九州新幹線CMを探しているなら、最初に押さえておきたいのが、2011年の「祝!九州」と2025年から展開されている「九州の元気を、世界へ」という2つの映像です。
両作品は制作された時代も目的も異なりますが、九州の人々の表情や地域の一体感を映し出している点で共通しています。
2011年「祝!九州」は沿線の人々が主役「祝!九州」は、九州新幹線の全線開業を沿線住民と一緒に祝うために制作されたCMです。
最大の特徴は、新幹線の車内に搭載したカメラから沿線の人々を撮影したこと。駅のホームや沿線の各所に集まった人々が、手を振ったり、踊ったり、飛び跳ねたりしながら新幹線を歓迎します。
映像には、子どもから大人までさまざまな人々が登場します。チアリーディングを披露するグループや、個性的な衣装で参加する人たちなど、沿線の人々が思い思いの方法で開業を祝う姿が印象的です。
文化庁のメディア芸術祭に掲載された作品解説では、撮影に参加した人々は10,525人以上と紹介されています。単に出演者を集めて撮影した広告ではなく、地域全体が参加した記録映像という側面も持っています。
2026年には公式YouTubeで再公開2026年3月、九州新幹線は全線開業15周年を迎えました。この節目に合わせ、JR九州は「祝!九州」を公式YouTubeチャンネルで再公開しました。
再公開されたのは、約180秒の総集編です。かつてテレビCMで見た人にとっては懐かしい映像であり、当時を知らない世代にとっては、九州新幹線の開業が地域にどれほど大きな出来事だったのかを知る機会にもなっています。
2026年3月24日付の広告専門メディア「AdverTimes」の取材記事では、公開後の反響として「懐かしい」「また見られるのがうれしい」といった視聴者の声も紹介されています。
現在動画を探す場合は、YouTubeで「九州新幹線全線開業 祝!九州」と検索し、投稿者がJR九州公式チャンネルであることを確認するのが確実です。
【CMの曲名を解説】「Boom!」と2025年版の音楽は何が違う?

九州新幹線CMの音楽について検索すると、特に多く見つかるのがマイア・ヒラサワの「Boom!」です。
2011年版の楽曲はマイア・ヒラサワ「Boom!」2011年の「祝!九州」で使用された代表的な楽曲は、スウェーデン出身のシンガーソングライター、マイア・ヒラサワ(Maia Hirasawa)の「Boom!」です。
明るく軽快なリズムと伸びやかな歌声が、沿線の人々の笑顔や新幹線を歓迎する映像に重なります。
CMの魅力は、映像だけで成立しているわけではありません。音楽が持つ高揚感によって、沿線の人々の動きや表情がより生き生きと伝わってきます。
CDJournalの2011年3月の楽曲調査でも、「間もなく開業」篇や「ありがとう」篇、「期待と笑顔」篇などのCM曲として「Boom!」が紹介されています。
マイア・ヒラサワの日本公式サイトでも、同曲がJR九州新幹線の開通CMソングとしてリリースされた経緯が紹介されています。
2025年版はbaobabが音楽を担当2025年秋から放映されているJR九州グループの企業CM「九州の元気を、世界へ」では、音楽の方向性が変わりました。
楽曲を担当したのは、大分県在住のアーティストbaobabです。
JR九州公式の制作インタビューによると、制作側は単純に明るく元気な音楽を重ねるのではなく、静けさや儚さの中に希望を感じさせる音楽を求めていました。
映像の自然な表情を損なわず、見る人に前向きな気持ちを届けるための選曲です。
なお、JR九州の公式制作記事ではbaobabが音楽を担当したことは確認できますが、楽曲の独立した正式タイトルは同記事に掲載されていません。「Boom!」と2025年版の楽曲を同一の曲として扱わないことが大切です。
【出演者・制作関係者一覧】歴代CMを支えた人々と役割
九州新幹線CMの出演者を調べる際には、2011年版と2025年版を分けて考える必要があります。
2011年版は沿線住民の集団参加を中心にした作品であり、2025年版は九州各地で実際に暮らす人々の日常を映した企業CMです。
特に注目したいのは、CMプランナーの東畑幸多(とうはた・こうた)です。
JR九州公式のインタビューによると、東畑氏は2011年の「祝!九州」に続き、約14年ぶりに2025年のJR九州グループ企業CMを担当しました。
1975年生まれのクリエーティブディレクターで、2021年に電通を退社。2022年1月にはクリエーティブ・ディレクター・コレクティブ「つづく」を設立しています。
2011年版と2025年版には、共通して「九州に暮らす人々の自然な姿を伝える」という制作思想があります。東畑氏自身も、2025年版の制作にあたり「祝!九州」の存在を意識したと語っています。
2025年版に出演した実在の人物2025年版の出演者は、芸能事務所から集めた俳優だけではありません。JR九州公式の制作インタビューでは、九州各地で実際に暮らし、仕事をしている人々が紹介されています。
北九州市の旦過市場にある旦過うどんの女将・水上桂子さんは、日々の仕事や市場での暮らしを通じて九州の食の魅力を伝えています。
佐賀県唐津市の陶芸家・中里健太さんは、作品づくりや訪れるお客さまをもてなす日常がCMの一部になりました。
北九州市のダンサー・maikeyさんも出演者の一人です。普段のレッスン風景を撮影した映像が使われ、仲間や生徒たちとの温かな関係が表現されています。
また、ナレーションには竹原ピストルさんが起用されました。素朴さと温かさ、前向きな力強さを備えた声が、映像のメッセージを支えています。
【撮影場所・ロケ地】九州新幹線CMはどこで撮影された?
九州新幹線CMの撮影場所は、作品によって大きく異なります。
2011年版は鹿児島中央駅から博多駅までの沿線「祝!九州」の撮影は、2011年2月20日に実施された「祝!九州縦断ウェーブ」が中心です。
鹿児島中央駅から博多駅に向かう特別な新幹線を運行し、車内に搭載したカメラで沿線の人々を撮影しました。
映像には新水俣、熊本、久留米などの地域を通過する場面も登場します。沿線の駅や周辺地域に集まった人々が、列車に向かって手を振る姿をつないでいます。
そのため、特定の観光地や駅だけで撮影したCMではありません。鹿児島から福岡までを結ぶ路線全体が舞台になっています。
2025年版は出演者が実際に暮らす場所2025年の企業CMでは、撮影方法にも特徴があります。
JR九州公式の制作インタビューによると、監督はスマートフォンを使って出演者の日常を撮影しました。出演者が普段生活している場所に足を運び、カメラの存在を忘れて自然な表情が出るまで、何時間も撮影を続けたといいます。
代表的な撮影場所と関連する人物を整理すると、次のようになります。
- 福岡県北九州市:旦過市場・旦過うどん
- 福岡県北九州市:ダンサーmaikeyさんの日常やレッスンの場
- 佐賀県唐津市:陶芸家・中里健太さんの活動場所
ここで重要なのは、2025年版が観光名所を紹介するだけの映像ではないことです。土地に根付いた仕事や暮らしを通じて、九州の魅力を伝えています。
【歴代作品と制作経緯】九州新幹線CMが語り継がれる理由
九州新幹線CMの歴史を理解するには、全線開業の経緯と2011年の社会状況を切り離さずに見る必要があります。
2004年:鹿児島中央方面の区間が先行開業九州新幹線は、2004年3月13日に新八代駅から鹿児島中央駅までの区間が先行開業しました。
当時は博多駅まで新幹線で直結していませんでしたが、2011年に博多駅から新八代駅までが開業し、博多駅〜鹿児島中央駅間の全線がつながりました。
2011年:全線開業と「祝!九州」の制作2011年3月12日の全線開業を盛り上げるため、JR九州は「祝!九州」キャンペーンを展開しました。
その中心となったのが、沿線住民の参加によって制作されたCMです。2011年2月20日の撮影では、特別仕様の新幹線が鹿児島中央駅から博多駅まで走り、沿線の人々の姿を記録しました。
文化庁の作品解説では、この映像は九州新幹線を通じて地域とそこに住む人々の魅力を伝えた作品として紹介されています。
東日本大震災による放映自粛「祝!九州」の制作段階では、全線開業を祝う華やかなCMとして展開する予定でした。しかし、2011年3月11日に東日本大震災が発生します。
JR九州はCMの放映を自粛し、予定されていた開業関連イベントも中止しました。
CMは3月9日に放映を開始していたものの、最初の放映期間はわずか3日間でした。その後、撮影に参加した人々にも作品を届けたいという思いから、4月23日から5月15日までテレビ放映が再開されています。
この経緯が、「幻のCM」と呼ばれる背景の一つです。
2025年:新しい企業理念を伝えるCMへ2025年にはJR九州グループが新しい経営理念として「九州の元気を、世界へ」を掲げました。
同年秋から放映された企業CMは、この理念を伝えるために制作されたものです。
2011年版が新幹線の開業という大きな出来事を地域全体で祝う作品だったのに対し、2025年版は九州で暮らす一人ひとりの日常の中にある元気を表現しています。
2025年12月24日に公開されたJR九州公式の制作インタビューでは、東畑氏が新作の制作背景を詳しく語っています。
歴代作品を理解するための比較それぞれの作品の役割を整理すると、九州新幹線CMの変化が見えてきます。
| 時期 | 作品・取り組み | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 2004年 | 九州新幹線部分開業 | 新八代〜鹿児島中央間が開業 |
| 2011年1月 | 新九州起動 | 全線開業に向けた告知CM |
| 2011年3月 | 祝!九州 | 沿線住民による縦断ウェーブ |
| 2011年4〜5月 | 祝!九州の放映再開 | 自粛後にテレビ放映を再開 |
| 2021年 | 流れ星新幹線 | 全線開業10周年の記念プロジェクト |
| 2025年秋 | 九州の元気を、世界へ | 新しい経営理念を伝える企業CM |
| 2026年3月 | 祝!九州の再公開 | 全線開業15周年記念の公式動画公開 |
なお、2021年の「流れ星新幹線」や2026年の「つばめの大冒険」は周年記念プロジェクトであり、通常のテレビCMと完全に同じ分類ではありません。歴代の広告・映像施策を整理する際には、こうした違いも押さえておきたいところです。
【CMの評判と評価】なぜ「祝!九州」は15年後も愛されるのか
「祝!九州」が高く評価されている理由は、映像の美しさだけではありません。
大きな特徴は、広告の出演者と視聴者の境界が曖昧になっていることです。一般的な鉄道CMでは、車両や駅、観光地、俳優などが中心になるケースもあります。しかし、この作品では沿線に暮らす人々自身が主役になっています。
参加型の映像が生んだ一体感CMの撮影には、地域の人々が参加しました。新幹線に向かって手を振るというシンプルな行動を通して、離れた地域同士が一つにつながっていることを表現しています。
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資料では、キャンペーン全体の参加者は沿線地域で2万人以上とされています。また、カンヌ国際広告祭ではアウトドア部門の金賞、メディア部門の銀賞、フィルム部門の銅賞を受賞した記録があります。
文化庁メディア芸術祭でも、第15回エンターテインメント部門の審査委員会推薦作品に選ばれました。
東日本大震災後に広がった映像の意味制作時には開業を祝うことが目的だったCMですが、震災後には別の意味を持つようになりました。
放映自粛という経緯を経て、インターネット上で映像が広がり、九州以外の人々にも届くようになりました。
AdverTimesの2026年3月の取材記事では、震災後に映像を見た人々から「元気づけられる」「勇気が出る」といった反応が広がった経緯が紹介されています。
15周年の再公開でも、懐かしさや再び視聴できる喜びを伝える反応があったと報じられました。
当初は地域の開業祝いだった映像が、時間の経過とともに世代や地域を超えて共有される作品になったのです。
【プロの結論】CMの本当の主役は新幹線だけではない「祝!九州」の広告表現で特に評価できるのは、商品である新幹線を前面に押し出すだけではなく、新幹線によって結ばれる人々を主役にした点です。
新幹線の性能や所要時間は、鉄道会社にとって重要な訴求材料です。しかし、それだけでは沿線の人々が感じる喜びや地域への愛着までは伝えきれません。
「祝!九州」は、列車が走ること自体を地域全体の出来事として見せました。鉄道広告でありながら、地域ブランディングや観光プロモーションとしても機能した理由はここにあります。
2025年版が日常の表情に焦点を当てたのも、この考え方とつながっています。大きなイベントの祝祭感から、毎日の暮らしにある小さな笑顔へ。表現方法は変わっても、人と地域を中心に据える姿勢は一貫しています。
【九州新幹線と鹿児島ルート】CMの背景にある路線の基本情報
九州新幹線CMを理解するうえでは、作品の舞台となった路線そのものについても知っておくと、映像の意味がより明確になります。
鹿児島ルートとは?九州新幹線の鹿児島ルートは、福岡県の博多駅から熊本県などを経由し、鹿児島県の鹿児島中央駅までを結ぶ区間です。
JR九州の公式事業紹介によると、新八代〜鹿児島中央間が2004年に開業し、博多〜新八代間が2011年に開業しました。
現在、旅客向けには一般に「九州新幹線」と案内されており、鹿児島ルートは整備新幹線の計画上の区分を理解するための名称です。
博多駅と鹿児島中央駅を結ぶ路線JR九州の交通・営業データでは、2025年3月15日現在、九州新幹線の博多〜鹿児島中央間の営業キロは288.9キロとされています。
2011年の全線開業により、九州内の移動が便利になっただけでなく、山陽新幹線との相互直通運転も始まりました。
現在は新大阪方面から鹿児島中央方面まで、乗り換えなしで移動できる列車も運行されています。
路線とCMの関係を整理| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 路線名 | 九州新幹線 |
| 運行会社 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
| 起点 | 博多駅 |
| 終点 | 鹿児島中央駅 |
| 営業キロ | 288.9キロ(2025年3月15日現在) |
| 先行開業 | 2004年、新八代〜鹿児島中央間 |
| 全線開業 | 2011年3月12日 |
| CMの代表作 | 祝!九州 |
| 代表的な使用楽曲 | Boom!/マイア・ヒラサワ |
2011年のCMで鹿児島中央駅から博多駅までの映像が使われたのは、まさにこの全線開業を祝うためでした。
新幹線が地域を移動するだけでなく、九州全体をつなぐ存在になったことが、映像の根底にあるテーマです。
【よくある質問】九州新幹線CMに関する疑問(FAQ)
Q1:九州新幹線の有名なCM曲は何ですか?
A1:2011年の代表的なCM「祝!九州」で使用された曲は、マイア・ヒラサワの「Boom!」です。軽快な音楽と沿線住民の笑顔が印象的な作品です。
Q2:九州新幹線の「祝!九州」は現在も見られますか?
A2:はい。2026年3月の全線開業15周年に合わせ、JR九州公式YouTubeチャンネルで180秒の総集編が再公開されています。
Q3:2011年のCMに出演しているのは誰ですか?
A3:特定の俳優やタレントが中心ではなく、沿線に集まった一般の人々が主役です。10,525人以上が参加した映像作品として文化庁の資料にも紹介されています。
Q4:九州新幹線CMの撮影場所はどこですか?
A4:2011年版は鹿児島中央駅から博多駅までの新幹線沿線が舞台です。2025年版は北九州市の旦過市場や佐賀県唐津市など、出演者が実際に生活する場所で撮影されています。
Q5:九州新幹線の鹿児島ルートとは何ですか?
A5:博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ九州新幹線の区間を指す整備新幹線上の呼称です。旅客向けには一般に九州新幹線と案内されています。
Q6:2025年のJR九州CMの出演者や音楽担当は誰ですか?
A6:出演者には旦過うどんの女将・水上桂子さん、陶芸家・中里健太さん、ダンサー・maikeyさんなどがいます。音楽はbaobab、ナレーションは竹原ピストルさんが担当しています。
九州新幹線CMを代表する作品は、2011年の全線開業を記念して制作された「祝!九州」です。マイア・ヒラサワの「Boom!」を背景に、沿線の人々が新幹線に向かって手を振る姿は、今も多くの人に記憶されています。
東日本大震災による放映自粛という経緯を持ちながら、作品はインターネットを通じて広がり、広告賞や文化的な評価も獲得しました。そして2026年3月、全線開業15周年という節目に公式YouTubeで再公開されています。
一方、2025年からの「九州の元気を、世界へ」は、九州で暮らす人々の自然な笑顔や日常に焦点を当てた新しい企業CMです。東畑幸多氏が再び制作に関わり、baobabの音楽と竹原ピストルのナレーションが作品を支えています。
動画を探している人は、まず「祝!九州」の180秒版を視聴し、続けて2025年の企業CMを見ると、JR九州の広告表現がどのように変化してきたのかを比較できます。
博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ九州新幹線。その魅力は移動時間の短縮だけではありません。沿線で暮らす人々、地域の文化、そして新幹線を迎える人々の笑顔まで映し出してきたことが、九州新幹線CMが長く語り継がれている理由です。