2026年11月現在、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏は79歳。2012年12月に政界を引退してからも、政治や外交の世界から完全に身を引いたわけではありません。現在は、一般財団法人東アジア共同体研究所の理事長、公益財団法人友愛の代表理事として、東アジアの平和構築、日中交流、友愛理念の普及などに取り組んでいます。
とくに2026年9月の中国・北京で開催された香山フォーラムでは、高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言について持論を展開し、改めて注目を集めました。2026年の公式機関紙や研究所の活動記録からは、政界引退後も続く国際交流と、日中関係に対する一貫した姿勢が見えてきます。妻・幸さんの近況や首相退任後の歩みも含め、現在の姿を整理します。
【2026年最新】鳩山由紀夫の現在は?二つの団体で続ける活動

鳩山由紀夫氏は1947年2月11日生まれ。2026年11月現在79歳です。第93代内閣総理大臣を務めた人物ですが、現在は国会議員でも政党の代表でもありません。
現在の活動の中心となっているのは、東アジア共同体研究所と公益財団法人友愛です。両団体は名称こそ似た理念を持っていますが、役割は異なります。
一般財団法人東アジア共同体研究所の理事長2013年3月15日、鳩山氏は東アジアの平和構築と地域協力の研究を進めるため、一般財団法人東アジア共同体研究所を設立しました。
同研究所の理事長を務め、近隣諸国との対話や安全保障、経済、文化交流などをテーマに活動しています。
2026年11月3日時点の公式サイトには、11月2日付の安全保障に関する論考や、10月31日付の鳩山友紀夫理事長と新外交イニシアティブ代表・猿田佐世弁護士の対談企画が掲載されています。
また、研究所が運営するUIチャンネルでは、政策関係者や研究者との対談、国際情勢を扱う番組などを継続的に配信しています。政界を離れた現在も、政策や外交について意見を発信する場を持っているのです。
公益財団法人友愛の代表理事もう一つの重要な肩書きが、公益財団法人友愛の代表理事です。
友愛のルーツは、祖父の鳩山一郎氏が関わった1953年の友愛青年同志会にあります。その後、組織の形態や名称が変わり、2017年に一般財団法人友愛へ名称変更。2019年には公益財団法人として現在の形になりました。
この団体が掲げる中心理念は、「相互尊重・相互理解・相互扶助」です。
2026年1月10日発行の機関紙『友愛』598号では、新年の巻頭言に加え、若者の海外派遣や韓国の大学との交流、小論文コンテストなどについて紹介しています。
加えて、2026年5月10日発行の通巻600号記念特別号では、鳩山氏自身が「今こそ『友愛』の世界を」と題した文章を寄稿しました。創刊から73年を迎えた機関紙の節目に、友愛理念を次世代へ伝える意欲を示しています。
このように、現在の鳩山氏は政治家として政策を実行する立場ではなく、研究・交流・言論活動を通じて自らの理念を広める立場にあります。
【政界引退から14年】鳩山由紀夫の首相退任後の歩みと経歴
鳩山氏の現在を理解するには、首相退任と政界引退を分けて考える必要があります。
2010年6月に首相を辞任した後も、すぐに政治活動を終えたわけではありません。衆議院議員として活動を続けた後、2012年12月の衆議院議員総選挙には出馬せず、政界引退を表明しました。
首相官邸の歴代内閣資料によると、鳩山氏は2009年9月16日に第93代内閣総理大臣に就任し、2010年6月8日に辞職しています。在職期間は266日でした。
その後の歩みを、本人の公式プロフィールや鳩山会館の経歴資料、各団体の公開情報から整理すると、次のようになります。
| 時期 | 人物・組織との関係、主な出来事 | 現在につながる意味 |
|---|---|---|
| 1947年2月 | 東京都生まれ | 2026年11月現在79歳 |
| 1986年 | 衆議院議員に初当選 | 本格的な政治家としての出発点 |
| 1996年 | 弟・邦夫氏らと旧民主党を結党 | 民主党の結成に関わる |
| 2009年9月16日 | 第93代内閣総理大臣に就任 | 民主党への政権交代を象徴する存在に |
| 2010年6月8日 | 内閣総理大臣を辞職 | 在職期間266日で退任 |
| 2012年12月 | 衆院選に出馬せず政界引退 | 国会議員としての活動を終了 |
| 2013年3月15日 | 東アジア共同体研究所を設立、理事長に就任 | 外交・国際交流活動を本格化 |
| 2013年6月 | 日本友愛協会の理事長に就任 | 現在の公益財団法人友愛につながる活動 |
| 2026年1月・5月 | 友愛の機関紙598号・600号に巻頭言などを掲載 | 友愛理念の普及と国際交流を継続 |
| 2026年9月 | 北京の香山フォーラムに出席 | 台湾問題と日中関係について発言 |
鳩山内閣の退陣を語るうえで避けられないのが、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題です。
鳩山氏は2009年の衆議院議員総選挙で、普天間飛行場の県外移設を追求する姿勢を示しました。しかし、日米間の調整や沖縄県内の基地問題などが重なり、最終的には当初の県外移設方針を実現できませんでした。
この問題をめぐって政権運営への批判が強まり、2010年6月4日に内閣総辞職を決定。6月8日に正式に首相を辞職しました。
当時の経緯は、鳩山氏の政治家としての評価を考える際にも重要です。理想を掲げる政治姿勢と、外交・安全保障上の現実的な制約との間に生じた隔たりが、短期間での退陣につながりました。
【東アジア共同体構想】鳩山由紀夫が政界引退後も追い続ける理念
鳩山氏の政治家時代から現在まで、一貫しているテーマが「東アジア共同体構想」です。
この構想は、アジアの国々が経済や文化、教育、安全保障などの幅広い分野で協力し、地域全体の安定と繁栄を目指す考え方です。
2009年の首相時代から掲げていた構想2009年11月15日、鳩山首相はシンガポールで「アジアへの新しいコミットメント―東アジア共同体構想の実現に向けて―」と題する政策演説を行いました。
当時の政府演説では、東アジア共同体を実現するため、特定の国だけに閉じた枠組みではなく、開かれた地域協力を進める考え方が示されています。
具体的な協力分野として挙げられたのは、次のような領域です。
- 経済:貿易や投資、経済連携の促進。
- 金融:地域経済の安定と金融面での協力。
- 教育:大学間交流や学生の往来、単位互換の拡大。
- 文化:国境を越えた人的交流と相互理解。
- 安全保障:対話と協力による地域の平和構築。
つまり、単純にアジア版EUをつくるという発想ではありません。各国の違いを認めながら、実務的な協力関係を積み重ねる構想です。
東アジア共同体研究所が担う役割2013年に設立された東アジア共同体研究所は、こうした構想を政治の場から民間の研究・交流活動へと移すための拠点です。
同研究所の公式情報では、東アジア文化都市構想やキャンパス・アジア構想、エネルギー協力など、複数の分野で地域連携の可能性を扱っています。
特に注目したいのが、若者や研究者を通じた交流です。政治指導者同士の関係が悪化しても、大学や文化団体、民間組織の交流が続けば、相互理解を維持する接点になります。
鳩山氏が政界引退後もこの構想を手放さない背景には、国家間の外交だけでは解決できない問題を、民間の対話や人的交流で補いたいという考えがあります。
【中国との関係】鳩山由紀夫の日中関係への姿勢と台湾有事発言
鳩山氏の現在の活動をめぐって、特に議論を呼んでいるのが中国との関係です。
首相時代からアジア外交を重視してきた鳩山氏は、退任後も中国との交流や対話を続けています。その一方、台湾問題をめぐる発言は、日本国内で賛否が分かれるテーマになっています。
台湾問題について中国側の立場を重視2025年4月30日、Record Chinaが紹介した中国英字紙チャイナデイリーのインタビューで、鳩山氏は台湾問題について自身の考えを説明しました。
その内容は、1972年の日中共同声明に基づく日本の立場を尊重し、中国政府が示す台湾に関する立場を理解・尊重するべきだというものです。また、日中間で結ばれた外交文書を守ることが、関係改善につながるとの考えも示しました。
鳩山氏は、日中関係の改善に向けて、外交文書の内容を尊重し、対話を続けることを重視しています。
2026年1月の機関紙にも表れた中国との交流への懸念2026年1月10日発行の公益財団法人友愛の機関紙598号では、鳩山氏が中国の大学との国際交流事業について言及しています。
同氏によれば、中国の大学で日本語を学ぶ学生を対象に「自分にとって友愛とは何か」をテーマにした小論文コンテストを企画していたものの、台湾問題をめぐる日本側の発言の影響で、中国側から待ったがかかり、実施が難しくなったといいます。
この記述からは、日中間の政治的緊張が、政府間外交だけでなく、大学や民間団体の交流にも影響を及ぼしているという鳩山氏の問題意識が読み取れます。
日本政府の公式見解と鳩山氏個人の主張は区別が必要ここで押さえておきたいのが、台湾問題に関する日本政府の公式見解です。
1972年9月29日の日中共同声明では、中国政府が台湾を中華人民共和国の不可分の領土の一部とする立場を表明し、日本政府はその立場を十分理解し、尊重すると記されています。
一方、外務省は台湾との関係を非政府間の実務関係として維持し、台湾をめぐる問題については両岸の当事者間の直接の話し合いによる平和的解決を希望する立場も説明しています。
2024年10月の岩屋外務大臣会見でも、政府の基本的立場は1972年の日中共同声明に基づくものであり、台湾海峡の平和と安定は国際社会にとって重要だと説明されました。
したがって、鳩山氏が主張する「台湾問題は中国の内政問題として扱うべき」という考えと、現在の日本政府が外交上説明している立場を、完全に同じものとして扱うのは適切ではありません。
鳩山氏は元首相ですが、現在の政府を代表する立場ではありません。発言を理解する際には、元首相個人の外交観と、日本政府の公式な外交方針を分けて見る必要があります。
【香山フォーラム2026】鳩山由紀夫の発言と高市首相への批判を検証
2026年の鳩山氏の活動で、特に大きな注目を集めた出来事が9月の香山フォーラムへの出席です。
香山フォーラムは、中国・北京で開催される安全保障に関する国際会議です。2026年9月15日から17日にかけて開催された第13回フォーラムには、世界各国・地域や国際組織から関係者が参加しました。
テレビ朝日系のABEMA NEWSも9月16日、鳩山元首相が同フォーラムで高市早苗首相の台湾をめぐる発言を批判したと報じています。
高市首相の台湾有事発言を撤回するよう要求鳩山氏が問題視したのは、2025年11月の国会で高市首相が台湾有事と日本の存立危機事態について答弁したことです。
この答弁をめぐっては、台湾海峡で武力行使を伴う事態が発生した場合、日本の安全保障法制上の対応がどうなるのかという問題が議論になりました。
2026年9月の香山フォーラムで、鳩山氏は高市首相の発言について、これまでの日本政府の公式見解と異なるとの認識を示しました。
「高市総理は台湾問題に関する発言を撤回するか、あるいは他の方法で日本が“一つの中国”政策を尊重していることを示すべきです」
これはテレビ朝日系ABEMA NEWSが伝えた発言です。
鳩山氏は、中国側の懸念を理解する姿勢を示し、1972年の日中共同声明を踏まえた対応を求めました。また、東アジア共同体の実現に向け、中国、日本、韓国、東南アジア諸国などが継続的に対話できる仕組みの必要性も訴えたと報じられています。
香山フォーラムでの発言が議論を呼ぶ理由今回の発言が注目される理由は、単なる元首相の外交評論にとどまらないからです。
鳩山氏は実際に日本の首相として日中外交に関わった経験を持ち、その後も研究所の理事長として国際交流に取り組んできました。そうした経歴を背景に、中国主催の国際会議で日本の現職首相の発言を批判したため、国内外で政治的な意味を持つ発言として報じられました。
一方で、台湾海峡の平和と安定は日本の安全保障にも直結する問題です。中国との対話を重視することと、台湾海峡での軍事的緊張に備えることは、必ずしも二者択一ではありません。
鳩山氏の主張を評価する場合も、対話による緊張緩和という外交上の提案と、台湾問題に対する中国側の主張をどこまで受け入れるのかという政策上の論点を分けることが大切です。
元首相という肩書きがあるからといって、現在の日本政府の外交方針を代弁しているわけではありません。香山フォーラムでの発言は、あくまで現在の鳩山氏個人の政治・外交観として受け止める必要があります。
【妻・幸さんの現在】鳩山由紀夫との結婚生活と近年の活動
鳩山由紀夫氏の妻は、鳩山幸(はとやま・みゆき)さんです。
二人は1975年に結婚しました。鳩山氏の公式プロフィールによると、幸さんとは米国留学前に知人の紹介で知り合い、スタンフォード大学への留学を経て結婚に至っています。
元宝塚歌劇団の娘役で料理研究家としても活動幸さんは宝塚歌劇団出身で、47期生として星組の娘役を務めました。退団後は料理研究家やライフコーディネーター、テレビ出演などの活動でも知られています。
鳩山氏が首相に就任した2009年には、ファーストレディとして国内外の公務にも関わりました。
2024年9月には、経済界ウェブのインタビューに登場。鳩山会館で当時の思い出を振り返り、ファーストレディになっても自然体で過ごしていたことや、夫婦円満の秘訣などについて語っています。
2026年現在の夫婦の近況は?2026年11月現在、幸さんについては、由紀夫氏のように継続的な政策活動や団体の役職を示す新しい公式発表は確認しにくい状況です。
そのため、夫の国際交流や政治的発言を、そのまま幸さん自身の活動として扱うことはできません。
公に確認できる情報では、1975年から続く夫婦関係と、2024年のインタビューで紹介された近況が主な手掛かりです。幸さん自身の現在の生活については、公開されている情報の範囲で理解するのが適切です。
【プロの結論】鳩山由紀夫の現在を理解する3つの判断ポイント
2026年の活動を整理すると、鳩山氏の現在は、単に「政界を引退した元首相」という言葉だけでは説明できません。
むしろ、首相時代に掲げた東アジア共同体構想を、民間の研究・交流活動という形で継続している人物として見ると、現在の活動の全体像が理解しやすくなります。
1. 政界引退と政治的発信の終了は別鳩山氏は2012年に政界を引退しました。しかし、外交や安全保障について意見を発信することまでやめたわけではありません。
研究所の活動、機関紙への寄稿、国際会議への参加など、現在も公的な発信の場を持っています。
2. 友愛と東アジア共同体は現在も活動の中心2026年の友愛の機関紙600号や東アジア共同体研究所の最新活動を見ると、相互理解、若者の国際交流、地域の平和構築というテーマが継続しています。
これは、首相時代の構想を完全に過去のものとして扱っていないことを示す具体的な動きです。
3. 元首相の発言と日本政府の公式見解を区別する香山フォーラムでの台湾有事発言は、鳩山氏の現在の外交観を知る重要な材料です。しかし、元首相の意見がそのまま現政権の政策になるわけではありません。
日中関係や台湾問題を理解する際は、本人の発言、研究所や財団の公式発信、外務省の外交方針を照らし合わせることが、情報を正しく判断するための基本になります。
【鳩山由紀夫の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、鳩山由紀夫は何をしていますか?
A1:一般財団法人東アジア共同体研究所の理事長、公益財団法人友愛の代表理事を務めています。研究活動、政策対話、講演・国際交流、機関紙への寄稿などを続けています。
Q2:鳩山由紀夫が政界を引退したのはいつですか?
A2:2012年12月です。衆議院議員総選挙に出馬せず、政界引退を表明しました。なお、首相を辞職したのは2010年6月8日であり、政界引退とは別の出来事です。
Q3:2026年の香山フォーラムで何を発言しましたか?
A3:2026年9月の北京での香山フォーラムで、高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言を批判し、発言の撤回、または日本が一つの中国政策を尊重していることを明確に示すよう求めました。
Q4:鳩山由紀夫の妻・幸さんは現在どうしていますか?
A4:妻は鳩山幸さんです。1975年に結婚し、宝塚歌劇団出身で、料理研究家などとしても活動してきました。2024年9月には経済界ウェブのインタビューに登場しています。2026年の新たな活動については公表情報が限られています。
Q5:鳩山由紀夫の東アジア共同体構想とは何ですか?
A5:日本、中国、韓国、ASEAN諸国などが、経済・教育・文化・安全保障などの分野で協力し、東アジアの平和と繁栄を目指す構想です。2009年の首相時代に政策の柱として掲げられ、2013年設立の東アジア共同体研究所を通じて現在も関連活動が続いています。
2026年11月現在の鳩山由紀夫氏は、79歳。2012年の政界引退から14年が経過していますが、東アジア共同体研究所の理事長、公益財団法人友愛の代表理事として、外交・国際交流・友愛理念の普及に取り組んでいます。
2026年には機関紙『友愛』の通巻600号記念特別号を発行し、9月には中国・北京の香山フォーラムに出席。台湾問題や日中関係についても積極的に発言しました。
首相時代の普天間基地移設問題や短期間での退陣など、政治家としての評価にはさまざまな見方があります。一方、政界引退後も東アジアの対話と民間交流を重視する姿勢は、現在の活動にも引き継がれています。
今後の鳩山氏を見るうえで注目したいのは、日中関係の改善に向けた具体的な交流事業がどこまで進むのか、東アジア共同体構想が若い世代にどのように受け継がれるのかという点です。
元首相という過去の肩書きだけでなく、2026年の公式活動や発言を追うことで、鳩山由紀夫という政治家の現在と、政界引退後も続く挑戦が見えてきます。
編集上の重要な出典確認: 本文の主な根拠は、鳩山会館・本人公式プロフィール、東アジア共同体研究所、公益財団法人友愛の2026年機関紙、首相官邸、外務省、テレビ朝日系ABEMA NEWS、経済界ウェブの公開情報です。特に台湾問題では、本人の見解と日本政府の公式見解を区別しています。