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ワールドカップ交代枠は2026年も5人?回数・延長戦・脳振盪ルールを徹底解説

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 21 分
目次

2026年のFIFAワールドカップでも、試合中に選手を交代できる人数は、通常の交代で最大5人です。ただし、実際のルールは「5人まで」という単純な仕組みではありません。交代できる機会は原則3回に制限され、ハーフタイムの交代は別扱い。加えて、延長戦では6人目の交代が認められ、脳振盪が疑われる選手についても通常枠とは別の追加交代制度が設けられています。

2026年大会の競技規則第36条と、国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則第3条を照合すると、交代人数、交代回数、追加交代にはそれぞれ異なる条件があることが分かります。試合終盤の選手交代や監督の采配をより深く理解するために、2026年大会の最新ルールから歴代の変更経緯まで整理します。

【2026年最新】ワールドカップの交代枠は最大5人、交代機会は3回

ワールドカップ交代枠

2026年FIFAワールドカップの交代ルールは、通常の試合時間において1チーム最大5人、交代機会は最大3回です。この仕組みは、2022年カタール大会から引き継がれています。

根拠となるのは、FIFAが2026年5月に発行した「Regulations for the FIFA World Cup 26」の第36条です。第36条は試合に適用する競技規則を定めており、36.2項で通常の交代人数と交代機会を明確に規定しています。

具体的には、各チームが使用できる通常の交代人数は最大5人。交代の機会は最大3回で、ハーフタイムに行う交代はその3回に含まれません。

ここで注意したいのは、交代できる人数と交代できる機会は別の制限だという点です。

例えば、後半60分に2人、70分に1人、80分に2人を交代させた場合、合計5人を交代させていますが、交代機会は3回使用したことになります。

一度の試合停止中に複数の選手を同時に交代させても、交代機会は1回として数えられます。交代人数をまとめて使うことが、監督にとって重要な戦術上の選択肢になるわけです。

ベンチ入りできる人数と実際に交代できる人数は違う

もう一つ混同されやすいのが、ベンチ入りする控え選手の人数です。

2026年大会の規則第32条では、試合のスタートリストに控え選手を最大15人記載できます。一方、通常の試合時間に実際に投入できる選手は最大5人です。

つまり、ベンチに15人いるからといって、15人全員を試合に出せるわけではありません。

控え選手として登録できる人数と、試合中に交代できる人数は、別々のルールで管理されています。

【交代回数3回の仕組み】ハーフタイムの交代はどう数える?

ワールドカップの交代ルールで最も誤解されやすいのが、交代機会の数え方です。

「交代は5人までなのに、なぜ3回しか使えないのか」という疑問は、選手の人数と交代を実施するタイミングを分けて考えると理解できます。

複数選手を同時に交代させても1回としてカウント

IFABの競技規則第3条では、同じプレー停止中に同一チームが複数の選手を交代させた場合、それらをまとめて1回の交代機会として扱います。

例えば、後半に次のような交代を行ったとします。

  • 後半55分:2人を同時に交代
  • 後半70分:1人を交代
  • 後半85分:2人を同時に交代

この場合、交代した選手は合計5人ですが、交代機会は3回です。通常の交代枠と交代機会を、どちらも上限まで使い切った状態になります。

なお、両チームが同じプレー停止中に交代した場合は、それぞれのチームについて交代機会を1回消費します。相手チームが同時に交代したからといって、自分たちの交代機会が減らないわけではありません。

ハーフタイムの交代は3回に含まれない

ハーフタイムに行う交代は、通常の3回の交代機会とは別扱いです。

前半終了時に選手を入れ替えても、後半に使用できる交代機会は原則3回のままです。ただし、ハーフタイムに交代させた選手も、通常の交代人数5人には含まれます。

例えば、ハーフタイムに2人を交代させ、その後の後半に3人を交代させれば、通常の交代人数5人を使い切ったことになります。後半の交代機会は最大3回残っていますが、交代できる選手の人数は残っていません。

ハーフタイムは交代機会を消費しないものの、交代人数は消費するという点がポイントです。

交代機会を使い切ると残りの交代枠は使えない?

通常の試合時間に3回の交代機会をすべて使い切ると、残りの交代人数があっても、通常の交代はできなくなります。

例えば、3回の機会を使って合計3人しか交代させていない場合、人数としてはあと2人交代できる余地があります。しかし、通常の試合時間中に新たな交代機会を使えないため、追加の交代は認められません。

このため、監督は交代人数だけでなく、残りの交代機会も考慮して選手を投入する必要があります。

【延長戦の交代ルール】6人目の追加交代は認められる?

決勝トーナメントなどで試合が延長戦に入った場合、通常の5人に加えて、追加で1人を交代させることができます。

2026年ワールドカップの競技規則第36.4項では、延長戦に入った場合、通常の試合時間で使用しなかった交代人数や交代機会を引き継げることに加え、各チームに追加の交代選手1人と交代機会1回が認められています。

重要なのは、通常の5人をすべて使い切っていた場合でも、この追加交代が認められることです。

延長戦で交代できるタイミング

延長戦では、次のタイミングで交代できます。

  • 後半終了から延長戦開始までのインターバル
  • 延長前半・延長後半の試合中の停止時
  • 延長前半終了後のハーフタイム

延長戦開始前と延長戦のハーフタイムに行う交代は、交代機会としてカウントされません。

ただし、交代人数には含まれます。つまり、交代機会を消費しないからといって、追加で何人でも選手を投入できるわけではありません。

6人目を使える具体例

例えば、後半終了までに5人全員を交代させ、3回の交代機会もすべて使用したチームが延長戦に進んだとします。

この場合、延長戦では追加された交代枠を使って6人目を投入できます。延長戦用の追加交代機会も1回与えられるため、通常時間の交代機会を使い切っていても交代が可能です。

一方、通常時間で3人しか交代させていないチームは、残っている通常の2人分の交代枠に加えて、延長戦の追加1人分を使えます。

延長戦における交代ルールは、単純に「6人目が認められる」というだけではありません。通常時間に残した交代人数と交代機会を引き継ぎながら、さらに追加枠を利用できる仕組みです。

【脳振盪による追加交代】通常の5人枠とは別に交代できる

2026年ワールドカップでは、脳振盪が実際に発生した場合だけでなく、脳振盪の疑いがある場合にも、通常の交代枠とは別に追加交代を行える制度が適用されます。

これは「Additional Permanent Concussion Substitution(追加の恒久的脳振盪交代)」と呼ばれる仕組みです。

FIFAワールドカップ2026の競技規則第36.3項では、各チームが1試合につき1回、追加の脳振盪交代を利用できると定めています。この交代は通常の交代人数をすでに使い切っていても認められます。

脳振盪交代を使った選手は試合に戻れない

脳振盪交代の最大の特徴は、交代した選手がその後の試合に復帰できないことです。

頭部への衝撃などによって脳振盪が疑われ、チームが追加交代を選択した場合、その選手は試合から完全に離脱します。PK戦を含め、その試合の残りのプレーに再び参加することはできません。

単なる負傷による通常交代とは異なり、選手の安全を優先して競技から離脱させるための制度です。

また、脳振盪交代は、交代人数5人にも通常の交代機会3回にも含まれません。

相手チームにも追加交代が認められる

この制度には、もう一つ重要な特徴があります。

一方のチームが脳振盪による追加交代を行った場合、相手チームにも追加の通常交代が認められます。

例えば、Aチームが通常の5人をすでに交代させた後、選手の脳振盪が疑われて追加交代を行ったとします。この場合、Bチームにも追加の通常交代選手1人と、それに対応する交代機会が与えられます。

IFABの脳振盪交代プロトコルでは、相手チームが受け取る追加の交代機会は、その追加選手のためだけに使用できます。通常の交代枠をさらに増やすために転用することはできません。

この仕組みは、脳振盪による交代を利用した戦術的な不公平を抑え、相手チームにも選手交代の機会を確保するためのものです。

延長戦と脳振盪交代が重なった場合は最大7人になることも

ここまでのルールを組み合わせると、通常の5人という数字だけでは説明できないケースが生まれます。

通常の交代5人に延長戦の追加交代1人を加え、さらに脳振盪による追加交代を使用すれば、交代した選手は合計7人になる可能性があります。

また、相手チームも脳振盪交代に伴う追加の通常交代を利用できます。

したがって、2026年ワールドカップのルールを正確に理解するには、次の3種類を区別する必要があります。

  • 通常の交代:最大5人
  • 延長戦の追加交代:さらに1人
  • 脳振盪による追加交代:通常枠とは別に1人

脳振盪交代は、単に選手を多く投入できる特例ではありません。実際の脳振盪またはその疑いを対象とした、選手の健康を守るための恒久的な制度です。

【歴代の変遷】ワールドカップの交代枠はいつから5人になった?

現在の5人交代制は、ワールドカップが始まった1930年から採用されていたわけではありません。大会の歴史を振り返ると、交代制度そのものがなかった時代から、徐々に交代可能人数が増えてきました。

FIFAが2026年1月に公開したワールドカップの交代制度の歴史によると、交代制度が初めて導入されたのは1970年のメキシコ大会です。それ以前の1930年から1966年までは、試合中の選手交代が認められていませんでした。

ワールドカップ交代枠の歴史一覧
大会・時期 交代ルール 主な変更点
1930~1966年 交代なし 試合中の選手交代は認められなかった。
1970~1990年 最大2人 1970年メキシコ大会で初めて交代制度を導入。
1994年 2人+GK特例 負傷または退場したGKを交代させる特例を導入。
1998~2014年 最大3人 GKに対する追加特例をなくし、3人交代制へ。
2018年 3人+延長戦1人 延長戦に進んだ場合の4人目の交代を認めた。
2022年 5人+延長戦1人 通常の交代人数を5人に拡大。脳振盪による追加交代も導入。
2026年 5人+延長戦1人 2022年大会の基本制度を継承し、脳振盪による追加交代も適用。
1970年メキシコ大会で初めて交代制度が導入

FIFAワールドカップで初めて選手交代が認められたのは、1970年5月31日に行われたメキシコ大会の開幕戦です。

ソ連代表の監督ガブリイル・カチャーリンは、メキシコとの試合でハーフタイムにアナトリー・プザチを投入しました。ビクトル・セレブリャニコフに代わって出場したこの交代が、ワールドカップ史上初の選手交代として記録されています。

当時は1チームにつき2人までしか交代できませんでした。現在のように試合の流れに合わせて複数の選手を入れ替える戦術は、まだ限られていたのです。

1994年アメリカ大会ではGKの特例が導入

1994年アメリカ大会では、通常の2人の交代に加え、負傷または退場したゴールキーパーを交代させる特例が設けられました。

この制度は実際の試合でも使用されています。モロッコ代表のザカリア・アラウイ、韓国代表のイ・ウンジェ、ブルガリア代表のプラメン・ニコロフらが、ゴールキーパーの交代によって出場しました。

また、イタリア代表のジャンルカ・パリュウカがノルウェー戦で退場した際には、監督アリゴ・サッキがルカ・マルケジャーニを投入しています。

1998年フランス大会からは通常の交代人数が3人に増え、ゴールキーパーに対する別枠の追加特例はなくなりました。この3人交代制は2014年大会まで続きました。

2018年ロシア大会で延長戦の追加交代が登場

2018年ロシア大会では、延長戦に入った場合に限り、通常の3人に加えて4人目の選手を投入できるようになりました。

FIFAの大会史によると、この制度で初めて4人目の交代選手を投入したのはロシア代表です。スペインとの決勝トーナメント1回戦で、アレクサンドル・エロヒンが投入されました。

延長戦で選手の消耗が激しくなることを考慮し、追加交代によって試合の質と選手の安全を守る仕組みが整えられたのです。

2022年カタール大会から5人交代制が定着

現在の5人交代制につながる大きな転換点は、2020年の新型コロナウイルス感染拡大でした。

試合日程の延期や過密化によって選手の負担が増加したことを受け、IFABは2020年5月8日、競技規則第3条の一時的な変更を承認しました。各チームが最大5人まで交代できるようにする特例です。

その後、この制度は延長され、2022年6月13日のIFAB年次総会で恒久的なルールとして承認されました。2022年7月1日から適用された2022/23年版競技規則に、5人交代と3回の交代機会という仕組みが正式に組み込まれています。

そして2022年カタール大会で5人交代制が採用され、2026年北中米大会でも継続されました。

【監督の戦術】サッカーの交代カードを使い切るタイミングは?

交代枠が5人に増えたことで、監督は試合中の戦術変更をより柔軟に行えるようになりました。しかし、交代機会が3回に制限されているため、単純に早く選手を投入すればよいというわけではありません。

重要なのは、交代人数と交代機会の両方を考えながら、試合の状況に合わせてカードを切ることです。

前半から交代する場合は負傷と戦術変更を見極める

前半に選手が負傷した場合、監督は早い段階で交代を決断する必要があります。無理にプレーを続けさせれば、負傷が悪化する可能性があるためです。

一方、単なる戦術変更の場合は、前半の段階で交代機会を消費することが後半の選択肢を狭める可能性があります。

負傷対応と戦術上の判断を区別し、残りの交代機会をどう確保するかがポイントです。

ハーフタイムは複数の選手を入れ替える好機

ハーフタイムは交代機会を消費しないため、複数の選手をまとめて入れ替えるには適したタイミングです。

例えば、前半の試合内容を踏まえて攻撃的な選手を2人投入したい場合、ハーフタイムに交代すれば後半の3回の交代機会を温存できます。

もちろん、交代人数そのものは消費するため、残り5人の枠をどう配分するかは慎重に判断しなければなりません。

後半終盤は交代機会をまとめて使う判断も重要

試合終盤には、得点を狙うための攻撃的な選手や、リードを守るための守備的な選手を投入する場面が増えます。

このとき、複数の選手を同時に交代させれば、選手の人数を一気に入れ替えながら交代機会を1回にまとめられます。

反対に、選手を1人ずつ別々のタイミングで投入すると、3回の交代機会を早く使い切ることになります。

そのため、監督は試合終盤に負傷者が出る可能性や、試合展開が変わる可能性も考慮して、最後の交代機会を残すかどうかを判断します。

交代枠を使い切るべきか判断する3つのポイント
  • 試合展開:リードしているのか、追いかけているのか。必要な交代選手のタイプが変わる。
  • 選手のコンディション:疲労や負傷の状態を見て、パフォーマンス低下を防ぐ。
  • 延長戦の可能性:決勝トーナメントでは、延長戦に残せる選手や交代機会も考慮する。

特にノックアウト方式の試合では、延長戦に進む可能性を考えた交代計画が重要です。ただし、目の前の試合で負傷や戦術的な問題が起きている場合は、延長戦を意識しすぎて交代を先延ばしにすることが最善とは限りません。

5人交代制は選手の負担を軽減する一方、監督にとっては交代の順番やタイミングを管理する能力も問われる制度なのです。

【よくある誤解】ワールドカップの交代枠で間違えやすいポイント

交代ルールは数字だけを見ると簡単に思えますが、実際には人数、機会、追加交代の3つを区別しなければ正しく理解できません。

誤解1:5人まで交代できるなら5回交代できる

これは正確ではありません。通常の交代人数は5人ですが、交代機会は3回です。複数の選手を同じ停止中に交代させることで、交代機会を節約できます。

誤解2:ハーフタイムの交代も3回に含まれる

ハーフタイムの交代は3回の交代機会に含まれません。ただし、通常の交代人数5人には含まれます。

誤解3:延長戦の6人目は脳振盪のときだけ認められる

これも誤りです。延長戦に進めば、脳振盪の有無に関係なく、通常の5人とは別に1人を追加交代できます。脳振盪交代は、さらに別の制度です。

誤解4:通常の負傷なら追加交代ができる

通常の負傷だけでは、脳振盪による追加交代は利用できません。この制度は、実際の脳振盪または脳振盪の疑いがある選手を対象としています。

一般的な負傷に対しては、残っている通常の交代枠や延長戦の追加枠を利用することになります。

【ワールドカップ交代枠】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年ワールドカップの交代枠は何人ですか?
A1:通常の試合時間では1チーム最大5人です。交代機会は原則3回で、ハーフタイムの交代は回数に含まれません。延長戦では追加で1人、脳振盪による追加交代も別枠で認められます。

Q2:ワールドカップでは交代を何回までできますか?
A2:通常の試合時間では最大3回です。ただし、1回の試合停止中に複数の選手を同時に交代させた場合は、交代人数が複数でも交代機会は1回として数えます。ハーフタイムの交代は3回に含まれません。

Q3:延長戦では6人目や7人目の交代もできますか?
A3:延長戦では通常の5人に加えて6人目の交代が可能です。さらに脳振盪による追加交代を使用すれば、交代した選手が合計7人になる場合もあります。また、脳振盪交代が行われると相手チームにも追加の通常交代が認められます。

2026年FIFAワールドカップの交代ルールは、通常の交代人数5人、交代機会3回という仕組みが基本です。ハーフタイムの交代は交代機会に含まれず、複数の選手を同時に投入する場合も1回として数えられます。

加えて、延長戦では6人目の追加交代が認められ、脳振盪が疑われる選手については通常枠とは別の追加交代制度が適用されます。脳振盪交代を利用した場合には、相手チームにも追加の通常交代が与えられる点も見逃せません。

交代枠の歴史を振り返ると、1970年の2人交代から始まり、1998年の3人制、2018年の延長戦追加交代、そして2022年の5人制へと発展してきました。選手の健康を守ることと、試合の競技性を維持することが、制度変更の大きな背景にあります。

ワールドカップを観戦するときは、交代した人数だけでなく、残りの交代機会や延長戦の追加枠にも注目してみてください。監督がいつ、誰を投入するのか。その判断の裏側にあるルールを知ることで、試合終盤の攻防やベンチワークを、これまで以上に深く楽しめます。