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【実力が収入に直結】力士褒賞金・懸賞金・優勝賞金の仕組み

黒木 穂乃花 黒木 穂乃花 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
目次

大関の収入を考えるうえで見逃せないのが、相撲界独特の「力士褒賞金」です。

一般企業のボーナスとは異なり、過去の成績が積み上がり、現役でいる限り本場所ごとに支給されるという特徴があります。

力士褒賞金とは?「持ち給金」の仕組み

力士褒賞金は、十両以上の関取に対して本場所ごとに支給される制度です。

その金額を計算する基礎となるのが「支給標準額」、通称「持ち給金」です。

基本的には、次のような成績によって加算されます。

- 勝ち越し点1点につき:支給標準額に50銭加算
- 平幕力士が横綱に勝つ金星:10円加算
- 幕内優勝:30円加算
- 幕内全勝優勝:50円加算

ここで注意したいのは、50銭や30円がそのまま支給されるわけではないことです。

実際の支給額は、支給標準額に4,000を掛けて算出します。

例えば、勝ち越し点が1点増えると、支給標準額は50銭増加します。これを4,000倍すると、1場所あたり2,000円の増額です。

大関の場合、最低支給標準額は100円です。

そのため、最低額でも次の金額になります。

- 支給標準額:100円
- 1場所の支給額:40万円
- 年6場所の合計:240万円

実際には、長年の勝ち越しや優勝などによって持ち給金が増えている力士も多く、最低額を上回るケースがあります。

一度積み上がった成績加算分は、基本的に現役中の各場所で継続して支給されます。昇進時に最低額まで補填された部分については、降格時に減額される場合があります。

大関でも懸賞金を受け取れる?

もちろん受け取れます。

懸賞金は、企業や団体が幕内の取組に提供する賞金です。大関は幕内力士なので、懸賞が設定された取組で勝てば獲得できます。

日本相撲協会の公式案内によると、懸賞金は1本7万円です。

内訳は次のとおりです。

- 協賛企業・団体の提供額:7万円
- 日本相撲協会の手数料:1万円
- 勝利力士の獲得分:6万円

ただし、6万円すべてが勝ち名乗りの際に現金で渡されるわけではありません。

協会の公式クイズでは、勝った力士がその場で受け取る現金は1本3万円と説明されています。残る3万円は納税充当金として本人名義で預けられる仕組みです。

懸賞金は本数によって収入が変わります。

例えば、1場所で懸賞付きの取組に10回勝ち、それぞれ1本ずつ獲得した場合、獲得総額は60万円です。

人気力士には数多くの懸賞が集まることもあり、基本給だけでは測れない収入差につながります。

2027年から優勝賞金は2,000万円に倍増

2026年7月30日の日本相撲協会の理事会では、優勝賞金や三賞賞金の改定も決まりました。

特に注目されるのが幕内優勝賞金です。

2026年12月までと2027年1月からの比較

- 幕内優勝:1,000万円 → 2,000万円
- 十両優勝:200万円 → 300万円
- 幕下優勝:50万円 → 70万円
- 三段目優勝:30万円 → 50万円
- 序二段優勝:20万円 → 30万円
- 序ノ口優勝:10万円 → 20万円
- 三賞:200万円 → 300万円

幕内優勝賞金の2,000万円は、従来の倍額です。

ただし、三賞は原則として関脇以下の幕内力士を対象とする賞です。大関が三賞を受け取ることを前提に年収を計算するのは適切ではありません。

一方、大関が幕内最高優勝を果たせば、優勝賞金を受け取れます。

つまり、2027年からは大関にとっても、優勝による臨時収入の可能性がさらに大きくなります。

【歴代の大関の給料推移】2019年から2027年まで何が変わる?

大関の給料

大関の月給は、毎年のように上昇してきたわけではありません。

過去には長期間にわたって給与が据え置かれた時期もあります。

大関の給与制度の歴史

力士の月給制度は、1957年5月に始まりました。十両以上の関取に対して、安定した月給が支給されるようになったことが大きな転換点です。

その後、2001年から2018年までの18年間、関取の給与は据え置かれていました。

2019年1月には待遇改善を目的として給与が引き上げられ、大関の月給も234万7,000円から250万円に増額されました。

そして2027年1月、8年ぶりの改定が実施されます。

2027年の給与改定が決まった背景

2026年7月30日の理事会で発表された待遇改善は、単なる給与の引き上げにとどまりません。

日刊スポーツの報道によると、前年度の日本相撲協会は、入場券収入やグッズ販売などが好調で約13億円の黒字を計上しました。

その収益を力士の待遇改善などに反映する動きが、今回の改定につながっています。

また、物価上昇が続くなか、力士の給与が長期間据え置かれていたことも背景にあります。

藤島広報部長(元大関・武双山)は、幕内優勝賞金の増額について、他競技との比較も踏まえた待遇改善の必要性を説明しています。

2027年の改定では、関取の月給だけでなく、幕下以下の養成員場所手当や勝星金、勝越金なども増額対象となりました。

大関に昇進すると給料が上がる理由

大関への昇進は、力士のキャリアにおいて大きな転換点です。

その理由は、番付が上がることによって給与体系そのものが変わるためです。

2026年11月時点で比較すると、関脇の月給180万円に対して、大関は250万円。昇進によって月70万円、年間基本給で840万円の差が生まれます。

加えて、本場所特別手当も関脇・小結の5万円から大関の15万円へ増額されます。

また、制度解説資料によると、初めて大関に昇進した力士には50万円の名誉賞もあります。

大関になることは、単なる名誉や番付上の昇進ではありません。毎月の固定収入、場所ごとの手当、力士としての待遇がまとめて変わる重要な節目です。

【大関の給料】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:大関の給料は2026年11月時点でいくらですか?

大関の月給は250万円です。年間基本給に換算すると3,000万円で、これに賞与や本場所特別手当、出張手当、力士褒賞金などが加わります。

Q2:大関の給料は2027年1月からいくらになりますか?

2027年1月の初場所から275万円に増額されます。現行より月25万円、年間基本給では300万円の増額です。賞与も同じ支給方式なら年間50万円増える計算になります。

Q3:大関の年収は4,000万円を超えますか?

賞与や各種手当、力士褒賞金を含めると、4,000万円に届く可能性があります。2026年のモデル試算は約3,937万円、2027年は現行手当を据え置いた参考計算で約4,287万円です。優勝賞金や懸賞金などは別途加算されます。

大関の給料は、2026年11月時点で月250万円です。2027年1月からは275万円に引き上げられ、年間基本給は3,300万円になります。

さらに賞与や各種手当、力士褒賞金などを加えると、実際の年収は月給の12倍を大きく上回ります。

【プロの結論】

大関の収入を正しく理解するためには、次の3点を区別することが大切です。

1. 固定収入: 月給と賞与。番付によって基本額が決まる。
2. 制度上の手当・褒賞金: 本場所特別手当、出張手当、力士補助費、力士褒賞金。出場日数や過去の成績によって変わる。
3. 成果に応じた臨時収入: 懸賞金や優勝賞金。人気や取組結果によって大きく変動する。

特に注意したいのは、ネット上で紹介される「大関の年収」が、必ずしも同じ条件で計算されていないことです。月給だけの3,000万円と、賞与・手当・褒賞金まで含めた約3,937万円では、数字の意味が異なります。

2027年の給与改定は、力士の待遇改善という点でも大きな節目です。今後は月給の増額だけでなく、優勝賞金の倍増によって、土俵上で結果を残した力士への経済的な還元も拡大します。

大関の給料を知るなら、月給250万円という数字だけでなく、番付・成績・手当・賞金を合わせた収入構造を見ることが、本当の待遇を理解するポイントです。

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トレンドリサーチャー 黒木 穂乃花
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