井上章一(いのうえ・しょういち)氏は、建築史・意匠論を出発点に、日本人の生活習慣や美意識、京都の地域文化などを独自の視点で研究してきた日本文化研究者です。代表作『京都ぎらい』で一般読者にも広く知られるようになりましたが、その研究活動は建築だけにとどまらず、服装、住居、身体、性風俗、近代日本の社会意識など、多彩な領域に及んでいます。
2026年現在、井上氏は国際日本文化研究センター(日文研)の所長を務めています。2025年11月28日に所長への再任が正式発表され、2026年4月から2028年3月までの新たな任期が始まりました。加えて、2026年7月23日には新著『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか―土足禁止の精神史―』を刊行。研究者としての歩みと、現在進行形の知的関心を知るうえで注目すべき動きが続いています。
【井上章一とはどんな研究者?】京都大学で建築を学んだ経歴と人物像

井上章一氏は1955(昭和30)年、京都市生まれです。京都という歴史的な都市で育ち、京都大学で建築を学んだことが、その後の研究活動の重要な出発点になりました。
単に歴史的建築物の形や構造を調べるだけではなく、建物に与えられた評価やイメージが、どのような社会的背景のもとで形成されてきたのかを考察する点に、井上氏の研究の特色があります。
京都大学工学部から大学院へ国際日本文化研究センターが公開している公式プロフィールによると、井上氏は1978年3月に京都大学工学部建築学科を卒業しました。その後、1980年3月には京都大学大学院工学研究科建築学専攻の修士課程を修了しています。
大学院修了後は京都大学人文科学研究所の助手に就任。建築を専門的に学んだ経験を土台としながら、人文科学の視点を取り入れた研究へと活動の幅を広げていきました。
この経歴は、井上氏の著作を理解するうえでも重要です。建築物そのものだけではなく、建築をめぐる言説、文化的な評価、社会の価値観まで研究対象にする姿勢は、初期の建築研究から一貫して見られます。
国際日本文化研究センターで研究者として活動1987年5月、井上氏は国際日本文化研究センターの助教授に就任しました。2002年には教授となり、2013年には副所長を務めています。
2020年4月には同センターの所長に就任。研究者として個別のテーマを追究するだけでなく、日本文化を国際的・学際的に研究する機関の運営にも携わるようになりました。
こうした経歴から分かるのは、井上氏が建築史の専門知識を持ちながら、社会史や文化史の領域へ研究を展開してきた人物だということです。
なお、1955年生まれという基本プロフィールや京都大学での学歴、研究機関での職歴は、国際日本文化研究センターおよび出版社の著者紹介でも確認できます。
【経歴・年表】井上章一の研究者としての歩みと転換点
井上章一氏のキャリアを理解するには、京都大学での建築学の研究から、国際日本文化研究センターでの日本文化研究、そして所長としての組織運営までを時系列で整理すると分かりやすくなります。
特に重要なのは、1986年の『つくられた桂離宮神話』をめぐる評価です。この著作によって、井上氏は建築をめぐる既成の評価や文化的イメージを、社会史の手法で問い直す研究者として注目されました。
| 時期 | 経歴・出来事 | 意味・実績 |
|---|---|---|
| 1955年 | 京都市に生まれる | 京都を背景に育つ |
| 1978年3月 | 京都大学工学部建築学科卒業 | 建築学を専門的に学ぶ |
| 1980年3月 | 京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了 | 建築学の大学院教育を修了 |
| 1980年4月 | 京都大学人文科学研究所助手 | 研究者としての職歴を開始 |
| 1986年 | 『つくられた桂離宮神話』を刊行 | サントリー学芸賞を受賞 |
| 1987年5月 | 国際日本文化研究センター助教授 | 日本文化研究へ活動を展開 |
| 2002年10月 | 同センター教授 | 研究活動の中心を担う |
| 2013年4月 | 同センター副所長・教授 | 研究機関の運営にも携わる |
| 2015年9月 | 『京都ぎらい』刊行 | 一般読者から大きな注目を集める |
| 2016年 | 『京都ぎらい』が新書大賞第1位 | 代表作として広く認知される |
| 2020年4月 | 国際日本文化研究センター所長に就任 | 研究機関のトップを務める |
| 2025年11月28日 | 所長への再任を発表 | 新たな2年間の任期が決定 |
| 2026年4月1日 | 再任後の任期がスタート | 任期は2028年3月31日まで |
| 2026年7月23日 | 『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』刊行 | 日本の生活習慣を歴史的に考察 |
この年表で注目したいのは、研究者としての専門性と、一般社会に向けた発信力が段階的に結びついていることです。
1980年代には建築と文化的評価をめぐる研究で実績を積み、その後は京都、関西、服装、身体文化などへテーマを拡張。2015年の『京都ぎらい』によって、専門的な研究成果を一般読者にも伝える著述家としての存在感が強まりました。
経歴・職歴の年月は国際日本文化研究センターの研究者紹介、所長再任については2025年11月28日付の公式発表に基づいています。
【専門分野と研究テーマ】風俗史・建築史を横断する独自の視点
井上章一氏の専門分野について、最も正確な答えは、国際日本文化研究センターが公式に掲げている風俗史です。
ただし、風俗史という言葉だけでは研究の広がりを十分に表現できません。出版社の著者紹介では建築史・意匠論も専門領域として紹介されており、美人論や関西文化論なども執筆テーマに含まれています。
研究の中心は「近代化によって暮らしはどう変わったか」日文研の研究者プロフィールでは、井上氏の研究テーマについて、近代化のなかで人々の暮らしぶりがどのように変わってきたかを追究する趣旨が説明されています。
ここで重要なのは、政治制度や経済構造といった大きな歴史だけではなく、日常生活に埋もれた小さな変化にも目を向けることです。
例えば、次のような問題が研究対象になります。
- 日本人はどのような経緯で家のなかで靴を脱ぐようになったのか。
- 下着や衣服に対する羞恥心は時代とともにどう変化したのか。
- 美人という評価基準は、社会や時代によってどのように作られるのか。
- 歴史的建築物の美しさは、誰によって、どのような背景で評価されてきたのか。
- 京都や関西の地域イメージは、どのような文化的・社会的関係から生まれたのか。
これらは一見すると別々のテーマに見えます。しかし、共通しているのは、現在では当たり前と考えられている価値観を歴史のなかに置き直すことです。
建築史と風俗史がつながる理由一般的な建築史では、建物の構造、設計思想、様式、建築家などが研究対象になります。一方、井上氏の著作では、建築物をめぐる社会の評価や、そこに付与された文化的な意味にも注目します。
例えば、ある建物が「日本らしい美しさ」の象徴として紹介されている場合、その評価がいつ、誰によって、どのような歴史的背景から広まったのかを検討するわけです。
これは建築を単なる物理的な建造物として扱うのではなく、社会の価値観を映し出す文化的な存在として読み解く方法です。
専門分野を理解するための3つのキーワード風俗史:衣服、住居、身体、生活習慣など、人々の日常的な暮らしの歴史を研究する領域です。
建築史・意匠論:建築物の歴史やデザインだけでなく、その評価やイメージが形成される過程にも注目します。
近代日本文化史:西洋文化との接触や社会の近代化を通じて、日本人の生活や意識がどのように変化したのかを考察します。
井上氏の研究が興味深いのは、この3つの視点を組み合わせることで、建築物から衣服、地域文化までを一つの歴史的な問題として考えられる点にあります。
【著書一覧と代表作】『京都ぎらい』『つくられた桂離宮神話』の魅力
井上章一氏の著書は幅広く、建築や日本文化の専門書から、一般読者向けの新書、風俗史を扱った読み物まで多岐にわたります。
代表作を読むと、研究対象が変わっても、社会の常識や文化的なイメージを歴史的に問い直す姿勢が共通していることが分かります。
『つくられた桂離宮神話』―日本建築の評価を問い直した初期代表作1986年刊行の『つくられた桂離宮神話』は、井上氏の研究者としての出発点を知るうえで欠かせない著作です。
本書では、京都の桂離宮が日本建築の美を象徴する存在として高く評価されるようになった歴史的経緯を検討しています。
重要な論点の一つが、ドイツの建築家ブルーノ・タウトによる桂離宮の評価です。タウトは1933年に来日し、その後、桂離宮を日本の簡素な美の象徴として高く評価しました。
しかし井上氏は、桂離宮の評価が単純に建築物そのものの価値だけで成立したわけではないことに注目します。近代の建築界における思想的な動き、日本文化をめぐる議論、ナショナリズムなどが、そのイメージの形成に関係していたという問題を掘り下げました。
本書は1986年のサントリー学芸賞・芸術・文学部門を受賞しています。サントリー文化財団の選評にも、建築をめぐる評価や議論を引き起こした著作として記録されています。
なお、1997年には講談社学術文庫からも刊行されています。
『京都ぎらい』―京都出身者だからこそ描けた地域文化論一般読者の間で井上氏の名前を広く知らしめたのが、2015年9月11日に発売された『京都ぎらい』です。
本書は、歴史と伝統を誇る京都を、京都育ちの著者自身が「きらい」と表現する刺激的なタイトルで話題になりました。
ただし、単純な京都批判の本ではありません。京都という都市の内部に存在する地域意識、洛中と洛外の関係、伝統をめぐる誇りや優越感などを題材に、地域文化の複雑さを描いています。
京都という都市は、外部からは一つのまとまった観光・文化ブランドとして認識されがちです。しかし、実際の地域社会には、土地に根ざした細かな区分や意識の違いがあります。
井上氏は京都出身者としての経験を踏まえ、そうした内側の文化をユーモアと批評性を交えて表現しました。
朝日新聞出版の公式書籍情報によると、『京都ぎらい』は新書大賞2016で第1位を獲得しています。単なる話題性だけでなく、新書としての評価も得た作品です。
代表的な著書一覧国際日本文化研究センターの公式プロフィールに掲載された主要業績を中心に、代表的な単著を整理します。
| 刊行年 | 著書 | 主なテーマ |
|---|---|---|
| 2026年 | 日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか | 住居・履物・生活習慣の歴史 |
| 2025年 | 関西人の正体〈増補版〉 | 関西文化・地域意識 |
| 2024年 | ヤマトタケルの日本史 | 英雄像と歴史的イメージ |
| 2023年 | 海の向こうでニッポンは | 海外から見た日本文化 |
| 2022年 | ふんどしニッポン | 下着と身体文化の風俗史 |
| 2021年 | 南蛮幻想(上・下) | ユリシーズ伝説と安土城 |
| 2020年 | 京都まみれ | 京都の地域文化 |
| 2018年 | パンツが見える。 | 羞恥心と服装の歴史 |
| 2017年 | 美人論 | 美人の基準と文化 |
| 2017年 | 京都ぎらい 官能篇 | 京都文化と身体・性 |
| 2015年 | 京都ぎらい | 京都の地域意識と文化 |
| 2013年 | 伊勢神宮と日本美 | 日本建築と美意識 |
| 2011年 | 京都洋館ウォッチング | 近代建築と京都 |
| 2009年 | 伊勢神宮―魅惑の日本建築 | 神社建築と日本文化 |
| 2002年 | パンツが見える。―羞恥心の現代史― | 衣服と社会意識 |
| 1998年 | 南蛮幻想 | 南蛮文化と日本の歴史 |
| 1986年 | つくられた桂離宮神話 | 桂離宮の評価と近代建築思想 |
| 1984年 | 霊柩車の誕生 | 葬送文化と近代日本 |
このほかにも、『愛の空間』『伊勢神宮と日本美』『日本に古代はあったのか』『阪神タイガースの正体』『京女の嘘』など、さまざまな著作があります。
共著・編著では『歴史のミカタ』『世界史のミカタ』『ヌードの東アジア』なども刊行しています。
著書一覧から読み取れるのは、建築史から風俗史へ、さらに地域文化や日本人の身体感覚へと、研究対象が広がっていることです。題材は多彩ですが、日常のなかに潜む歴史的な意味を発見するという基本姿勢は変わっていません。
【2026年最新】国際日本文化研究センター所長に再任!現在の活動と新著
2026年の井上章一氏を語るうえで重要なのが、国際日本文化研究センター所長への再任です。
2025年11月28日に所長再任が正式決定国際日本文化研究センターは2025年11月28日、所長の選出について公式発表を行いました。
それまで所長を務めていた井上氏の任期が2026年3月31日に満了することに伴い、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構で選考が行われ、井上氏の再任が決定しました。
新しい任期は2026年4月1日から2028年3月31日までの2年間です。
2026年4月1日現在の同センター公式組織情報にも、井上氏が所長として掲載されています。
したがって、2026年11月現在も、井上氏は国際日本文化研究センターの所長を務めている人物です。
国際日本文化研究センターとはどんな機関か国際日本文化研究センターは、通称「日文研」と呼ばれる、日本文化を国際的・学際的に研究する機関です。
日本の歴史や文化を、国内だけの視点ではなく、海外との比較や異なる学問分野との連携を通じて考察することを目的としています。
井上氏の研究領域は、建築史、風俗史、近代日本文化史など多岐にわたります。こうした専門性は、日本文化を複数の角度から考察する日文研の研究環境とも接点があります。
所長という立場は、個人の研究成果を発表するだけでなく、研究機関全体の運営や研究活動の方向性にも関わる役割です。
2026年7月23日、新著『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』を刊行2026年のもう一つの大きな動きが、新潮選書から刊行された『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか―土足禁止の精神史―』です。
発売日は2026年7月23日。新潮社の公式書誌情報によると、256ページ、税込1,815円の書籍です。
この本の出発点は、ブラジルの病院で井上氏が経験した出来事です。ベッドに横たわる際に靴を脱ごうとしたところ、現地の医師から注意を受けたという異文化体験が、研究のきっかけになっています。
日本では、家に入るときに靴を脱ぐことが当たり前になっています。しかし、海外では必ずしも同じ習慣が共有されているわけではありません。
本書では、南蛮屏風、江戸・明治期の絵画、昭和の生活写真などを手がかりに、室内で靴を脱ぐという習慣の歴史的・文化的背景を考察しています。
目次には、住まいの近代、スリッパの使い道、ロシアや英米との関係、占領期の床と靴、鉄道史など、生活習慣を多角的に捉えるテーマが並びます。
注目すべきなのは、玄関で靴を脱ぐという日常的な行為を、単なるマナーや清潔感の問題として片づけていないことです。そこには、日本と西洋の住居観、身体感覚、生活文化の違いが関係しています。
この新著は、1986年の桂離宮研究から2026年の生活習慣研究まで、井上氏の問題意識がどのようにつながっているのかを知るうえでも興味深い一冊です。
【井上章一の著作を読む価値】常識を疑う研究手法と独自の魅力
井上章一氏の著作には、建築、京都、下着、靴、身体、美人など、一見すると統一感のないテーマが並んでいます。
しかし、その根底には、社会のなかで当然視されている価値観が、実際にはどのような歴史的背景によって成立したのかを問い直す姿勢があります。
「昔からそうだった」という説明を疑う例えば、日本の伝統的な建築美について考えるとき、多くの人は昔から変わらず評価されてきたものだと考えがちです。
しかし、建築物に対する評価は、時代や社会の状況によって変化します。ある時代に高く評価されたものが、別の時代には違う意味を持つこともあります。
『つくられた桂離宮神話』は、まさにそうした評価の形成過程を取り上げた作品です。
ここでいう「つくられた」とは、桂離宮そのものが架空の存在だったという意味ではありません。桂離宮を日本建築の理想として位置づける文化的なイメージが、近代の思想や言説のなかで形成されてきたという問題提起です。
京都を内部から批評する視点『京都ぎらい』も同じ発想で読むことができます。
京都は、歴史や伝統、観光資源によって国内外から高い評価を受ける都市です。しかし、その外側からのイメージだけでは、地域内部の複雑な人間関係や文化意識までは見えてきません。
井上氏は京都出身という立場から、京都の人々の意識や地域間の微妙な違いを取り上げています。
そのため、本書は京都観光のガイドというより、地域社会を理解するための文化論として読むと、内容がより深く伝わります。
日常生活を歴史研究の入り口にする『ふんどしニッポン』や『パンツが見える。』なども、井上氏の研究姿勢を理解するうえで重要な著作です。
衣服や下着は、普段の生活では意識されにくいものです。しかし、何を着るか、何を隠すか、何を恥ずかしいと感じるかという判断には、社会の規範や時代の価値観が反映されています。
同様に、靴を脱ぐかどうかという習慣にも、住居のあり方や身体感覚、文化的な違いが表れます。
つまり井上氏の研究は、壮大な歴史的事件だけを追うのではなく、身近な生活のなかに歴史を見つけ出す方法だと理解できます。
どの著作から読むべきか初めて井上氏の著作に触れる場合は、関心のあるテーマから選ぶと読み進めやすくなります。
- 京都の文化や地域意識に関心がある人:『京都ぎらい』
- 日本建築や文化的評価に関心がある人:『つくられた桂離宮神話』
- 生活習慣や日本人の文化意識に関心がある人:『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』
- 身体や服装の歴史に関心がある人:『ふんどしニッポン』『パンツが見える。』
- 日本の歴史や海外との文化交流に関心がある人:『南蛮幻想』
一方、厳密な建築設計の技術書や、建築構造の専門的な教科書を探している読者には、著作の性格が異なる場合があります。井上氏の魅力は、技術的な解説そのものよりも、建築や生活文化を歴史・社会・思想の関係から読み解く点にあります。
【よくある誤解を検証】井上章一の専門・現在・代表作について
井上章一氏について調べる際には、研究者としての専門分野、著作家としての活動、日文研所長としての役割を区別すると、人物像を正しく理解できます。
誤解1:建築史だけを専門とする研究者なのか井上氏は京都大学工学部建築学科の出身で、建築史・意匠論を専門領域の一つとしています。しかし、日文研の公式プロフィールで掲げられている専門分野は風俗史です。
現在の研究活動は、建築史だけに限定されず、生活習慣や身体文化、地域文化、近代日本文化史などに広がっています。
誤解2:『京都ぎらい』は京都を全面的に否定する本なのかタイトルには強い言葉が使われていますが、内容は単純な京都否定ではありません。
京都という都市の内部に存在する地域意識や文化的な序列、地元の人々の価値観を批評的に捉えた作品です。京都をよく知る人だからこそ描ける視点が、読者の関心を集めました。
誤解3:2026年現在も所長を務めているのかはい。2025年11月28日に再任が発表され、2026年4月1日から新しい任期が始まっています。2026年4月1日現在の国際日本文化研究センターの組織情報にも、所長として井上氏の名前が掲載されています。
誤解4:2026年の新刊は建築専門書なのか『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』は、建築の設計や構造を解説する専門書ではありません。住居、履物、生活習慣、異文化交流を歴史的に考察する文化史・風俗史の著作です。
このように、井上氏の研究を理解する際には、学歴だけで専門領域を限定せず、公式プロフィールに掲載された研究テーマや実際の著作を合わせて見ることが大切です。
【井上章一の経歴・現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:井上章一はどこの大学を卒業していますか?
A1:京都大学工学部建築学科を1978年3月に卒業しています。その後、1980年3月に京都大学大学院工学研究科建築学専攻の修士課程を修了しました。
Q2:井上章一の専門分野は何ですか?
A2:国際日本文化研究センターの公式プロフィールでは風俗史が専門分野として掲載されています。建築史・意匠論のほか、近代日本文化史、美人論、関西文化論なども研究・執筆の対象です。
Q3:井上章一は2026年現在、何をしていますか?
A3:2026年現在、国際日本文化研究センター所長を務めています。2025年11月に再任が発表され、2026年4月1日から2028年3月31日までの2年間が新たな任期です。
Q4:井上章一の代表作は何ですか?
A4:『つくられた桂離宮神話』『京都ぎらい』などが代表作です。『つくられた桂離宮神話』では1986年にサントリー学芸賞を受賞し、『京都ぎらい』は新書大賞2016で第1位を獲得しました。
Q5:井上章一の2026年の新刊は何ですか?
A5:2026年7月23日に新潮選書から刊行された『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか―土足禁止の精神史―』です。日本人の室内で靴を脱ぐ習慣について、絵画や生活写真、歴史資料などを通じて考察しています。
Q6:井上章一の著書はどれから読むのがおすすめですか?
A6:初めて読むなら『京都ぎらい』がおすすめです。建築史に関心があるなら『つくられた桂離宮神話』、生活文化や風俗史に興味があるなら2026年刊行の『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』が適しています。
井上章一氏は、京都大学で建築学を修めた経歴を持ち、建築史・意匠論から風俗史、近代日本文化史へと研究領域を広げてきた研究者です。
1986年の『つくられた桂離宮神話』では、日本建築をめぐる文化的評価の形成過程を問い直し、2015年の『京都ぎらい』では、京都という都市の内部にある地域意識や文化的な関係を描きました。
その著作に共通しているのは、私たちが当然だと思っていることを、歴史的な視点からもう一度考え直す姿勢です。建築の美しさ、地域への誇り、服装や身体に対する意識、家のなかで靴を脱ぐ習慣。どれも身近な題材ですが、その背景には社会の変化や文化的な価値観が存在しています。
2026年には国際日本文化研究センター所長への再任が正式に始まり、7月には新著『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』も刊行されました。研究機関の運営に携わりながら、一般読者に向けた著作活動も続けていることが、現在の井上氏の大きな特徴です。
今後の著作や研究活動を追う際には、単に新しいテーマだけを見るのではなく、建築・風俗・地域文化を横断する一貫した問題意識に注目すると、井上章一という研究者の魅力がより深く理解できます。
代表作から読み始めるなら『京都ぎらい』、研究者としての原点を知るなら『つくられた桂離宮神話』、2026年の最新の関心を知るなら『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』。この3冊が、井上章一の研究と思想を理解するための重要な入口になります。
主な事実確認資料- 国際日本文化研究センター「井上章一」研究者プロフィール・主要業績
- 国際日本文化研究センター「所長の選出について」(2025年11月28日)
- 国際日本文化研究センター「運営組織」(2026年4月1日現在)
- 新潮社『日本人はなぜ家で靴を脱ぐのか』書誌情報(2026年7月23日発売)
- 朝日新聞出版『京都ぎらい』書籍情報
- サントリー文化財団「サントリー学芸賞」1986年受賞者・選評
※人物の基本情報については、俳優・声優の井上純一氏とは区別し、京都大学出身の研究者・井上章一氏の公式プロフィールを基準に整理しています。