王氏の引退がサッカーとの決別ではなかったということだ。現役時代に培った経験や知名度を活用しながら、教育、経営、メディア出演へと活動の幅を広げている。
【2026年のメディア出演】闘莉王TV・NHK BS・DAZN・トークゴラッソ!
ブラジルを拠点にしていても、日本のサッカーファンとの接点は途切れていない。闘莉王氏にとって、YouTubeやテレビ、動画配信サービスは、現役引退後もサッカーに関わり続けるための重要な活動の場となっている。
闘莉王TVは2026年も日本代表を中心に発信公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」は、2020年4月8日に開設された。ブラジルでの生活や牧場の紹介だけでなく、日本代表の試合分析、選手の評価、監督や戦術への意見などを発信してきた。
特徴は、現役時代の闘将らしい率直な語り口だ。選手のプレーを評価する際も、遠慮のない意見を出すことが多く、サッカー経験者ならではの視点と感情を前面に出した解説が持ち味になっている。
2026年にはW杯開幕前から日本代表のメンバー選考や戦術を取り上げ、大会期間中も日本代表とブラジル代表の試合について積極的に発信。大会終了後の7月にもW杯を振り返る動画が公開され、9月26日にはウルグアイ戦をテーマにした動画が投稿されている。
2026年11月時点でも、YouTubeを通じたサッカー評論は活動の柱の一つだ。ブラジルに住みながら日本の代表チームを継続的に分析できることは、国際経験を持つ闘莉王氏ならではの強みといえる。
DAZNでは2026年W杯の公式解説者に起用2026年のFIFAワールドカップでは、DAZNの解説者ラインアップに田中マルクス闘莉王氏の名前が掲載された。
DAZNは大会の全104試合を配信するにあたり、出演者ごとに専門性を生かした解説を配置。闘莉王氏については、守備経験や闘志を前面に出す独自の視点が紹介された。
実際に6月14日(日本時間)には、ブラジル対モロッコ戦で解説を担当。ブラジル代表のプレーに対して厳しい評価を示し、攻撃陣の決定力や基本的なパスの精度についても率直な意見を述べた。
日刊スポーツによると、試合中にはブラジル代表の決定機逸について、引退した自分でも決められたという趣旨の辛口コメントも飛び出した。現役時代からの闘莉王節が、解説の場でも健在だった。
NHK BS1では日本対ブラジル戦のスタジオ解説NHKでも2026年W杯の解説者として出演した。
特に注目されたのが、6月29日(日本時間30日)の決勝トーナメント1回戦、日本対ブラジル戦だ。闘莉王氏はNHK BS1のスタジオ解説を担当した。
ブラジル出身でありながら日本代表としてW杯を戦った経験を持つ闘莉王氏にとって、このカードは特別な意味を持つ。中継では、本田圭佑氏から応援するチームを聞かれ、日本を応援する姿勢を明確に示したことも報じられている。
また、6月12日のNHK「FIFAワールドカップ2026 デイリーハイライト」にも出演し、前園真聖氏とともに解説を担当。サッカー初心者にも分かるようにカウンター攻撃の仕組みを説明するコーナーにも登場した。
トークゴラッソにも出演!サッカーの魅力を幅広い層へ2026年の活動では、TikTokとニッポン放送のコラボ番組「トークゴラッソ!」への出演も話題になった。
同番組は2026年6月10日に配信を開始。架空のサッカーチーム「有楽町ゴラッソFC」のメンバーが集まり、サッカーにまつわる話題や選手のエピソードを語る企画だ。
6月23日に発表されたTikTok公式ニュースによると、闘莉王氏は2026年7月8日配信回への出演が予定されていた。番組には田中パウロ淳一氏や新内眞衣氏、JO1・INIなどの関連出演者も名を連ねた。
同番組は前半の第6回までに累計視聴数243万回を突破していた。サッカーの専門知識を持つ人だけでなく、音楽やエンタメに関心のある視聴者にも接点を広げる企画となった。
このように、2026年の闘莉王氏は、ブラジルでの経営活動を続けながら、日本の視聴者に向けたサッカー解説にも参加している。現地での仕事と日本のメディア活動を両立させるスタイルが定着している。
【誤解を検証】闘莉王は引退後に何をしている?現在の生活の真相
闘莉王氏の現在については、現役時代のイメージが強いこともあり、引退後の暮らしを誤解されることがある。報道内容を整理すると、特に次の3点は押さえておきたい。
誤解1:引退後はブラジルでのんびり暮らしている?引退会見では、ビールを飲み、肉を食べてゆっくり過ごしたいという趣旨の冗談も語っていた。しかし、2026年の本人インタビューから見えてくる生活は、かなり忙しい。
学校、ホテル、レストラン、牧場などの現場を回り、従業員と打ち合わせを重ねている。本人が語る日常は、現役時代のトレーニングとは違う形で、仕事に全力を注ぐものだ。
誤解2:学校の校長やサッカー監督になった?学校CEIAの設立に関わったことは事実だが、本人は校長や理事長ではなく設立者という立場を説明している。教育の専門的な運営は、経験を持つスタッフに任せる考えだ。
また、学校設立とサッカー指導者への転身は別の話である。2026年の報道で確認できる活動の中心は、教育事業の支援とビジネス、サッカー解説だ。
誤解3:サッカー界から完全に離れた?これは明確に違う。闘莉王TVでの継続的な発信に加え、DAZN、NHK、トークゴラッソなどへの出演が確認されている。
選手としてピッチに立つことはなくなったが、サッカーの経験を言葉に変えて伝える仕事は続いている。むしろ、選手時代よりも多様な形でサッカーと接点を持っている。
闘莉王の現在を評価する3つの視点現在の活動を理解する際は、次の3つを分けて見ると全体像をつかみやすい。
- 教育・社会貢献: CEIAの設立や、過去に報じられた乗馬療育、患者向け宿泊施設など。
- 事業・経営: ホテル、レストラン、牧場などの運営と現場管理。
- サッカー・メディア: 闘莉王TV、NHK、DAZNなどを通じた解説や情報発信。
この3分野を横断して活動している点こそ、引退後の闘莉王氏を理解するうえで要点だ。
【プロの結論】闘莉王の第二の人生はサッカーと教育を結ぶ挑戦
闘莉王氏の現在を象徴するのは、学校CEIAの設立だろう。
現役時代は、DFというポジションでありながら積極的に攻撃参加し、Jリーグ通算104得点を記録した。守備だけに役割を限定せず、チームに必要な仕事を自ら引き受ける姿勢が特徴だった。
引退後の仕事にも、同じ考え方が見て取れる。学校設立では父親と協力し、事業では現場を自分で確認する。サッカー解説では選手としての経験を生かし、試合の問題点を率直に伝える。
特に教育事業には、単なる事業拡大とは異なる意味がある。学校という場所を整えることは、子どもたちが将来を選択するための土台をつくることでもある。スポーツを楽しむ環境と学ぶ環境を同時に用意した点に、元日本代表選手としての経験が生かされている。
また、父親との協力関係も興味深い。父親が持つ教育・法律・設計などの経験と、闘莉王氏自身の行動力や経営経験が組み合わさることで、学校設立という大きな計画が実現した。
引退後の成功を単純に資産や知名度だけで評価するのではなく、地域に何を残したか、次の世代にどのような機会を提供したかという観点から見ると、闘莉王氏の活動の意味がより明確になる。
【闘莉王の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:田中マルクス闘莉王は2026年現在どこに住んでいますか?
A1:母国ブラジルを生活と事業の拠点にしています。故郷のパルメイラ・ド・オエシチを中心に、学校や牧場などの事業に取り組んでいます。
Q2:闘莉王が設立した学校の名前と生徒数は?
A2:学校名はCEIAです。2025年に完成し、2026年3月の報道時点では700人以上の生徒と40人以上の教師が在籍していました。
Q3:闘莉王の父親はどんな仕事をしている人ですか?
A3:父親のパウロ・リュウジ・タナカさんは、数学・化学の教師やレストラン経営、弁護士としての経験を持つ人物です。設計士としての顔もあり、闘莉王氏と学校設立に取り組みました。
Q4:闘莉王は2026年W杯で解説を担当しましたか?
A4:はい。DAZNではブラジル対モロッコ戦などの解説を担当し、NHK BS1では日本対ブラジル戦のスタジオ解説に出演しました。
Q5:闘莉王TVは2026年も更新されていますか?
A5:はい。2026年9月にも日本代表やウルグアイ戦に関する動画が公開されており、サッカー評論を継続しています。
Q6:闘莉王は現在もサッカー選手として活動していますか?
A6:2019年シーズン限りで現役を引退しているため、プロ選手としては活動していません。現在はYouTubeやテレビ、動画配信サービスなどでサッカー解説を行っています。
2026年現在、田中マルクス闘莉王氏はブラジルを拠点に、教育事業、ホテル・レストラン経営、牧場運営などに取り組んでいる。
特に父親と協力して完成させた学校CEIAは、引退後の人生を象徴する大きな成果だ。700人以上の生徒が学ぶ環境を実現し、サッカー選手として培った行動力を次世代の教育に生かしている。
一方、闘莉王TVでの情報発信や2026年W杯でのNHK・DAZN解説、トークゴラッソへの出演など、日本のサッカーファンとのつながりも続いている。
2019年の引退は、闘莉王氏にとって終着点ではなかった。家族との時間を取り戻し、父親と新しい事業を立ち上げ、故郷の子どもたちの未来を支える。ピッチ上で見せてきた闘志は、現在、教育とビジネスという別の舞台に向けられている。
今後はCEIAの教育活動がどのように発展するのか、そしてブラジルでの事業と日本でのサッカー解説をどう両立していくのかが注目される。