2025年10月24日に公開された映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』も、長塚さんの近年の出演作として押さえておきたい作品です。
主演はJO1の豆原一成さんと市毛良枝さん。長塚さんは、物語の鍵を握る祖父・安藤偉志を演じています。
祖父が残したものが家族の未来を変える作品は、祖母・文子と暮らし始めた大学生の拓磨が、亡き祖父の書斎で大学の入学案内を見つけるところから展開します。
祖父の偉志は、妻が若い頃に抱いていた学びへの夢を知り、その実現を後押しするための準備を残していました。
一方、孫の拓磨は自分の将来に悩んでいます。
祖父が残した思いを通して、祖母と孫がそれぞれ新しい一歩を踏み出す家族の物語です。
長塚さん演じる偉志は、物語の中心に生き続ける人物でありながら、すでに亡くなった祖父という設定です。
出演時間だけでは測れない、作品全体を支える役どころといえます。
市毛良枝との再共演にも注目長塚さんと市毛良枝さんは、過去にも夫婦役を演じた経験があります。
今回の作品では、祖父と祖母という関係で再び共演しました。
公式作品紹介でも、長塚さんの役柄は「『敵』の長塚京三」として紹介されており、映画界での近年の評価がキャスティングにも反映されていることがうかがえます。
『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』は、人生の後半における学び直しや家族のつながりを描いた作品です。
81歳の長塚さんが、2026年には『急に具合が悪くなる』で俳優という仕事そのものを描く役に挑戦していることを考えると、近年の出演作には人生や年齢をテーマとした作品が続いている点も興味深いところです。
【学歴・パリ留学】早稲田大学からフランス映画デビューまでの道のり

長塚京三さんの経歴で、特に興味を引くのがフランス留学です。
日本の人気俳優として知られる一方、若い頃には早稲田大学で演劇を学び、その後パリで約6年間を過ごしています。
早稲田大学第一文学部の演劇科に進学長塚さんは早稲田大学第一文学部演劇科に進学しました。
当時、本人は最初から俳優を目指していたわけではありません。
2025年1月の『婦人公論』のインタビューでは、演劇科を選んだ理由について、将来の職業を考えたというより、少し変わった学部に行ってみたかったという趣旨を語っています。
大学では演劇サークル「劇団木霊」に所属しました。
入学1年目にはゴーリキーの戯曲『どん底』に出演。その後、自分たちの劇団を作り、ベケットやコクトーなどの作品にも取り組みました。
この時期には、後にテレビ業界で活躍する久米宏さんも同じ演劇サークルに所属していました。
長塚さんと久米さんは、60年以上にわたる交流を持つ学生時代からの仲間としても知られています。
パリ大学・ソルボンヌ大学に約6年間留学大学時代、学内のストライキなどをきっかけに、長塚さんは日本を離れて海外に行くことを考えました。
当初は2年ほどの予定だったパリ滞在が、結果的に約6年間に及びます。
本人のインタビューによると、フランスではバカロレアという大学入学資格試験に合格し、ソルボンヌ大学のさまざまな授業に参加しながら語学学校にも通っていました。
ここで注意したいのは、ソルボンヌ大学の卒業資格を取得したという意味ではないことです。
大学の授業に通い、語学を学びながらフランスで生活していたという経歴です。
フランス映画『パリの中国人』で俳優デビュー長塚さんが俳優としてデビューしたのは、1974年のフランス映画『パリの中国人』です。
きっかけは、フランス語を教えていた先生からの紹介でした。
映画関係者が中国人役を演じられる人物を探しており、長塚さんにオーディションの話が舞い込んだのです。
当初は俳優になるつもりがなかったものの、オーディションに参加して出演が決まりました。
本人も後年のインタビューで、映画出演は思いがけない出来事だったと振り返っています。
帰国後にはTBSドラマ『樹氷』に出演し、日本での俳優活動を本格化させました。
パリ留学の経験が81歳の現在にも生きているこの経歴が単なる若い頃の思い出で終わっていない点が重要です。
2025年公開の『敵』では、長塚さんがフランス文学を専門とする元大学教授を演じました。
そして2026年の『急に具合が悪くなる』では、フランス語での演技に挑戦しています。
学生時代に身につけたフランス語や異文化への理解が、半世紀以上を経て映画の役柄と結びついているのです。
俳優としての経験だけでなく、人生の中で培った知識や文化的背景が、現在のキャスティングにも生きていることが分かります。
【長塚京三の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:長塚京三は2026年現在、何歳ですか?
A1:1945年7月6日生まれで、2026年11月現在は81歳です。2026年7月には映画『急に具合が悪くなる』の公開記念イベントにも登壇しています。
Q2:長塚京三の最新出演映画は何ですか?
A2:2026年公開の濱口竜介監督作品『急に具合が悪くなる』です。清宮吾朗役を演じ、フランス語での演技にも挑戦しています。2025年には『敵』『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』にも出演しました。
Q3:長塚京三は2027年の大河ドラマに出演しますか?
A3:出演が発表されています。NHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で鷹司政通役を演じます。2027年1月10日放送開始予定で、大河ドラマ出演は通算8作目です。
Q4:長塚京三は俳優を引退したのでしょうか?
A4:引退していません。2024年の東京国際映画祭で映画『敵』が受賞した際には、引退を考えていた時期だったと振り返りつつ、もう少し俳優の仕事を続けたいという気持ちを語りました。その後も映画出演やイベント登壇が続いています。
Q5:長塚京三は『金曜日の妻たちへ』のどのシリーズに出演しましたか?
A5:1984年の第2シリーズ『金曜日の妻たちへII 男たちよ、元気かい?』では編集長役、1985年の第3シリーズ『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』では遠藤啓司役を演じています。
Q6:長塚京三はパリ大学を卒業していますか?
A6:早稲田大学第一文学部演劇科を中退後、フランスに渡り、約6年間パリに滞在しました。ソルボンヌ大学の授業や語学学校で学んだことが本人のインタビューで語られています。大学卒業とは区別して理解する必要があります。
長塚京三さんの現在を整理すると、2026年11月時点で81歳を迎え、映画を中心に俳優活動を続けていることが分かります。
特に注目すべき出来事は次の4つです。
- 2025年公開の映画『敵』で東京国際映画祭最優秀男優賞を受賞。
- 2025年公開の『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』に出演。
- 2026年公開の『急に具合が悪くなる』でフランス語の演技に挑戦。
- 2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』で鷹司政通役を演じることが決定。
長塚さんのキャリアを振り返ると、『金曜日の妻たちへ』やサントリーオールドのCMで築いた親しみやすい大人の男性像が、俳優としての出発点の一つでした。
しかし、現在の長塚さんは、そのイメージだけにとどまっていません。
映画『敵』では老いと孤独に向き合う元大学教授を演じ、『急に具合が悪くなる』ではフランス語を使う俳優という役柄に挑戦しました。そして次は、幕末の朝廷を支えた歴史上の重鎮を演じます。
長塚京三さんの現在を象徴しているのは、81歳という年齢よりも、年齢を重ねたからこそ演じられる役柄が広がっていることです。
若い頃のパリ留学、テレビドラマでの人気、映画賞の受賞、そして2027年の大河ドラマへ。
過去の代表作を懐かしむだけでなく、これからどのような人物を演じるのかにも注目したい俳優です。