Jung Hoo Lee / 背番号51
- 生年月日:1998年8月20日
- 年齢:28歳(2026年11月現在)
- 身長・体重:約183cm・88kg
- 投打:右投左打
- 所属:サンフランシスコ・ジャイアンツ
- 守備位置:外野手(主に右翼手)
- MLBデビュー:2024年3月28日
イ・ジョンフは、韓国野球界で圧倒的な打撃実績を残してからメジャーリーグへ進出した選手です。韓国プロ野球のキウム・ヒーローズで7シーズンを過ごし、2023年オフにポスティングシステムを利用してMLB移籍を実現しました。
なお、出生地については少し意外な事実があります。イ・ジョンフは韓国の選手ですが、出生地は日本の名古屋です。当時、父親の李鍾範が中日ドラゴンズでプレーしていたことが背景にあります。韓国人選手であることと、出生地が日本であることは矛盾しません。
名前の表記は「イ・ジョンフ」「李政厚」のどちら?韓国語の名前は이정후で、日本語では「イ・ジョンフ」と表記されます。漢字表記は「李政厚」です。
英語圏のMLB公式サイトではJung Hoo Leeと表記されます。日本語の検索では、次のような表記が使われています。
- イ・ジョンフ
- 李政厚
- イジョンフ
- いじょんふ
- Jung Hoo Lee
いずれも同じ選手を指しています。
【韓国時代の成績】キウム・ヒーローズで首位打者とMVPを獲得

イ・ジョンフの評価を理解するうえで欠かせないのが、韓国プロ野球(KBO)での実績です。
2017年にネクセン・ヒーローズ(現在のキウム・ヒーローズ)でプロデビューすると、新人ながら打率.324を記録。新人王を受賞し、早い段階からリーグを代表する若手打者として注目を集めました。
その後も安定した打撃成績を残し、2021年には打率.360で首位打者を獲得。2022年にはさらに成績を伸ばし、KBOのシーズンMVPに選ばれています。
2022年のMVP獲得は何がすごかったのか2022年の成績は、次のとおりです。
- 出場試合:142試合
- 打率:.349
- 安打:193本
- 本塁打:23本
- 打点:113
- 出塁率:.421
- 長打率:.575
- OPS:.996
特に注目したいのは、打率だけでなく出塁率と長打率でもリーグトップクラスの成績を残した点です。
もともとコンタクト能力の高さが特徴でしたが、この年は23本塁打、113打点と長打力・得点生産力も証明しました。
MLB公式の選手紹介でも、2022年のMVPシーズンはキャリア最高の本塁打数と打点を記録した年として紹介されています。
イ・ジョンフの韓国時代からMLBまでの年表| 年 | 所属・出来事 | 主な実績 |
|---|---|---|
| 2017年 | ネクセン・ヒーローズ | プロデビュー、新人王 |
| 2018年 | ネクセン・ヒーローズ | 打率.355、ゴールデングラブ賞 |
| 2019年 | キウム・ヒーローズ | 打率.336 |
| 2020年 | キウム・ヒーローズ | 打率.333、15本塁打 |
| 2021年 | キウム・ヒーローズ | 打率.360で首位打者 |
| 2022年 | キウム・ヒーローズ | 打率.349、23本塁打、113打点、MVP |
| 2023年 | キウム・ヒーローズ | 86試合出場後、左足首を負傷 |
| 2023年12月 | ジャイアンツと契約 | 6年総額1億1300万ドル |
| 2024年 | MLBデビュー | 左肩の負傷でシーズン途中離脱 |
| 2025年 | ジャイアンツ | 150試合出場 |
| 2026年 | ジャイアンツ | 143試合、打率.276、10本塁打 |
KBO公式記録によると、韓国時代の通算成績は884試合、1181安打、65本塁打、515打点、打率.340です。
また、2018年から2022年まで5年連続でゴールデングラブ賞を受賞しています。これは単年だけの活躍ではなく、長期間にわたってリーグ上位の打撃を維持したことを示す実績です。
【MLB移籍の経緯】ジャイアンツとの6年契約と年俸・契約金
イ・ジョンフのMLB移籍が正式に発表されたのは、2023年12月15日です。
移籍先はサンフランシスコ・ジャイアンツ。契約は6年総額1億1300万ドル(当時の為替レートで約160億円規模)という大型契約でした。
この契約は、韓国プロ野球からポスティング制度を利用してMLBに移籍する韓国人選手として、当時の最高額でした。
6年総額1億1300万ドルの契約内容ジャイアンツが発表した契約条件は次のとおりです。
| 項目 | 契約内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 2024~2029年 |
| 総額 | 1億1300万ドル |
| 契約ボーナス | 500万ドル |
| 2024年年俸 | 700万ドル |
| 2025年年俸 | 1600万ドル |
| 2026年年俸 | 2200万ドル |
| 2027年年俸 | 2200万ドル |
| 2028年年俸 | 2050万ドル |
| 2029年年俸 | 2050万ドル |
| オプトアウト | 2027年シーズン終了後 |
2026年の基本年俸は2200万ドルです。
ここで注意したいのが、契約総額と契約金の違いです。1億1300万ドルは6年間の契約総額であり、500万ドルは別途発表された契約ボーナスです。
加えて、ジャイアンツはキウム・ヒーローズに対してポスティング費用として約1882万5000ドルを支払うことになりました。この金額は選手本人の年俸ではありません。
なぜジャイアンツは大型契約を提示したのか最大の理由は、韓国時代に証明した打撃技術です。
イ・ジョンフは、三振を抑えながら安打を積み重ねる能力を持っていました。KBO通算の四球は383、三振は304。出塁率も.407と非常に高い数字を残しています。
MLB移籍時には、長打力だけを武器とする選手ではなく、出塁能力やコンタクト能力を生かして打線を活性化できる外野手として期待されました。
また、韓国国内での知名度と人気も、球団にとって魅力的な要素でした。ジャイアンツが韓国市場でのファン層拡大を期待できる選手だったことも、大型投資を理解する材料になります。
【怪我と復帰の経緯】2024年の左肩手術から2026年の現在まで
イ・ジョンフのMLBキャリアを振り返ると、避けて通れないのがけがの問題です。
特に2024年の左肩の負傷は、メジャー1年目のシーズンを大きく変える出来事になりました。
2023年:韓国時代に左足首を負傷MLB移籍前の2023年7月22日、ロッテ・ジャイアンツとの試合で左足首を負傷しました。
診断後、7月27日に手術を受け、シーズン終了となりました。
この年は86試合の出場にとどまりましたが、打率.318、出塁率.407という数字を残しています。負傷前までの打撃成績は高水準でした。
2024年:外野フェンスへの衝突で左肩を負傷MLBデビュー後の2024年5月12日、シンシナティ・レッズとの試合で外野守備中にフェンスへ衝突し、左肩を脱臼しました。
その後、左肩関節唇の損傷が判明。ジャイアンツはシーズン終了となる手術を発表しました。
この年の出場はわずか37試合で、成績は次のとおりです。
- 打率:.262
- 安打:38本
- 本塁打:2本
- 打点:8
- OPS:.641
MLB公式によると、手術後のリハビリには約6か月が想定されていました。また、2018年にも韓国で同じ左肩の手術を受けていたことが報じられています。
2025年:150試合に出場して本格復帰2025年は150試合に出場し、レギュラーとしての稼働を取り戻しました。
| 指標 | 2025年 |
|---|---|
| 出場試合 | 150 |
| 打率 | .266 |
| 安打 | 149 |
| 本塁打 | 8 |
| 打点 | 55 |
| 盗塁 | 10 |
| OPS | .734 |
打率は韓国時代の水準には届かなかったものの、長期離脱から復帰し、年間を通じて出場できたことは大きな前進でした。
2026年:背中の張りと右足付け根の打撲2026年も負傷による離脱がありました。
5月には中背部の張りで10日間の負傷者リスト(IL)に入り、5月29日に復帰しました。
さらに9月21日には、自打球が股間部分に当たったことによる打撲でIL入り。残りのレギュラーシーズンへの出場を終えました。
それでも143試合に出場できたことから、2024年のような長期離脱とは異なるシーズンでした。
2026年11月現在の要点は、肩の大けがから復帰して複数シーズンにわたり出場を続けている一方、背中や下半身のコンディション管理も引き続き課題になっていることです。
【2026年最新成績と選手評価】打率・本塁打・打点から実力を分析
2026年のイ・ジョンフは、打率と本塁打、打点で自己最高の数字を記録しました。
MLB公式が10月24日に掲載したシーズン総括でも、2026年は打率、本塁打、打点、盗塁でキャリアハイを更新したシーズンとして評価されています。
2026年の打撃成績一覧
2026年レギュラーシーズン・サンフランシスコ・ジャイアンツ.276
打率10
本塁打57
打点143
出場試合149
安打12
盗塁
.320
出塁率
.404
長打率
.724
OPS
出典:MLB公式選手記録・Baseball Savantの2026年レギュラーシーズン集計。
2025年と比較すると、打率は.266から.276へ上昇。本塁打は8本から10本、打点は55から57へ増えています。
一方、OPSは.734から.724に低下しました。
つまり、安打数や本塁打数などの目立つ数字は伸びたものの、打撃全体の効率がすべて改善したわけではありません。
前半戦と後半戦で見えた課題2026年の成績を詳しく見ると、シーズンを通じて一定の打撃を維持できなかった点が浮かび上がります。
| 期間 | 打率 | OPS |
|---|---|---|
| 前半戦(88試合) | .302 | .762 |
| 後半戦(55試合) | .236 | .663 |
| シーズン全体 | .276 | .724 |
前半戦は打率.302と好調でしたが、後半戦は.236まで低下しました。
MLB公式のシーズン総括でも、この後半戦の失速が課題として取り上げられています。本人もシーズンを振り返り、浮き沈みの大きい一年だったという趣旨のコメントを残しています。
この数字から見えてくるのは、イ・ジョンフに打撃能力がないということではありません。むしろ、好調時の高いコンタクト能力をシーズン終盤まで維持できるかが、次の成長段階に向けた重要なテーマです。
守備ポジションはセンターからライトへイ・ジョンフは韓国時代、外野の3ポジションを経験していました。2021~2023年には中堅手としての出場が中心でした。
MLBでも当初は中堅手として起用されましたが、2026年は右翼手としての出場が中心です。
2026年の守備記録では、右翼で129試合、中堅で17試合の出場が記録されています。守備率は右翼で.987でした。
守備評価では、守備率だけでなく、打球への反応、守備範囲、送球、ポジション補正なども見る必要があります。
したがって、守備率が高いことだけを理由にMLBトップクラスの守備力と断定するのは適切ではありません。
【父は李鍾範】韓国のイチローと呼ばれる理由とは?
イ・ジョンフの父親は、韓国プロ野球を代表する元選手のです。
李鍾範は1993年にKBOのヘテ・タイガース(現KIAタイガース)でデビューし、1998年には日本の中日ドラゴンズでもプレーしました。
俊足と攻守にわたる能力で知られ、「風の息子」という愛称でも親しまれた選手です。
イ・ジョンフは、幼いころから偉大な父親と比較される環境で野球を続けてきました。
韓国のKorea JoongAng Dailyによる2018年の発言紹介では、父の息子としてではなく、自分自身の名前で認められたいという思いを抱いていたことが伝えられています。
その後、韓国プロ野球でMVPを獲得し、MLBでも活躍することで、父親の知名度に依存しない独自の評価を確立してきました。
「韓国のイチロー」と呼ばれる理由イ・ジョンフを説明するときによく使われる表現が「韓国のイチロー」です。
この比較には、いくつかの共通点があります。
- 三振を抑える高いコンタクト能力
- ボールを広角に打ち分ける技術
- 打率と出塁率を重視する打撃スタイル
- 安打を積み重ねて攻撃の起点になる能力
実際、MLB移籍前のKBO通算成績は打率.340、出塁率.407でした。
また、韓国時代の通算三振は304で、四球383を下回っています。
ただし、イチローと同じタイプの選手という意味ではありません。体格や打球速度、走塁能力、守備範囲、長打の傾向などには違いがあります。
この呼び名は、あくまでもコンタクト能力を中心としたプレースタイルを説明する比較表現です。
【プロの結論】イ・ジョンフを評価するなら何を見るべきかイ・ジョンフの価値を判断するとき、打率だけを見てしまうと実力を正しく理解できません。
注目したい判断基準は次の4つです。
1. 打率と出塁率: 安打を打つだけでなく、四球などで出塁できるか。
2. OPS: 単打だけでなく、長打も含めた攻撃力を確認できるか。
3. 年間を通じた安定性: 前半戦の好調を後半戦まで維持できるか。
4. 守備と稼働率: 外野の複数ポジションを守りながら、年間を通じて試合に出られるか。
2026年は打率.276、10本塁打、57打点と自己最高の数字を残しました。しかし、後半戦の打撃成績には改善の余地があります。
大型契約に見合う選手になれるかどうかは、単年の本塁打数よりも、打撃の安定性と守備を含めた総合的な貢献によって判断する必要があります。
【いじょんふに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:いじょんふとは誰ですか?
A1:韓国出身のプロ野球選手、イ・ジョンフ(李政厚)です。MLBのサンフランシスコ・ジャイアンツに所属する外野手で、背番号51。韓国プロ野球でMVPを獲得した実績があります。
Q2:イ・ジョンフの2026年の成績は?
A2:143試合に出場し、打率.276、10本塁打、57打点、149安打、12盗塁を記録しました。打率、本塁打、打点、盗塁はMLBでの自己最高記録です。
Q3:イ・ジョンフの父親は誰ですか?
A3:父親は元プロ野球選手の李鍾範(イ・ジョンボム)です。韓国のKBOと日本の中日ドラゴンズでプレーした名選手で、「風の息子」と呼ばれていました。
Q4:イ・ジョンフはなぜ2024年に長期離脱したのですか?
A4:2024年5月12日の試合で外野フェンスに衝突して左肩を脱臼し、左肩関節唇の損傷が判明したためです。手術を受けてシーズン終了となり、出場は37試合にとどまりました。
Q5:イ・ジョンフのMLB契約金と年俸はいくらですか?
A5:ジャイアンツとの契約は6年総額1億1300万ドルで、契約ボーナスは500万ドルです。2026年の基本年俸は2200万ドル。2027年シーズン終了後には契約を見直せるオプトアウト条項があります。
Q6:イ・ジョンフは2026年現在、どこの守備を担当していますか?
A6:外野手で、2026年は右翼手としての出場が中心でした。韓国時代から中堅、右翼、左翼の経験があります。
イ・ジョンフ(李政厚)は、韓国プロ野球で打率.340という通算成績を残し、2022年にはシーズンMVPを獲得した実力派外野手です。
2023年12月にジャイアンツと6年総額1億1300万ドルの契約を結び、MLBへ移籍。メジャー1年目の2024年には左肩の大けがでシーズンを早期終了しましたが、その後は復帰して2025年に150試合、2026年に143試合へ出場しました。
2026年の打率.276、10本塁打、57打点は自己最高の成績です。一方、後半戦の打率低下や守備面での評価など、さらなる改善が期待される部分も残っています。
MLB公式のシーズン総括では、球団側も成長を評価しつつ、今後の重要課題として安定性を挙げています。
今後の注目要点は3つです。
- 前半戦のような高い打率を年間を通して維持できるか。
- 本塁打と長打率をさらに伸ばし、攻撃面での存在感を高められるか。
- けがを予防し、外野のレギュラーとして安定した出場を続けられるか。
父・李鍾範の名声を超え、自分自身の実績で評価される選手へと成長してきたイ・ジョンフ。韓国球界で培った卓越したコンタクト能力をMLBでどこまで発揮できるかが、2027年以降のキャリアを左右する大きな見どころです。
主な情報源:MLB公式サイト、Baseball Savant、KBO公式記録、聯合ニュース、Korea JoongAng Daily。2026年11月2日時点。