生理が始まると頭がズキズキする、こめかみが脈打つように痛む、市販の鎮痛薬を飲んでもなかなか治らない――。こうした症状を毎月繰り返していませんか? 生理中の頭痛には、女性ホルモンの変動によって引き起こされる片頭痛や、月経に伴う鉄不足、睡眠不足など、複数の原因が考えられます。特に、月経開始2日前から月経3日目までの時期に繰り返す強い頭痛は「月経関連片頭痛」の可能性があります。
日本神経学会・日本頭痛学会などが監修する『頭痛の診療ガイドライン2021』でも、月経時の片頭痛は一般的な片頭痛より重症化しやすく、長引く場合があると説明されています。2026年9月に更新された専門医による解説も踏まえ、PMSとの違い、貧血との関係、市販薬やトリプタンによる治療、短期予防療法、ピルの注意点まで整理します。
【原因を解説】生理中に頭が痛くなるのはなぜ?ズキズキする片頭痛の正体

生理中の頭痛は、単に生理痛の一部として起こるとは限りません。特に、頭の片側やこめかみが脈打つように痛み、吐き気や光・音への過敏を伴う場合には、片頭痛が関係している可能性があります。
女性ホルモンのエストロゲン低下が引き金になる生理前から生理中に頭痛が起こりやすくなる大きな理由の一つが、女性ホルモンの変動です。
排卵後に増加したエストロゲンは、月経が始まる直前に大きく低下します。この急激な変化は「エストロゲン離脱」と呼ばれ、片頭痛発作を引き起こす重要な要因として研究されています。
ホルモンの変動は、三叉神経を中心とする痛みの神経回路やCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などにも影響すると考えられています。
つまり、生理中のズキズキする頭痛は、単純に血管が広がることだけで説明できるものではありません。ホルモンの変化をきっかけに、脳の痛みを処理する神経系が過敏になることが関係しています。
日本の頭痛診療に関するガイドラインや、2023年に発表されたエストロゲン離脱に関する研究でも、この仕組みが検討されています。
月経関連片頭痛に見られる代表的な症状月経関連片頭痛では、次のような症状が見られます。
- こめかみや頭の片側がズキンズキンと脈打つ
- 頭痛が強く、仕事や家事を続けるのが難しい
- 歩行や階段の昇降などで痛みが増す
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 光や音、においが普段より不快に感じられる
- 薬で一度改善しても、翌日また痛みが出る
- 生理前後のほぼ同じ時期に毎月繰り返す
片頭痛は一般に4~72時間続くことがあり、月経前後に起こる発作は通常の片頭痛より長引いたり、治療が効きにくかったりする傾向があります。
普段は市販薬で治まる人でも、生理中だけ強い頭痛に悩まされることは珍しくありません。
生理中の頭痛を悪化させる生活習慣ホルモン変動だけでなく、日常生活の状態も頭痛に影響します。
睡眠不足、食事を抜くこと、水分不足、過度な疲労、ストレスなどは片頭痛の誘因になり得ます。
生理中は腹痛や倦怠感によって睡眠や食事のリズムが崩れやすいため、複数の要因が重なって頭痛が強くなる場合もあります。
【見分け方】月経関連片頭痛とPMSの違いは?発症時期もチェック
生理前や生理中に頭痛がすると、「PMS(月経前症候群)の症状だから仕方がない」と考える人もいます。
しかし、PMSと月経関連片頭痛は同じものではありません。両方が同時に起こることもあります。
PMSと月経関連片頭痛の違いPMSは、月経開始の3~10日前ごろから始まり、月経が始まると軽快・消失する精神的・身体的な症状の総称です。
イライラ、気分の落ち込み、乳房の張り、むくみ、眠気、頭痛などが代表的な症状です。
一方、月経関連片頭痛は、月経周期と関連して繰り返す片頭痛を指します。頭痛そのものの性質や発生時期を確認することが診断のポイントです。
| 比較項目 | PMS | 月経関連片頭痛 |
|---|---|---|
| 主な症状 | イライラ、気分の落ち込み、むくみ、乳房の張りなど | ズキズキする頭痛、吐き気、光・音への過敏 |
| 発症時期 | 月経開始3~10日前ごろ | 月経開始2日前~月経3日目 |
| 主な背景 | 月経周期に伴うホルモン変動 | エストロゲン低下などに関連する片頭痛 |
| 頭痛の特徴 | PMSの身体症状の一つとして現れることがある | 中等度~重度で、動くと悪化する場合がある |
| 対応 | 症状に応じて婦人科で相談 | 頭痛の種類を診断し、片頭痛治療を検討 |
※両者は併存する場合があります。PMSがあるからといって、強い頭痛までPMSだけで説明できるわけではありません。
月経開始2日前~月経3日目が診断の重要な目安月経関連片頭痛を判断するうえで重要なのが、月経開始日を1日目とした場合の発症時期です。
国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の付録では、次の期間が月経との関連を判断する目安として示されています。
- 月経開始2日前
- 月経開始1日前
- 月経1日目
- 月経2日目
- 月経3日目
この期間に起こる片頭痛が、3回の月経周期のうち少なくとも2回で確認されることが重要です。
加えて、月経関連片頭痛には次の2つの分類があります。
純粋月経時片頭痛
月経開始2日前~月経3日目に限って片頭痛が起こり、それ以外の時期には発作がないタイプです。
月経関連片頭痛
同じ期間に片頭痛が起こる一方で、月経とは関係のない時期にも発作が見られるタイプです。
この区別は治療方針を考えるうえでも役立ちます。
頭痛ダイアリーで3周期分の記録を残す月経と頭痛の関係を確認するには、頭痛ダイアリーが役立ちます。
日本頭痛学会も、頭痛が起こった日時、痛みの性質、持続時間、吐き気や光・音への過敏、使用した薬とその効果などを記録することを勧めています。
記録しておきたい項目は次のとおりです。
- 生理が始まった日と終了した日
- 頭痛が始まった日と時間
- 痛みの強さと持続時間
- ズキズキする痛みか、締め付けられる痛みか
- 吐き気や光・音への過敏の有無
- 薬の名前と服用した時間
- 薬が効いたか、再発したか
3周期ほど記録すると、自分の頭痛が月経周期と連動しているかを医師に伝えやすくなります。
【貧血との関係】生理中の頭痛は鉄不足が原因?見分けるポイント
生理中に頭が痛くなると、貧血を疑う人も少なくありません。
実際、月経による出血が多い人は鉄不足や鉄欠乏性貧血を起こす可能性があります。ただし、月経前後に毎月繰り返す強い片頭痛を、すべて貧血のせいにすることはできません。
過多月経によって鉄不足になる場合がある血液中のヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。
月経の出血量が多い状態が続くと、体内の鉄が不足し、ヘモグロビンを十分に作れなくなることがあります。
鉄欠乏性貧血では、次のような症状が現れることがあります。
- 頭痛や頭が重い感覚
- めまいや立ちくらみ
- 動悸や息切れ
- 疲れやすさ、倦怠感
- 顔色が悪くなる
- 体を動かしたときの息苦しさ
厚生労働省の女性の健康に関する情報でも、過多月経は鉄欠乏性貧血につながる可能性があると説明されています。
片頭痛と貧血は同時に存在することも両者を区別するためには、症状の出方を確認することが大切です。
例えば、月経開始前後にズキズキする頭痛や吐き気、光への過敏が繰り返される場合は、月経関連片頭痛が考えられます。
一方、経血量が多く、日常的に疲れやすい、息切れや動悸がある場合は、鉄不足や貧血の検査も検討したいところです。
両方が重なっているケースもあります。
医療機関では血算によるヘモグロビン値の確認に加え、必要に応じてフェリチンなどを調べ、貯蔵鉄の状態を評価します。
経血量が多い人は、頭痛だけを治療するのではなく、出血の原因を婦人科で調べることも重要です。
【薬と治療法】生理中の頭痛に市販薬が効かないときは?トリプタン・短期予防を解説
生理中の頭痛に市販の鎮痛薬を使っても、十分に改善しないことがあります。
この場合、薬の量を自己判断で増やすのではなく、頭痛の種類と治療方法を見直すことが大切です。
市販の鎮痛薬は痛みが軽いうちに適切に使用する軽度から中等度の片頭痛では、アセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などが使用されます。
代表的な成分には、次のようなものがあります。
- ロキソプロフェン
- イブプロフェン
- アセトアミノフェン
これらは痛みを抑えるために使われますが、すべての人に同じように効くわけではありません。
月経関連片頭痛は発作が強く、長引きやすいため、普段は市販薬で改善する人でも十分な効果が得られない場合があります。
市販薬を使う際は、必ず添付文書の用法・用量を守り、同じ成分を含む薬を重複して服用しないよう注意してください。
胃潰瘍、腎臓病、喘息、妊娠の可能性などがある場合は、薬剤師や医師に相談することも必要です。
また、鎮痛薬を頻繁に使い続けると、薬剤の使用過多による頭痛につながる場合があります。
市販薬が効かない場合はトリプタンによる治療を検討NSAIDsなどで十分に改善しない場合、医師がトリプタンを処方することがあります。
トリプタンは片頭痛の急性期治療に使用される薬です。片頭痛に関係する神経・血管系の働きに作用し、発作を抑えることを目的としています。
スマトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタンなど複数の種類があります。
薬を選ぶ際には、次の点が考慮されます。
- 頭痛の強さ
- 発作が続く時間
- 吐き気や嘔吐の有無
- 薬を服用してから再発するか
- これまで使用した薬の効果
吐き気が強く、内服薬を飲みにくい場合は、点鼻薬や注射薬などの剤形を検討することもあります。
日本神経学会・日本頭痛学会などの『頭痛の診療ガイドライン2021』でも、NSAIDsが十分に効かない月経時片頭痛にはトリプタンが推奨されています。
ただし、トリプタンは誰でも使用できるわけではありません。心血管疾患などの持病や併用薬を確認したうえで処方を受ける必要があります。
毎月同じ時期に痛むなら月経関連片頭痛の短期予防療法毎月ほぼ同じ時期に強い頭痛が起こる人には、短期予防療法という選択肢があります。
これは、頭痛が起こりやすい月経前後の数日間に限って、医師が選択した薬を使用し、発作の発生や重症化を抑える治療方法です。
使用する薬剤の候補には、トリプタンやNSAIDsなどがあります。
通常の片頭痛治療が頭痛発作そのものを抑えることを目的とするのに対し、短期予防療法は、発作が予測できる期間に先回りして対応する点が特徴です。
日本の『頭痛の診療ガイドライン2021』でも、月経に関連して主に発作が起こる場合には短期予防療法が選択肢として挙げられています。
ただし、短期予防に使う薬や服用期間は個人の状態によって異なります。トリプタンを自己判断で予防目的に使用することは避けてください。日本では、製剤の承認された効能・用法と保険適用についても確認が必要です。
ピルと月経関連片頭痛の関係は?使用前に確認したい注意点低用量ピルやLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)は、月経困難症や過多月経の治療に使われます。
ホルモン変動を抑えることで、月経に伴う片頭痛が軽くなる人もいます。
ただし、ピルは月経関連片頭痛がある人なら誰でも使えるわけではありません。
特に重要なのが、片頭痛の前兆の有無です。
前兆には、頭痛が始まる前に現れる次のような症状があります。
- 視界にギザギザした光が見える
- キラキラした光が広がる
- 視野の一部が見えにくくなる
- 手や顔にチクチクした感覚が出る
- 一時的に言葉が出にくくなる
前兆を伴う片頭痛がある場合、エストロゲンを含むOC・LEPは脳梗塞リスクとの関係から禁忌とされています。
日本産婦人科医会の2026年掲載の解説でも、前兆の有無を治療選択の重要な判断材料として挙げています。
前兆のない片頭痛でも、年齢、喫煙、高血圧などのリスクを確認する必要があります。
ピルを希望する場合は、婦人科で頭痛の症状や既往歴を伝え、適切な治療方法を相談してください。
【今すぐできる対策と受診目安】生理中の頭痛を和らげる方法は?
頭痛が起こっているときは、無理に普段どおり活動しようとせず、症状を悪化させる刺激を減らすことが大切です。
生理中のズキズキする頭痛を和らげる5つの方法1.暗く静かな場所で休む
片頭痛では光や音に敏感になることがあります。照明を落とし、テレビやスマートフォンの使用を控えて休みましょう。
2.額やこめかみを冷やす
冷やすことで楽になる人もいます。冷たいタオルなどを使い、皮膚に直接氷を長時間当てないようにしてください。
3.水分をこまめに補給する
水分不足は頭痛を悪化させる要因になります。無理のない範囲で水分を補給しましょう。
4.睡眠不足を避ける
睡眠時間が不足したり、生活リズムが大きく乱れたりすると、片頭痛が起こりやすくなる場合があります。
5.激しい運動や強い刺激を避ける
頭痛が起きている間は、運動や無理な活動を控え、体を休めることを優先してください。
これらは症状を和らげるための補助的な対策です。毎月寝込むほどの頭痛がある場合は、セルフケアだけで対応し続ける必要はありません。
頭痛専門医を受診したほうがよいケース次のような場合は、医療機関で頭痛の原因を確認することをおすすめします。
- 毎月、生理前後に強い頭痛が起こる
- 市販の鎮痛薬を飲んでも改善しない
- 頭痛が2~3日続く
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 仕事や家事、学業に支障が出ている
- 頭痛薬を使用する回数が増えている
- 経血量が多く、貧血の症状もある
受診先は症状によって異なります。
強い頭痛や吐き気、光・音への過敏が中心なら、脳神経内科や頭痛外来が適しています。
過多月経、強い生理痛、不正出血などがある場合は婦人科を受診しましょう。
頭痛と月経の問題が両方ある場合には、両方の診療科で相談することも有効です。
突然の激しい頭痛は生理中でも救急受診が必要生理中だからといって、すべての頭痛を月経関連片頭痛と判断してはいけません。
特に次の症状がある場合は注意が必要です。
- 突然、経験したことがないほど激しい頭痛が起こった
- 短時間で痛みが最大になった
- 手足や顔に麻痺・しびれがある
- ろれつが回らない
- 意識がもうろうとする
- 高熱や首のこわばりを伴う
- 急に視野が狭くなる、物が二重に見える
こうした症状は、くも膜下出血や脳卒中などの重大な病気の可能性があります。
厚生労働省の救急受診案内でも、突然の激しい頭痛は救急車を呼ぶべき症状として挙げられています。
このような場合は様子を見ず、119番に連絡してください。
【情報源を整理】エリス(elis)・ままのて・頭痛専門医の解説はどう活用する?
生理中の頭痛について調べると、医療機関の専門的な解説から、女性向けメディアのセルフケア情報まで、さまざまな記事が見つかります。
それぞれの情報源には特徴があります。
エリス(elis)の生理中の頭痛に関する解説大王製紙の生理用品ブランド「エリス(elis)」では、2025年1月29日に「生理中の頭痛はなぜ起こる?片頭痛の原因やひどい時の対処法を解説」という記事を公開しています。
佐藤杏月医師(八丁堀さとうクリニック副院長、日本産婦人科学会専門医)が監修した内容で、生理前や生理中に起こる片頭痛、頭痛の原因、症状への対処法などを扱っています。
専門的な内容を生理中の体調管理という身近な視点から理解するための参考になります。
ままのての頭痛対策記事妊娠・出産・育児などの情報を扱う「ままのて」にも、「生理のときに頭痛が起こる原因は?頭痛が起こりやすくなる4つのNG行動と頭痛の緩和法も解説!」という記事があります。
生理中に頭痛が起こる背景や、頭痛を悪化させる生活習慣、日常生活で取り入れやすい緩和方法を紹介する内容です。
日常的なセルフケアを考える際の参考になりますが、毎月繰り返す強い頭痛や市販薬が効かない症状については、専門医による診断と治療を優先したいところです。
2026年に確認したい医療情報の優先順位情報を活用する際には、情報源の役割を区別することが大切です。
- 診断・治療方針: 日本神経学会、日本頭痛学会、日本神経治療学会の診療ガイドライン
- 婦人科領域の判断: 日本産婦人科医会、日本産科婦人科学会の情報
- 救急受診の判断: 厚生労働省などの公的情報
- 日常生活の工夫: エリス(elis)、ままのてなどの女性向け情報メディア
- 個別の治療: 脳神経内科、頭痛外来、婦人科での診察
特に薬の使用やピルの適応は、一般向けの記事だけで決めず、医師や薬剤師に相談が必要です。
【頭が痛い生理中】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:生理中に頭が痛くなるのは普通ですか?
生理前後のホルモン変動によって頭痛が起こることはあります。ただし、毎月強い痛みがある場合や生活に支障が出る場合は、月経関連片頭痛などを疑い、医療機関で相談しましょう。
Q2:生理中のズキズキする頭痛は片頭痛ですか?
ズキズキする拍動性の痛みに加え、吐き気、光や音への過敏、動くと悪化する症状がある場合は片頭痛の可能性があります。ただし、症状だけで確定診断はできません。
Q3:月経関連片頭痛は生理の何日前から起こりますか?
重要な期間は月経開始2日前から月経3日目までです。この期間に3回の月経周期のうち少なくとも2回、片頭痛が確認されることが診断の手掛かりになります。
Q4:PMSと月経関連片頭痛は同じですか?
異なります。PMSは頭痛を含む複数の心身の症状を指し、月経関連片頭痛は月経周期に関連して起こる片頭痛です。両方が同時に起こることもあります。
Q5:生理中の頭痛にロキソニンなどの市販薬は効きますか?
軽度から中等度の片頭痛にはNSAIDsが有効な場合があります。ただし、月経関連片頭痛は薬が効きにくいこともあり、改善しない場合はトリプタンなどの処方治療を相談してください。
Q6:生理中の頭痛に薬が効かないときはどうすればよいですか?
自己判断で薬を増やさず、脳神経内科や頭痛外来を受診しましょう。片頭痛の診断を確認し、薬の種類や服用タイミング、短期予防療法などを検討します。
Q7:生理中の頭痛は貧血が原因ですか?
鉄不足や鉄欠乏性貧血でも頭痛が起こる場合があります。ただし、月経前後に繰り返す片頭痛はホルモン変動との関連が考えられます。過多月経や疲れやすさ、息切れがある場合は血液検査も検討してください。
Q8:生理中の頭痛にピルは効果がありますか?
ホルモン変動を抑えることで症状が改善する人もいます。ただし、前兆を伴う片頭痛ではエストロゲンを含むOC・LEPは禁忌です。必ず婦人科で適応を確認してください。
Q9:生理中の頭痛は冷やすべきですか、温めるべきですか?
片頭痛の場合は、額やこめかみを冷やすことで楽になる人がいます。暗く静かな場所で休み、自分にとって痛みが軽くなる方法を選びましょう。
Q10:生理中の頭痛は何科を受診すればよいですか?
強い頭痛や吐き気、光・音への過敏が中心なら脳神経内科や頭痛外来、過多月経や強い生理痛がある場合は婦人科が適しています。突然の激しい頭痛や麻痺などがある場合は救急受診が必要です。
生理中に頭が痛くなる原因には、エストロゲンの低下による月経関連片頭痛、鉄不足や鉄欠乏性貧血、睡眠不足や脱水などがあります。
特に、月経開始2日前~月経3日目に毎月繰り返すズキズキした頭痛は、月経関連片頭痛を疑う重要な手掛かりです。
PMSと月経関連片頭痛は別の概念であり、頭痛の性質や発生時期を確認することが適切な治療につながります。
市販薬で十分に改善しない場合には、トリプタンなどの片頭痛専用薬や短期予防療法を医師に相談できます。また、ピルによる治療を考える場合は、前兆の有無を必ず確認する必要があります。
経血量が多く、疲労感や息切れを伴う場合は、鉄不足や婦人科疾患の可能性も考えましょう。
【プロの結論】
生理中の頭痛への対応で大切なのは、「生理だから仕方がない」と痛みを我慢し続けないことです。
毎月同じ時期に頭痛が起こるなら、まず3周期分の頭痛ダイアリーをつけ、発症日、痛みの強さ、吐き気、薬の効果を記録してください。その情報が月経関連片頭痛の診断や治療方針の決定に役立ちます。
市販薬だけで対処し続けるのではなく、症状に応じて頭痛専門医や婦人科に相談することが、毎月の生活への負担を減らす第一歩です。
突然の激しい頭痛や麻痺などの異常がある場合は、月経との関係にかかわらず、すぐに救急医療を利用してください。
編集・医学情報の主な参照資料
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会『頭痛の診療ガイドライン2021』
- 日本産婦人科医会「片頭痛がある女性の月経困難症の治療でNSAIDsの効果が薄い場合の対処法」(2026年掲載)
- 厚生労働省「女性特有の健康課題」「こんな時は迷わず119へ」
- 横浜脳神経内科・丹羽直樹医師監修「生理前・生理中の頭痛はなぜ?月経関連片頭痛の原因・治し方」(2026年9月1日更新)
- 大王製紙「エリス(elis)」、ままのての生理中の頭痛に関する解説