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杉並区の交通事故死亡者数は2025年に3人、過去5年の推移と自転車事故を徹底検証

土谷 雅人 土谷 雅人 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
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杉並区内で2025年に交通事故で亡くなった人は3人だった。そのうち2人が65歳以上の高齢者である。杉並区が2026年3月3日に公表した道路交通対策特別委員会資料から明らかになった数字だ。

同資料によると、2025年の区内の交通事故発生件数は989件。自転車が関与した事故は489件で、全体の49.4%を占めた。事故件数そのものは前年より減少した一方、高齢者が関係する事故は366件に増えている。死亡者数だけでは見えてこない地域の交通安全上の課題が浮かび上がる。

【2025年最新】杉並区の交通事故死亡者数は3人!高齢者が占める割合は?

杉並区交通事故死亡

杉並区の2025年の交通事故死亡者数は3人だった。前年の2024年は4人だったため、1人減少したことになる。

注目すべきなのは、亡くなった3人のうち2人が65歳以上だった点だ。割合にすると約66.7%。死亡事故が少なくなったからといって、高齢者の交通安全問題が解消したわけではない。

2025年の交通事故発生状況

杉並区の道路交通対策特別委員会が2026年3月3日に示した資料では、2025年の交通事故について次の結果が報告されている。

  • 交通事故発生件数:989件
  • 交通事故死亡者数:3人
  • 死亡者のうち65歳以上:2人
  • 自転車関与事故:489件
  • 自転車関与率:49.4%
  • 65歳以上の高齢者交通事故:366件

前年の2024年と比較すると、交通事故発生件数は1,034件から989件へ45件減少した。一方、高齢者の事故件数は342件から366件へ24件増加している。

つまり、区全体の事故件数が減るなかでも、高齢者が関係する事故は増えていた。交通事故対策を評価する際には、総件数だけでなく、被害に遭う人の年齢層にも目を向ける必要がある。

2025年の死亡事故をどう読み解くべきか

死亡者3人という数字は、地域の交通安全を考えるうえで軽視できない。一方、死亡者数は年間の発生件数が少ないため、1人の増減でも前年比が大きく変化する。

そのため、単年の死亡者数だけで杉並区の安全性を判断するのは適切ではない。事故発生件数、高齢者事故、自転車関与事故、死亡者数を組み合わせて見ることが、実態を把握するうえで重要になる。

【過去5年の推移】杉並区の交通死亡事故は減少傾向なのか?

杉並区の交通死亡事故を2021年から2025年までの5年間で比較すると、死亡者数は6人、4人、7人、4人、3人と推移している。

2023年に7人まで増加した後、2年連続で減少した。2025年は5年間で最も少ない3人となっている。

杉並区の交通事故統計・5年間の比較表

杉並区の2026年3月3日付道路交通対策特別委員会資料に掲載された警視庁交通総務課の統計を整理すると、次のようになる。

年 事故件数 死亡者数 うち65歳以上 高齢者事故 自転車関与事故 自転車関与率 自転車死者
2021年 887件 6人 1人 292件 402件 45.3% 2人
2022年 893件 4人 1人 306件 419件 46.9% 0人
2023年 1,021件 7人 2人 358件 526件 51.5% 2人
2024年 1,034件 4人 3人 342件 508件 49.1% 0人
2025年 989件 3人 2人 366件 489件 49.4% 0人

※死亡者数、事故件数、自転車関与事故、高齢者事故は区の資料に掲載された年次統計。自転車死者は自転車乗用中の死亡者数。

5年間の数字から見える3つの変化

1つ目は、死亡者数の減少傾向だ。

2023年の7人から2025年の3人へと減少している。2025年は前年よりも1人少なく、2021年と比較しても半減した。

2つ目は、高齢者事故の増加だ。

2021年の292件から2025年の366件へと74件増えている。2024年には342件まで減少したものの、2025年には再び増加した。死亡者数の減少と高齢者事故の増加は、別々の指標として捉える必要がある。

3つ目は、自転車関与事故が高い水準で推移していることだ。

2023年には526件、事故全体の51.5%に達した。2025年は489件まで減少したが、事故全体に占める割合は49.4%。東京都全体の45.9%を3.5ポイント上回っている。

5年間のデータが示すのは、死亡者数の改善だけでは評価できない交通安全の実態だ。高齢者と自転車に関係する事故への対策が、引き続き大きな課題となっている。

【自転車事故の実態】杉並区では交通事故の約半数に自転車が関与

杉並区の交通事故を考えるうえで、見逃せないのが自転車関与事故の多さだ。

2025年の自転車関与事故は489件。全交通事故989件のうち49.4%に当たり、ほぼ2件に1件で自転車が関係していた計算になる。

自転車事故は減ったが、割合は高いまま

2024年の508件と比較すると、2025年の489件は19件減少している。しかし、自転車関与率は49.1%から49.4%へ0.3ポイント上昇した。

これは、自転車関与事故の減少幅よりも、交通事故全体の減少幅が大きかったことを反映している。

東京都全体の自転車関与率45.9%と比較しても、杉並区の49.4%は高い。23区の平均47.6%と比べても上回っている。

杉並区の自転車事故死亡者数は2025年に0人

注目したいのは、自転車事故による死亡者数だ。

杉並区の統計では、2025年の自転車乗用中の死者数は0人だった。2024年も0人で、2年連続で自転車乗用中の死亡者は確認されていない。

ただし、2021年は2人、2023年も2人が自転車乗用中に亡くなっている。2025年に死亡事故がなかったことを理由に、自転車事故の危険性が低くなったと判断することはできない。

489件という関与事故の件数は依然として多く、死亡に至らない事故でも、骨折や頭部損傷などの重大な被害につながる可能性がある。

自転車事故が起きやすい場面と2026年の新ルール

警察庁が公表した2025年の全国統計によると、自転車が関係する死亡・重傷事故では、相手当事者の約75%が自動車だった。また、自転車と自動車の事故では、出会い頭の衝突が約55%を占めている。

交差点での安全確認不足や一時不停止は、自転車側にも見られる違反として指摘されている。自動車側だけでなく、自転車利用者自身の安全行動も事故防止に欠かせない。

加えて、2026年4月1日からは、16歳以上の自転車運転者を対象に交通反則通告制度、いわゆる青切符制度が始まった。

信号無視、一時不停止、通行区分違反などの交通違反に対して、反則金制度を通じた指導・取締りが行われる。自転車は歩行者ではなく、道路交通法上の軽車両であるという認識が改めて求められる。

【2026年最新】杉並警察署・荻窪警察署の交通事故統計を比較

2026年11月3日時点で、警視庁の公式サイトでは杉並警察署と荻窪警察署の交通事故発生状況を確認できる。

ただし、警察署別統計と杉並区全体の統計は集計範囲が異なる。警察署の管内データを単純に足し合わせて区全体の死亡者数とすることはできない。

杉並警察署の2025年・2026年データ

杉並警察署が公表する2025年の年間統計では、交通事故の死傷者のうち65歳以上は105人、自転車乗用中は207人だった。

2026年1~9月の累月計では、65歳以上の死傷者が62人、自転車乗用中が129人となっている。前年の同じ1~9月と比較すると、65歳以上は69人から62人へ、自転車乗用中は158人から129人へ減少した。

荻窪警察署の2025年・2026年データ

荻窪警察署の2025年年間統計では、65歳以上の死傷者が46人、自転車乗用中が75人だった。

一方、2026年1~9月は65歳以上が47人、自転車乗用中が78人となっている。前年の同じ期間ではそれぞれ34人、51人だったため、両方の区分で増加している。

この結果からは、杉並警察署管内と荻窪警察署管内で、事故の動きが一様ではないことが分かる。

警察署別統計を読むときの注意点

警視庁の警察署別ページに掲載される「死傷者数」は、死亡者だけを示す数字ではない。交通事故による死者と負傷者を含むため、区全体の死亡者数3人と直接比較してはいけない。

また、2026年のデータは1~9月の途中経過であり、2025年の年間統計とは集計期間が異なる。

2026年の死亡者数を正確に把握するには、区全体を対象とした年次統計や、警視庁が公表する死亡事故統計の確定値を確認する必要がある。途中経過の死傷者数を年間の死亡者数として扱わないことが重要だ。

【事故の発生場所と原因】杉並区で注意したい交差点・道路環境

交通事故は区内のどこでも発生する可能性があるが、交差点や幹線道路、駅周辺などは特に注意したい場所だ。

杉並区の2025年死亡者数を示した委員会資料には、死亡事故の発生地点を網羅した一覧は掲載されていない。そのため、特定の交差点を2025年の死亡事故発生地点と断定することはできない。

警視庁が重点的に取締りを行う場所

警視庁が公表する重点取締場所や交通安全関連資料では、杉並区内の交差点・道路として、次のような地点が確認できる。

  • 中の橋交差点:高井戸東周辺の重点取締場所。
  • 高円寺陸橋下交差点:和田周辺の重点取締場所。
  • 大久保通り入口交差点:高円寺南周辺の重点取締場所。
  • 上高井戸一丁目交差点:上高井戸周辺の重点取締場所。
  • 四面道交差点:荻窪方面の重点取締場所。
  • 今川一丁目交差点:清水・今川周辺の重点取締場所。

これらは重点的な交通違反取締りの対象として紹介されている場所であり、死亡事故件数の多い順に並べたランキングではない。

特に四面道や今川一丁目周辺については、警視庁の重点取締場所を紹介する資料で、付近に死亡事故が発生したことも取締りの理由として挙げられている。

交通死亡事故の原因として考えられる危険行動

杉並区だけの死亡事故原因を細かく分類した数字とは別に、東京都全体の傾向を見ると、歩行者事故には重要な特徴がある。

警視庁による2025年の東京都内の統計では、歩行中の交通事故死者は60人で、状態別では最多だった。そのうち37人が65歳以上である。

加えて、歩行中の死亡事故では、信号無視や横断違反など歩行者側に違反があったケースが63.3%。道路横断中の事故が58.3%を占めていた。

この数字は東京都全体の統計であり、杉並区の死亡事故にそのまま当てはめることはできない。しかし、高齢者の横断時における安全確認が重要であることを示している。

自転車事故についても、出会い頭の衝突や一時停止の不徹底など、交差点での確認不足が重大事故につながる要因となっている。

【交通死亡事故の防止策】高齢者・自転車利用者・ドライバーができること

杉並区の統計で明らかになったのは、死亡者数が減少しても、高齢者事故や自転車関与事故が依然として多いという現実だ。

事故を減らすためには、歩行者、自転車利用者、自動車運転者のそれぞれが、自分の立場に応じた対策を実践する必要がある。

高齢者が歩行中に注意したいこと

高齢者の死亡事故を防ぐうえでは、横断歩道と信号の利用が基本となる。

  • 信号が点滅し始めたら無理に渡らず、次の青信号を待つ。
  • 横断禁止場所を横切らず、横断歩道や歩道橋を利用する。
  • 道路を渡る前に左右の車両の動きを確認する。
  • 夕方や夜間は明るい服装を心掛け、反射材を身に着ける。
  • 慣れた道でも安全確認を省略しない。

警視庁は、高齢者の死亡事故の多くが自宅から500メートル以内で発生していると注意を呼び掛けている。近所の買い物や通院など、日常的な移動でも油断は禁物だ。

自転車利用者が守りたい5つの基本

自転車の安全利用について、警察庁は「自転車安全利用五則」を示している。

  • 車道が原則、左側を通行する。歩道は例外で、歩行者を優先する。
  • 交差点では信号と一時停止を守り、安全確認を徹底する。
  • 夜間はライトを点灯する。
  • 飲酒運転をしない。
  • 乗車用ヘルメットを着用する。

特に杉並区のように自転車関与率が約半数に達する地域では、交差点での一時停止と左右確認が重要になる。

また、2026年4月から16歳以上に青切符制度が適用されている。日常的な買い物や通勤で自転車を使う人も、交通ルールを改めて確認したい。

自動車運転者が意識すべきポイント

自動車側にも、歩行者や自転車を守るための安全運転が求められる。

  • 横断歩道の手前では減速し、歩行者がいる場合は一時停止する。
  • 交差点で右左折するときは、歩行者や自転車の巻き込みに注意する。
  • 見通しの悪い交差点では徐行し、飛び出しに備える。
  • 住宅街や通学路では速度を抑える。
  • スマートフォンなどのながら運転をしない。

歩行者や自転車は、自動車と衝突した場合に身体への被害が大きくなりやすい。運転者は相手が交通ルールを守ることを前提にせず、危険を予測した運転を心掛けるべきだ。

【プロの結論】死亡者数だけでは分からない杉並区の交通安全問題

杉並区の2021~2025年の統計から読み取れる要点は、交通死亡事故の減少と、日常的な交通事故リスクの低下は必ずしも一致しないということだ。

2025年の死亡者数は3人で、5年間では最少だった。しかし、高齢者事故は366件に増え、自転車関与率も49.4%と東京都平均を上回っている。

地域の交通安全を評価するなら、次の3つの指標を継続して確認することが重要になる。

  • 死亡者数:交通事故が生命に与える最も重大な結果を把握する。
  • 高齢者事故件数:日常生活の移動で高齢者が直面する危険を把握する。
  • 自転車関与率:自転車と自動車、歩行者が交錯する地域の交通環境を把握する。

死亡者数が3人に減ったことは前向きな結果だが、それだけで安全対策が十分だとは評価できない。高齢者事故と自転車事故を減らすための継続的な取り組みが必要だ。

杉並区の交通事故死亡に関するよくある質問(FAQ)

Q1:杉並区の2025年の交通事故死亡者数は何人ですか?

A1:2025年の交通事故死亡者数は3人です。そのうち2人が65歳以上の高齢者でした。杉並区が2026年3月3日に公表した道路交通対策特別委員会資料に記載されています。

Q2:杉並区の交通事故死亡者数は過去5年間で増えていますか?

A2:2021年から2025年までの死亡者数は、6人、4人、7人、4人、3人と推移しています。2023年に7人となった後は減少傾向で、2025年は5年間で最少でした。

Q3:杉並区では自転車事故による死亡者も発生していますか?

A3:2025年の自転車乗用中の死亡者数は0人でした。ただし、自転車関与事故は489件発生しており、交通事故全体の49.4%を占めています。死亡事故がなかったからといって、自転車の事故リスクがなくなったわけではありません。

Q4:2026年の杉並区の交通事故死亡者数は公表されていますか?

A4:2026年はまだ年途中のため、年間の確定値は出ていません。警視庁では杉並警察署や荻窪警察署の1~9月の事故発生状況などを確認できますが、掲載される死傷者数と死亡者数は区別する必要があります。

Q5:杉並区で交通事故に注意したい場所はどこですか?

A5:中の橋交差点、高円寺陸橋下交差点、大久保通り入口交差点、四面道交差点、今川一丁目交差点などは、警視庁の重点取締りに関連する地点として確認できます。事故件数のランキングではありませんが、通行時には十分な注意が必要です。

杉並区の2025年の交通事故死亡者数は3人で、うち2人が65歳以上だった。過去5年間の推移では、2023年の7人をピークに減少している。

一方、自転車関与事故は489件、高齢者事故は366件に達した。死亡者数が減少していることと、地域の交通安全上の課題が解消していることは同じではない。

2026年は自転車の青切符制度が始まり、交通ルールの遵守がこれまで以上に求められている。警視庁の最新統計では、警察署ごとの事故発生状況や死傷者の属性を確認しながら、今後の変化を見ていくことが大切だ。

杉並区の交通安全を考えるうえで重要なのは、死亡者数という結果だけでなく、高齢者や自転車利用者が日常的に直面する危険を減らすこと。地域全体で安全確認と交通ルールの徹底を続けることが、次の死亡事故を防ぐための第一歩となる。

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コンテンツディレクター 土谷 雅人
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