床山を職業として考える際に、気になるのが給料と年収です。
力士の収入は番付によって大きく変わりますが、床山は力士とは異なる給与制度で働いています。日本相撲協会の2025年度事業報告書では、床山全員に月給制による給与を支給していると明記されています。
床山の給料はいくら?床山の給与について、公開資料から確認できる要点は次の通りです。
- 月給制で給与が支給される。
- 五等から特等までの階級制度がある。
- 階級や勤務実績によって待遇が異なる。
- 基本給とは別に手当が設けられているとする元力士の解説もある。
- 2026年現在の全階級の最新給与額を示す公式一覧は確認できない。
日本相撲協会の公式事業報告書には月給制の記載がありますが、床山の階級別の本俸や個別の年収までは掲載されていません。
元力士による解説記事などには、過去の給与規程をもとにした階級別の金額や初任給の紹介があります。しかし、基本給と手当を混同したり、古い金額を現在の給与として掲載したりするケースには注意が必要です。
床山の年収はどのように考えるべき?年収は基本的に月給と各種手当の合計を12か月分で考えることになります。
ただし、階級ごとの基本給だけでは実際の年収を判断できません。手当の金額や支給条件も関係するためです。
例えば、ネット上で紹介される年収表には、基本給だけを12倍したものと、手当を加算した推計額が混在しています。
そのため、2026年の床山の平均年収や最高年収を確定した数字として示すことはできません。
給与については、月給制であることは公式資料で確認できる一方、具体的な年収は公開情報だけでは算出できないというのが実情です。
床山の待遇は安定している?床山は日本相撲協会に採用される協会員であり、一般的なフリーランスの美容師とは雇用形態が異なります。
月給制で働き、階級制度に基づく昇進を目指せる点は特徴です。
一方、仕事の現場は相撲部屋です。一般企業のように勤務地や仕事内容を自由に選べるわけではなく、所属部屋の運営方針や力士の人数によって日々の業務も変わります。
待遇を考える場合は、給与だけでなく、次の点も確認する必要があります。
- 初任給と見習い期間中の給与
- 手当の種類と支給条件
- 昇進に伴う給与の変化
- 住居や食事など生活面の条件
- 休日や勤務時間、巡業時の働き方
- 停年や退職後の制度
特に若い段階で入門する場合、住み込み生活と給与の両方を家族と相談することが大切です。
【床山の歴史と由来】なぜ力士は髷を結い続けるのか

床山の仕事を理解するには、力士がなぜ現在も髷を結っているのかを知る必要があります。
床山という名称の由来「床山」という言葉は、歌舞伎の世界でも使われてきた職業名です。
小学館の辞書によると、歌舞伎などの興行中に楽屋に詰め、俳優の髪を結ったり、かつらの修理や保管を担当したりする人を床山と呼びます。相撲界では、力士の髪を結う専門職を指します。
つまり、床山は伝統芸能に共通する結髪技術を受け継ぐ職人なのです。
江戸時代から明治時代にかけての髷の変化力士の髷は、最初から現在の形だったわけではありません。
江戸時代には、一般の男性や武士も髷を結っていました。大名に召し抱えられた力士も、武士に準じた髪型をしていたとされています。
大きな転換点は、明治4年(1871年)の断髪・廃刀に関する政策です。
日本相撲協会の公式解説によると、当初は相撲界にも断髪の動きが及びましたが、力士の風俗として結髪が認められ、伝統が残されました。
大銀杏は幕末ごろから流行し始め、明治中期には力士の標準的な髪型になりました。
その後、複数の髷の形が存在した時代を経て、現在では大銀杏とちょんまげの2種類が基本となっています。
髷は力士の誇りであり、引退とも結びつく力士にとって髷は、単なるヘアスタイルではありません。
土俵に立つ力士の象徴であり、相撲界に身を置いていることを示す存在です。
引退時には断髪式が行われ、関係者が順番に鋏を入れ、最後に師匠が止め鋏を入れるのが一般的です。
床山が毎日整えてきた髷は、力士の現役生活そのものと深く結びついています。
ハリマ化成グループの職人紹介では、床山・床松の仕事へのこだわりとして、髷を結う職人は髷を切るのではなく、結うことが本分であるという姿勢が紹介されています。
髷を作り続けることが床山の仕事であり、力士がその髷を下ろす日は、職人にとっても一つの節目になるのです。
【床山とは?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:床山になるには美容師免許が必要ですか?
A1:必要ありません。床山は日本相撲協会の採用制度に基づく専門職です。一般に、義務教育を修了した男子で満19歳未満という年齢条件が設けられています。経験も必須ではありませんが、採用枠には限りがあります。
Q2:床山の給料や年収はいくらですか?
A2:床山は月給制です。ただし、2026年現在の階級別の最新給与額や平均年収は公式に一覧公開されていません。基本給と手当を分けて考える必要があります。
Q3:床山は何年で大銀杏を結えるようになりますか?
A3:基本的な大銀杏の技術習得には約5年という説明があります。加えて、巡業などで多くの力士を手際よく結える熟練技術には10年以上かかるとも紹介されています。個人の習熟度によって差があります。
Q4:床山は何人いて、階級はいくつありますか?
A4:2026年11月初めの日本相撲協会公式一覧では46人が確認できます。定員は原則50人で、階級は五等、四等、三等、二等、一等、特等の六段階です。
Q5:大銀杏を結える床山は一等以上ですか?
A5:いいえ。日本相撲協会の公式クイズでは、特定の階級以上でなければ結えないという規則はないと説明されています。実際には技術と経験が必要です。
Q6:床山は力士と同じ相撲部屋で生活しますか?
A6:相撲部屋に所属し、若手の場合は部屋で共同生活を送りながら修業するケースがあります。髪結いのほか、食事の準備や掃除などを手伝う場合もあります。
床山とは、大相撲の力士の髪を結い、ちょんまげや大銀杏を仕上げる専門職です。日本相撲協会に所属し、相撲部屋で力士と生活を共にしながら、伝統的な結髪技術を受け継いでいます。
2026年11月現在、協会公式一覧で確認できる床山は46人。定員50人という限られた採用枠の中で、五等から特等まで六段階の階級を上がっていく職人の世界です。
美容師や理容師の免許が必須ではない一方、若いうちからの入門、長期間の修業、手先の器用さ、力士との信頼関係が大切です。給料は月給制ですが、最新の階級別給与や年収を確定できる公開資料は限られています。
床山の仕事を考えるうえで、特に重要なのは次の3点です。
- 技術の価値:大銀杏は見た目の美しさだけでなく、髪質や頭の形に合わせて崩れにくく仕上げる高度な技能の結晶である。
- 職業としての特殊性:若年採用と相撲部屋での修業を基本とする、一般的な美容業とは異なるキャリア構造を持つ。
- 文化を継承する役割:力士の髷を整えることは、大相撲の伝統や力士の誇りを守る仕事でもある。
床山は、土俵の上で勝敗を競う力士とは違い、観客の前に立つ機会が少ない職業です。しかし、床山の技術がなければ、私たちが知る大相撲の伝統的な姿は成り立ちません。
力士の髷を結うという一見シンプルな仕事の裏には、長年の修業と職人同士の継承、そして力士との信頼関係があります。大相撲を観戦するときは、取組だけでなく、力士の髷を整える床山の技にも目を向けると、相撲の楽しみ方がさらに広がります。